タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る  42
ムイネーからホーチミンへ
ベトナム  12   4月18日(月)
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1.ムイネーの海岸通りからサイゴンへのバス

昨夜おじさんに「明日のチェックアウトは6時30分頃でお願いします。パスポートがないと帰れないから」と言っておいたら6時頃に部屋まで持ってきてくれた。ちゃんと覚えていてくれたようだ。
ムイネー海岸通りを埋め尽くす椰子の林を眺めた。この景色は私のよく行く南部のメコンデルタでは見られない。チョッと名残惜しい気持ちで窓を閉めた。

ガタガタ道をバッグを引いて大通りへと歩く。この路地には食堂が何軒もあるがこの時間でも営業していた。欧米系かロシア人の滞在者が多い地区なので、メニューもバラエティーに富んでいる。

バスが停まってくれる筈のこの場所でシンカフェのバスを待った。バス停の標識があるわけでもないし、スイスビレッジの斜め前の場所。本当にここでいいのだろうか。簡単にOKしてくれたが少し不安だ。オープンツアーバスなのでバス停などあるわけもない。
バスはしっかり遅れて到着した。それでもすぐ乗客と分かったようで前に停めてくれた。

10時15分にQL1A沿いにある休憩所に着いた。『Trạm Dừng Chân Đại Phú』REST STOP と書いてある。駐車場の真ん中に牛のオブジェが2頭置かれている。店内にも bò sữa の看板が吊るしてあったので何か牧場とか経営しているのだろうか。



2.デタム通りのシン・ツーリスト前で降りた

休憩所を出ると、しばらくして高速道路に入った。4車線で路肩をしっかり1車線分とってある。クラクションを頻繁に鳴らしていたバスも、ここでは静かに走る。2区からトンネルを潜りデタム通りへ。

シンカフェのバスは営業所の前で降ろされるが、このデタム通りはどこに行くにしても便利な場所になる。昨年は他社のバスでファングーラオ通りだった。こちらも便利。その前はファンティエットからワゴン車に乗ったらミエンドン・ターミナルで降ろされた。やはりホーチミン中心部のこの辺りで降ろしてくれた方が良い。

今回の宿泊はコンクイン通りになっている。夜間の到着だと知っているホテルにするのだが、昼間だから探すのに多少時間がかかっても大丈夫だろうと思って初めての宿にした。
案の定、アゴダの地図はいい加減だ。暑い中あちこち聞きながら探して1kmも離れた場所で見つけた。CO-OPの辺りから探し始め、グエンチャイ通りの裏通りまでくまなく歩いた。
ブローカーから仕入れた情報で予約サイトを構成しているようなのだ。自分でやっていないからどれもいい加減な場合が多い。こんなのでビジネスが成り立つのだから、この業界は今から参入しても大丈夫かも知れない。
どうしても見つからない場合は如何にするかと言えば、タクシーとかバイクに乗って探してもらえば良い。なぜこうなるかと言えば、誰もが知っているような有名ホテルでないからなのだ。

1時間たっぷりかかってやっと見つけた宿は、この旅で一番さみしい古い宿。冷蔵庫も付いていなかった。ホーチミン市の市街地にある安宿はどこも建物が古いからあまり清潔な感じはしない。やはり郊外に限る。



3.ホーチミン市街地ぶらり歩き

やれやれで13時20分頃にチェックインした。エアコンをつけてしばらく休憩だ。小さい窓の外はビルの壁しか見えない。ムイネーとのギャップが大き過ぎるようだ。ここはタイビン市場のすぐ近く Cống Quỳnh 通りに面していて、バックパッカーの聖地になっている Phạm Ngũ Lão 通りやBùi Viện 通りにも近い。
この辺りは眠らない街になっていて、特にファングーラオ通りやブイビエン通り一帯は[欧・米・豪・露]連合国に占拠され、我々アジア系が入り込む隙もない。彼らにとっては国際的なコミュニケーションがとれる格好の場所のようだ。
そんな地域なのだが、バスの便も良く安宿が多いのでつい来てしまう。
なるべくこの辺りは避けたいので Cô Bắc の方に泊まった事もあるが、環境が少し違うだけで部屋は変わらなかった。それでも長期滞在しようとすればこの辺りになってしまう。私はバンコクでもカオサン地区には絶対に泊まらないこだわりがある。

2時間位して街歩きに出かける事にした。先ずチャンフンダオ通りまで出る。この通りは車道の外側に街路樹のベルトとバイクが通れる狭い補助道がある。ゴミなど落ちていないきれいな通りだ。

  ベンタイン市場の方へと歩いて行くと、マクドナルドがやたらと目立つようになっていた。
チャンフンダオ通りとファングーラオ通りの三角地に建っているこの店だが、ベトナム初出店の頃はどこだか分からない程だったが、4階建てのこんな店舗になったらすぐ目に付くようになった。
場所もベンタイン市場の近くだし、ゲストハウスの多い地域なので欧米系の人たちがかなり集まりそうだ。私には疲れて休憩する時に入る便利な店だ。

ロータリーの手前を横切りバスターミナルからハムギーヘ出た。この大通りは昨年の春節にはイベント会場として使われ通行止めになっていた。

ハムギー通りはビジネス街でオフィスビルが多い。その中で特に目立っているのが、超高層ビルの『Bitexco Tower』だ。地上68階のこのビルはホーチミン市のランドマークとして、またこの国の発展を象徴しているかのようだ。



4.旧市場を通ってニューラン(Như Lan)でブンとシントー

Tôn Thất Đạm 通りの旧市場をぶらっと覗いてみる。ここはトタン屋根の店がビルの前に並んでいる。元々この通りの車道部分が店になっているようなので、撤去命令が出れば一斉になくなってしまいそうだ。
この風情は何とも捨て難い。こんな大都会の中心部に昔ながらの市場があるのは貴重だ。急速に発展するホーチミンの中にあって取り残された一角のようにも見えなくはないが、私はこの雰囲気がとても気に入っている。
旧市場はベンタイン市場などと違って観光客はいないから、素朴な感じの商品が並んでいる。その中でもやはり野菜や果物など生鮮物主体に売られているようだ。日用品から調味料、缶ビールまで何でも揃っている。ビルに囲まれた場所なので店内が暗くなり、昼間からでも懐かしいオレンジ色の電球が光っている。
そんな中で目立って見えたのは荷車と自転車をくっつけた販売車。そのノンラー(Nón lá)のおばさんが売っていた物はお粥のようだった。
ベンタイン市場はすっかり観光化されてしまっている。レタントン通り側にある花の店くらいしか地元民は行かないように思う。生鮮物はやはりこの市場の方が便利だ。

すぐ近くのニューランに行った。ベーカリーなので主にパンとか加工肉類などを売る店なのだろうが、食堂の方とていつも客が多く、安心できるで私は時々ここで食事をする。
店員は何人もいてあちこち動きまわっているのだが、店内でエリア別の担当がいるのか座っていても注文を聞いてくれない。手を挙げていると、年配の店主のような方が店員に注文を聞くよう指示した。
私は、『Bún riêu cua』(ブン ズィウ ・クア)、『Sinh tố bơ 』(シントー・ボー)、を注文した
このブンはカニのスープにトマトが入ったもの。酸味とコクのある味が何ともうまい。これはもうハマってしまう味だ。私はシントーと言えば殆どアボカドを注文するのだが、この店のはあまり氷を使っていないようで生暖かい。少々味が薄まってでも氷がたっぷ入った冷たいのが美味しいと思う。

『Như Lan』はいつ来ても繁盛していて忙しそうだが、店員はイヤイヤ仕事をしているようにしか見えない。
この後グエンフェ通りを少し歩いてみた。あんなに広い通りだったのに、中央を広場にしてしまって歩行者用となった。そこに歴史的な写真を掲示し、その前には花が置かれている。




5.サイゴン川沿いの波止場からドンコイ通りへ

サイゴン川に沿った公園はナイトクルーズ船や対岸とのフェリー乗り場だった。夕方になると電飾キラキラのクルーズ船が何隻も着岸してお客を呼び込んでいたのだが、この時間なのに全くそんな気配がない。
ホーチミン市はこのところ急激な変貌を遂げている町だ。あちこちで再開発が進んでいて、鉄道の新線も建設されている。
そんな事でこのクルーズ船乗り場もブンタウ行き高速船乗り場もどこかへ移転してしまったのだろうか。
そんな事を考えながら4区の方を見ると、あのクルーズ船が2隻停泊しているのが見えた。従来のこの乗り場も時間がくれば一斉に入ってくるので何とも言えないのだが。

4区に架かるカンホイ橋からこの公園までのプロムナードはカップルの溜り場だった。再開発されてもっときれいな場所になるのだろうか。

マジェスティックホテルの角からドンコイ通りに入った。国営デパートが移転したと言う『Lucky PLAZA』だが、3階まである建物が真新しく建っていた。レロイ通りの角にあった店は、1階で宝石・貴金属とか高額な商品ばかり販売していたが、売り場面積が縮小されたようなので、どうなったのだろう。お土産物になる菓子や食品類は3階にあるようだ。
日本企業ではイオンのショッピングセンターが出来たり、高島屋の店舗や三越イセタンが計画を進めているようなので増えそうだ。


レロイ通りに来ると地下鉄工事の現場に大きな掲示がされている。VIETNAM-JAPAN の文字に、JICA、SHIMIZU-MAEDA とも書かれている。日本もこの工事に参加していると言う事だ。ホーチミン市はバスの便がとても充実していて地下鉄など必要ないようにも思うが、将来の環境を考えるとバスやバイクは減らす方向にあるのだろう。

ここまで歩いて来るとすっかり暗くなってしまった。ホーチミン像がライトアップされ金色に光って見えた。グエンフェ通りには大勢の人たちが夕涼みにやって来た。




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ホテルのあるヘムの入口付近。この向かい側にスイスビレッジがある。ここでシンカフェのバスにピックアップしてもらった。


休憩所は『Trạm Dừng Chân Đại Phú』牛とか牛乳に関係があるのか牛のオブジェが置かれている。



赤いFUTA Bus が駆け抜けて行く。QL1A『Trạm Dừng Chân Đại Phú』の付近で。



コープ・マートの辺りを行ったり来たりで宿探し。ホテル予約サイトの地図は全く信用できない。



チャンフンダオ通りまで出ると整然とした都会の雰囲気になる。



この市内バスの停留所からは152番バスや1番バスに乗る事ができる。



ハムギー通りから入るとトンタートダム通りには旧市場が広がっている。



ニューランはパンや加工肉以外にも生菓子やデザート類まで多くの商品が並んでいる。



ニューランは商品たっぷり、いつも大勢の客でにぎわっている。この奥が食堂になっている。



2区へ渡るフェリーの発着所なのだが、ディナークルーズ船もいなくなってしまっている。



ホーチミン市の目抜き通り、ドンコイ通りにはデパートや高級ホテル、ブティックが並ぶ。