タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る 1 |
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1.なかなか進んで行かないKLIA2のイミグレーション 関空からのエアアジア便はクアラルンプールに20分位早く着いた。まだ午前5時過ぎだ。みんな無言で長い通路をひたすら歩いている。駐機場は薄暗い。時折、電動カート車がクラクションを鳴らしながらすぐ脇をすり抜けて行く。動く歩道も所々にはあるが、誰もが旅の疲 ![]() ![]() もうこの時間では周辺国からの到着便も多くなようで、浅黒いインド系の人を多く見かける。この人たちは関空からではない。体形も顔もよく似ているように見え、一様にでっぷりしている。 今日はイミグレーションがやけに混み合っている。後ろの壁近くまで行列が延び、一向に進んでいかないのだ。私の前には浅黒い男性が2人いて、その前の隙間に、やはり浅黒い赤いバッグを持った女性が割り込んできた。男性2人は顔を見合わせた。この現象は何なのだろう。インドでは当たり前のように割り込みをする。それを防ぐ為に皆が体をくっつけているのをTVで見た事がある。 こんな場所でさえも割り込みは普通のようで、あっけらかんとした顔でいる。 ![]() ![]() ここを通過すると狭い通路を通り、一気に明るい照明の免税店らしきチョコ・酒・タバコ類の中を通る。KLの空港はこんな場所が多いようで、簡単には外に出してもらえない。商品が並んでいる真ん中を通るようにレイアウトされている。 ターンテーブル8番ではもう荷物は少なくなっていた。私のがすぐ目の前を横切った。税関は申告ナシが何レーンかあるのだが、なぜか1か所に集めている。大きな荷物のX線検査だけだからすぐ通れるのだが、今日は行列になってしまっている。 ![]() ![]() このKLIA2にLCCが移ってから、バスはエアアジアのSKYBUSとAEROBUSが共同運行みたいになってしまって、お互いの客引きがいなくなった。当然、運賃も同じRM11になっている。そんな事でバスの前で切符を売っているおじさんがいなくなり、「切符を」と言っても、「中の窓口で買ってくれ」と言う有様だ。政府の方針だとは言え、私には旧LCCTの方がよっぽど居心地が良かった。 チケットカウンターで買った切符は8時20分になっていた。乗り場に行くと、「このバスにすぐ乗れ」と言ってバッグを荷物室に入れてしまった。どうも8時発の便がもう少し客を乗せようとしていたようだ。車内はほぼ満席だ。エアロバスは8時10分頃になって空港を出た。もう外は陽が差していて眩しい。ただバスの車内は冷房が効き過ぎでとても寒いのだ。セーターでも必要なのに荷物室に入れてしまっている。 マレーシアはあまり鉄道に頼らない、車社会になっている。高速道路やその他の国道も車線が多くよく整備されているが、さすがに通勤時間帯はかなり渋滞するようで、今日も中心部に近づくと大渋滞の車の中で停まってしまった。 2.KLセントラルで荷物を預けクランへ向かう KLセントラルでは、広い中央通路からKTMの長距離チケットカウンターの前にある荷物預かりへと向かう。窓口には『5分~10分休憩』と書かれた札がかかっている。多分トイレ休憩なのだろう。そこで私も身繕いをする事にした。このフ ![]() ![]() マクドナルドの側、狭い通路を入った所にある両替所へ行った。同じような店が2店並んでいて、いつもどちらにしようか迷うのだ。マレーシア・リンギット(RM)は前回チョッと多めに両替しておいたが、その後、原油価格の下落もあり、このところ安くなっている。タイ・バーツより勢いがあった通貨なのだが今は何とも元気がない。私の持っていたリンギットもその価値を落としてしまっている。 下の階にあるKTMコミューターのチケットカウンターでクランまでの切符を買った。薄いスーパーのレシートのような紙切れをくれた。自動券売機は2台並んでいるが『窓口へ』と書いた紙が貼り付けられていて使えない。 ![]() ![]() 女性専用車の停車位置にはこんなマークが貼ってある。乗車位置だけでなくこのエリアのベンチも女性専用の表示がある。しかも日本のような痴漢防止ではなく宗教上の掟なので時間には関係ない。私はこのエリアを避けて電車を待つ。 このコミューターは普通6両編成で、その中央2両が女性専用車となっている。ただムスリムの女性でもそんなのはお構いなしで適当にどの車両にも乗っている。ただ男性は女性用車両には乗らない方が良いだろう。 ![]() ![]() スバンジャヤ駅近くにはイオンのビッグがある。そこから乗ってきた客はそんなスーパーバッグを提げている。そして、シャーアラム駅を過ぎた辺りから木々が目立つようになり、高層ビルから平屋の民家が多くなった。電車も少しばかりスピードを上げたような気がした。 クランはいつもこの時期、この時間だと太陽が真上でとっても暑い。影が殆ど無くなるし強烈な熱線がじりじり肌を焼く。駅前から眺めると左右に古い町並みが続いている。クランはインド文化の強い町で、あちこちにヒンドゥー教に関する道具や食品、衣類、それにあの甘い生菓子を売っている。ムスリムのレストランが多い中にもちゃんとインド風の食堂がある。 3.クラン駅から歩いてバクテーの店『楊氏肉骨茶』へ クラン駅から古い町並みを通り、クラン川に架かる橋を渡る。暑い、汗が流れてくる。目の周りが特に凄いようで、目に入ってチクチクする。この辺り一帯は市街地になっていてバスターミナルもある。ここから先は以前歩いているので道順は分かるのだが、歩道が整備されていないので広い道路の端の泥道を歩いて行くしかないのだ。 ![]() ![]() クラン駅近くのJalan Stesen 1にある肉骨茶の店『徳地』が発祥店とされている。 私は2度味わったが黒系(福建系)の美味しい店だ。当時、その地区はかなり賑わっていたようで『からゆきさん、おキク』の話もある。 ![]() ![]() ただ、現在では、家族や友人と語らい、やかんの湯を何度も注ぎ足してゆっくりお茶を飲みながら時間を過ごす人が多い。 この店は黒系だ。肉骨茶は黒系(福建)と白系(潮州)があるが、黒く煮詰めたドライバクテーもあり、店によってメニューが違っているようだ。 お茶は必須で、席に着くとすぐ、お茶をどれにするか選ばなければいけない。私はジャスミン茶を選んだ。『徳地』は紙の上に盛られた茶葉を持ってくるが、殆どの店はこのようなアルミパックの茶葉を何種類も持ってきて、客はその中から選ぶようにな ![]() ![]() やかんはガスにかけられ常に沸騰している。お湯を注いだら全部の湯呑につぎ分ける。急須に残すと風味も落ちるし濃くなってしまうからだ。私も食事をしながら何回もやかんのお湯を入れて飲んでいる。 バクテーには油条(ユウティアオ)、揚げパンやご飯も一緒に食べる。太い骨の周りには肉の塊が付いている。黒系は味が濃厚で美味しい。ご飯にはバクテーの汁をかけて食べた。ただ、この肉骨茶はチョッと肉が多過ぎた。お腹いっぱいになってしまって苦しい。 ![]() ![]() 美味しく食べた後は再び駅の方へ戻らなければならない。 帰りも同じ高速道路の横を通るのだが、チョッとだけ国道に沿った路地に入ってみた。 バスターミナル辺りまで戻って、その辺りをぶらぶら歩いてみる。大通りに面した店の間を少し入ると、屋台や駄菓子屋などの店が多く、その中でも食べ物の店には面白い物を売っていた。 4.クランはインド、マレー、中華の文化が入り混じった町 大きなモスク(Masjid Bandar Diraja Klang Utara)の方へ歩いて行く。近づくにつれムスリム関連の店が多くなってくる。 1時30分、高らかにイスラム教の呼びかけが流れると、あちこちからモスクの方に男性が集まって来る。一瞬に集まるのではな ![]() ![]() クラン旧市街へ戻る橋(Jambatan Kota)は歩道が2段になっていて、下の道を歩いた。川を渡ると線路沿いの緑地帯に出る。線路にはフェンスが張ってあるので、そのまま歩いて行くが、人影がなく外国人にはチョッと不気味な場所だ。次の橋の下まで来るとフェンスの切れ目があり行き来できるようになっている。ここからレールを横切って市街地に出られた。 クランはインド系の住民が多い。ヒンドゥーの宗教具や衣類の店が目立つようになる。インド料理の店も多く店頭には甘い生菓子が置かれている。以前、何種類か食べてみたが、私には甘すぎた。 ![]() ![]() クラン駅まで戻り売店でアイソトニック飲料を買ってしばらく休んだ。向かい側のプラットホームまで陸橋を渡る。電車の案内は電光掲示板に時刻が表示されているが、あまり信頼できない。電車が大きく遅れを出すと、前、前々の電車が表示されていたりするからだ。 2時45分、プラットホームのベンチに座って『PLUS』を飲んでいると、突然、けたたましい爆音が響いた。屋根をも砕きそうな大粒の雨、スコールだった。 5.『マハラジャレラ』駅は傘も壊れそうなどしゃ降り KLセントラルからはモノレールに乗った。シンガポールでもそうだが、券売機には予めの料金表示が無い。行き先のボタン操作で初めて料金が表示される。それでお金を用意し投入する順序になるのだが、料金が分かっていれば前もって用意しておけるのに、とよく思う。 マハラジャレラ駅までRM2.20、そう遠くない。私にはこの駅は、チャイナタウンに行った時にインビ方面への帰りに乗る駅だった。 ![]() ![]() 目の前に予約したホテルが見えるのだが、数メートルが渡れない。もの凄いどしゃ降りの雨だ。傘など壊れてしまいそうな勢いで叩き付けてくる。モノレール駅『マハラジャレラ』を降りて屋根のある陸橋を渡るまでは良かったが、それから先が進めない。雷や稲光までもが脅したててくるのだ。目の前で爆発でもあったような轟音が響く。駅の避雷針の高さを確認して階段を一歩後ずさりして待つ。地元民は濡れながら走る。雨季になればこんな雨は普通なのだろう。私はじっとしているだけなのに額からタラタラ汗が流れてくる。 スコールは徐々に雨粒が減っていくのではない。小降りになったかと思うと一気に止んでしまう。さっきまでの事は何だったのだろうか、と疑うくらいだ。 ここのホテルは『Hotel's.com』で予約した『OYO Rooms Maharajalela』で、モノレール駅から近い。陸橋を渡った場所からすぐ先にある。 チェックインをしてしばらくエアコンのよく効いた部屋にいた。そして薄暗くなってから食事に出かけた。陸橋を渡ればチャイナタウンもそう遠くないが、今日はこの辺りで食堂を探す事にした。 ![]() ![]() 『文華福建麺家』(Mun Wah Hokkien Mee)、大通りの歩道側にはたくさんのテーブルが並んでいる。ここまで歩いて来るまでにあった店も殆どがこんな風に大通り側のテーブルで客が食事をしていた。この店は有名店なのか客は多いが殆どが外にいる。店の入り口は大きく解放されているから、外の方が涼しくて快適なのだろう。私は店内のテーブルに座った。メニュー表を持ってきてくれたのでその中から選んだのがこの麺料理だ。福建麺は真っ黒な汁なし麺が多いが、このこってりしたスープ麺にしてみた。とろみのあるスープには麺の他に豚肉、海産物がいっぱい入っていて美味しい。中華系の店はどんなメニューでもそれなりに美味しく外れが無い。 昨夜の飛行機は殆ど眠れてないので、この後すぐホテルに戻った。 明日は、KTMでクラン港まで行って、カニの島『ケタム島』に行く予定にした。 Topへ ▶ 次へ |
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