蘇州麺と蘭州拉麺                                          2011.07

蘇州麺
で人気の店十選、『姑蘇十碗面』が、NikkeiGalleryAsiaOceaniaEditionVol.82 に掲載されていた。2001年に蘇州の飲食業協会、料理人協会、蘇州TV局の共催でうまい麺10杯を市民の投票によって選んだそうだ。
蘇州麺は具材が多彩だが、麺にはこれと言った特徴がない。私が食べた店も、麺とスープはあまり変わりなかった。白くて長いストレート麺、ソーメンと似た感じだった。ところがメニューは実に多彩だ。メニュー板には縦横にずらりと並んでいる。
『十碗面』にはメニューと店が書かれているが、店を絞って具材による味を堪能した方が良いかも知れない。今回は自分で調べた3店と、平江路にあった店だけ行ってみた。次回はこれら10碗に選ばれた店と、蘇州麺発祥の地と言われる楓橋鎮(寒山寺付近)の店、それに上海で人気の、蘇州麺の店にも行きたいと思っている。

蘭州拉麺の店は、蘇州にも上海にもたくさんある。どうもチェーン店が多いようなのだが、店は回族の方がやられているようなので、蘭州まで出向いていないものの、本場の麺と考える事にした。ただ本場では、香辛料の辛い油をいっぱい加えるので、真っ赤なスープになるらしい。そして、イスラム系であるため豚肉は使わない。牛スープの醤油味が基本で、どの店も牛肉拉面の看板がかかっている。
牛肉麺が人気のようだが、拌麺とか刀削麺のメニューも多い。しかも、シルクロード沿いの文化なのか、拌麺はトマト風味のスパゲッティに近い味がするのだ。

  蘇州麺

『姑蘇十碗面』、に選ばれた店とメニューとは  (NikkeiGalleryAsiaOceaniaEditionVol.82 より)
< 店名 > < メニュー名 > < 所在地 >
朱鴻興 燜肉面 平江区宮巷
陸長興 爆魚面 滄浪区葑門路安利橋
陸長興 葱油香茹面 滄浪区葑門路安利橋
黄天源 炒肉面 平江区観前街
美味斎 爆魚面 平江区北寺塔西北街
同得興 楓鎮大肉面 人民路嘉餘坊
偉記奥灶館 奥灶面 平江区白塔東路
五芳斎 五香排骨面 太藍弄
松鶴楼 滷鴨面 太藍弄
兪長盛 双鳳羊肉面 太倉市双鳳鎮
( 東呉面館 燜肉面 山塘街、ほか ) 私が加えた店


1. 東呉面館 [ 蘇州・テスコ内の店 ]  (2011.07 )

初めての蘇州麺はテスコ1階にある、この店。かなりチェーン化されているようで、あちこちで見かけた。
店内は落ち着いた雰囲気だが、ちょっと暗い感じ。入り口のレジで注文し、支払いを済ませてテ-ブルで待つ。
『燜肉面』
メニュー数は多いが、具材をうまく組み合わせて使っているようだ。少し濃いめのスープに、ストレートの長い麺がどかっと入っている。
焼き豚がトッピングされて出てきた。
蘇州麺はここが初めてなので、この味がベースとなる。



2. 同得興 [ 蘇州・嘉餘坊の本店 ]  (2011.07 ) 

人民路から、怡園のすぐ北の路地をちょっと入った所にある。観前街とも近く観光客が立ち寄るのにも便利だ。中国の伝統的で古風な建物だが、メニューは大衆的だ。テーブル席への丸い入り口と、黒い蘭間が印象的だ。注文と支払いは、入り口のレジで。レシートを貰って、紅湯、白湯と別れている厨房口で待つ。
『紅燜肉面』
蘇州面の特徴は、トッピングの具材が豊富でメニュー数が多い事のようだ。麺はどこも同じのようで、白くて細いストレート麺。量は多い。
スープは醤油味でそう辛くはない。
美味しい。



3. 朱鴻興 [ 蘇州・宮巷の本店 ]  (2011.07 )

観前街より一筋南側、グルメ通りの真ん中にある。しかも通りが狭くなる角にあるから、すぐ目に付く。風格ある店構えだ。店内は老舗の雰囲気。東呉面館等と比べると、値段は少し高いようだ。
私が行った時は、入り口のドアは開け放して、従業員は奥のテーブルで休憩中だった。注文を入れると、その内の一人が席を立った。厨房には何人かいて、調理を終えると、だらしなく肘をついて顔をだしていた。
エアコンは動いているようで、お客の一部はパッケージエアコンの前に陣取っていた。
『燜肉面』 13元。
燜肉(焼き豚)がお皿で出てくる。
麺はストレートの細めん。




こちらは『蟹粉面』 25元。 蟹粉はしっかりした味付けだ、コクがあり、しかも蟹粉の量も多い。
美味しい。


4. 弄堂口 [ 蘇州・平江路 ]  (2011.07 )

平江路の中ほどより少し南側にある、飲茶風レストラン。小吃のメニューが多い。外見もおしゃれだが、店内も清潔できれいな店づくりになっている。入り口のカウンターはファストフードのようだ。店内は意外と広く、テーブルの数も多い。
ここでは『鴨奥灶面』を食べる。
奥灶面は、江蘇省昆山市の名物麺だ。淡水魚でとっただしが特徴のスープ。しっかりした味付けになっている。麺は蘇州麺の細めん。












  蘭州拉麺


1. 蘭州正宗牛肉拉麺 [ 上海・福建路の店 ]  (2011.07 )

初めての蘭州麺は、上海の店。南京東路のすぐ北側、天津路×福建中路の交差点近くにある、”民族特色”と書いてあるこの店だ。間口は狭いが、入り口で麺を捏ねて、引っ張って、外で湯がいてと、お客が全部見えるようにやっている。

この店では、テーブルに座るとすぐ注文を取りに来てくれたので、ゆっくりメニューを見る事もなく、ニューローミエン(牛肉面)とだけ言ってみた。
しばらくして出てきたのは、麺の塊の上に、牛肉が少しとパクチーがのっているシンプルな拉面だった。『牛肉面』 6元
スープは少し薄い目の穏やかな味だ。麺はもちもちした感じ。そして、他のテーブルで食べている、汁なし麺の方が美味しそうだ。



壁に掲示された、訴求メニューとしての”西域特色拌面”の数々。
やはり、シルクロードには拌面がよく似合うのかも。







2. 蘭州牛肉拉麺 [ 蘇州・高新区淮海街の店 ]  (2011.07 )

蘇州での蘭州麺は、淮海街の北側にあるにある、この蘭州牛肉拉面の店。この種の店はどこも店頭で作業をしているようだ。誰もが回教徒のシンボル、頭に白い帽子を被っている。でもこれって衛生上の帽子なのかな。とにかく回族の方がやられているのは確かなようだが。

待望の拌面だ。ここでは『新疆拌面』を注文した。12元。
麺を味わうより、野菜や肉の炒めた具が多く、しかもとっても美味しかったので、すぐ食べ終えてしまった。




こちらは平打ち麺に具材がトッピングされた、汁なし麺。名前が読めない。