タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る  
クラン港からカニの島ケタムへ
マレーシア  2   3月9日(水)
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1.荷物預けを忘れ電車に乗ってしまう

朝は、昨夜コンビニで買っておいたパンとレモン飲料の食事だった。洗濯物はエアコンの効果か、全てきれいに乾いていた。
チェックアウトしようとフロントに行くと、女の子が机に置いた小さなTVを見ていた。時折クスクス笑っている。天気は良さそうだ。しばらく玄関のガラス越しに行き交う人を眺めていた。短パンの西洋系の男性、お爺さんに、女性。ここで財布の中を整理し金種をまとめた。


外に出ると強い太陽光が降り注ぐ、まさに熱帯気候だ。猛烈に暑い。
マハラジャレラ駅に通じる陸橋のエスカレーターもエレベーターも壊れていた。荷物は12kg位でそう重くはないが階段はチョッと憂鬱だ。
モノレール駅のプラットホームには、転落防止のホームドアが設置されている。かなり大掛かりな装置にも関わらず、これが常時開けっ放しなのだ。この辺りはチョッと日本人には理解できない部分だ。

長い間不便だったモノレール駅とKLセントラルが繋がって乗り換えが格段に良くなった。それでもエスカレーターに乗ってショッピングセンターの中を通らないとたどり着かない構造になっている。
KLの中央駅、KLセントラルはかなり混雑していた。

KTMのKLセントラル駅には切符の自販機があるが、いつも使える状態になっていない。
窓口で『Pel Klang』までの切符(RM.40)を買った。この駅では2系統のコミューターが走っているが、どちらも同じプラットホームで、上り用、下り用の階段を下りて行く。この駅でもエスカレーターは停止していた。荷物を持ってプラットホームに出ると、ちょうど『Pel Klang』行きの電車が停まっていた。急いで乗り込み座席に座る。ここで大きな間違いに気づいた。何と、荷物を預けるのを忘れ、持ってきてしまったのだ。何とも、これから先が思いやられる。

この電車は快適だといつも思う。混んでいない車内に適切に温度調整された快適な空調。暑そうな外の景色を眺めながらゆったりと過ごせるのが良い。

車内でやってはいけない禁止事項をイラストで表示したピクトグラムが面白い。こんなのを見るとこの国の文化がよく分かる。男女が下品な事をするな、と書かれている。


2.クラン港はもの凄い干潮

KTMの終点『Pel Klang駅』で下車した。よく手前の駅で乗り換えさせられるが、今日は終点までそのまま来れた。

『South Port Passenger Terminal』高速船の待合所には大きなカニのオブジェが置かれていた。背丈ほどもありそうな黄金のカニが爪をあげている。
次のケタム行き高速船は12時30分、このチケットを買った。
現在のクラン港はもの凄い干潮だ。辺りの船は殆どが砂の上に干しあがっている。そして高床式の建物は長い足を見せている。
案内された時間になってピアの先端にある乗船口へ向かった。乗船用の階段と言うか斜面は海の方に向かって落ち込んでいるとしか見えない。こんな所を下りるのか。

12時35分頃になって船がやって来た。下船客はこの斜面を手摺につかまりおっかなびっくり上っている。ここで問題なのは私の荷物だ。小さいボストンだが12kgはある。片手でそれを持ちもう一方は手摺を掴む。何とも歩き難いのだ。
席について階段を眺めていると、少しづつ時間をおいてパラパラ乗って来る。12時43分にやっと出港した。浅瀬になっているから前には進めないようで、方向転換し元来た水路に入ったようだ。
水路を出ると全速で走り出した。そして2人がかりで検札が始まった。50人程の乗船客がいるが、半分の客は現金でこの検札係りから切符を買っている。
中国語の歌謡がスピーカーから流れている。地元の人達は浅黒くチョッと違和感がある。
船は大型貨物船の間を通り抜け広い海域に出る。遠くにコンテナ船用の巨大なバースが並んでいる。マレーシアの経済を支えるKLの重要拠点となる港湾だ。クランの町でもコンテナを積んだ大型トラックが引っ切り無しに通過して行くのを見た。
船室からみる景色はと言えば、低床のこの船では高速になると水しぶきで窓がくもってよく見えない。
近くのおじさんが大声で携帯電話をかけている。
船は古めかしい。座席が横2+2列に配置されて、頭上にはオレンジ色の救命胴衣がずらりと並んでいる。
前方ではTVが勝手に映っていて、ずっとスピーカーから流れている歌謡曲。時たま響く大声の電話。そこに多くの観光客だ。何ともローカル色豊かな船旅を満喫している。



3.ケタム島の高床道を縦横に歩く

50分も走りやっとケタム島に着いた。狭いところをよじ登る。
ケタムの船着き場も水位がかなり低い。ここでも高床の家々は、恥じらいも無く長い足を露わにしていた。
乗船場にはレンタル用自転車がいっぱい並んでいる。この島では車は1台も走っていないから、もっぱらバイクと自転車、それに徒歩だ。島をぐるり巡りたい人にはこのレンタサイクルが必須となる。


この島には高床式の家々が並び、縦横に張り巡らされた高床の道がある。

ピアから陸地の方に入るとすぐカニの店が並ぶ街がある。ピアに最も近い店はやはりそれなりに繁盛しているようだ。カニを食べなくても軽食や飲み物が売れるようだ。
ここから内部に向かって延びる道が中心なのだろうか。みやげ物やカニだけでなく生活用品を売る店も多い。


ペナン島ジョージタウンのピア、クラン・ジェティのようだ。一族が集まり海の上に高床式住居を並べ回廊で繋いだ村。観光客が多いのでみやげ物店にレストランなどいろんな店が並んでいる。そこでは周一族の桟橋が一番大きい。
そんなペナン島にある桟橋の村を平面的に拡大したような町に思えたのだ。


私はこの島の道は狭く木でできていると思っていた。ところがバイクでも十分に対向走行できる広さがあり、しかもコンクリートでできていたのだ。
この道を先へ進んで行くと、先ず警察があり、寺院や祠がやたらと目に付き、ここが華人の村だと分かる。


帰りの船は乗船口が両側共に開いていた。突然大きな木造船が横付けされた。桟橋側とは反対の入り口から何人かの客が乗り込んできた。そして乗客が乗り移るとその船は去って行った。近くの港か他の島から運んできたのだろう。
出港してすぐ別の港に寄港した。スチロールの箱を持った人が降りて行った。高速船はすぐ出港し水路から海に出て全速で突っ走る。航路は来た時とは少し違っているようで、島の間をすり抜けるように走るのだった。

水嵩が上がったのか、距離が近い方の水路を走ったようで、35分もすればクラン港に着いてしまった。島ではあまりゆっくりはしなかった。チェンマイ行きは翌朝だが、私は何かのトラブルに出会っても大丈夫なよう、いつも国際線にはかなり注意を払っている。

船を下りて国際航路が出ている方のターミナルへ行ってみた。ここではおかずを色々選んで食べた店があったのだが、今日はメニューで選ぶものしかなかった。海側の席では大音量でカラオケ機を使って歌っていた。私はそこから離れた席に座って休憩する。『SOTO』なるものを注文した。RM5.50ほどだから大したメニューではない。
白い芋、ささみのほぐし肉、厚揚げ、キャベツ、ビーフンの入ったこれは麺料理なのか、殆ど味が無い。具だくさんのヘルシーメニューのようだ。調味料は加えずそのまま食べた。それにしても、あのカラオケの音で落ち着かない。
Pel Klang駅まで戻ると、次の電車は16時03分だった。今が15時50分だ。ここからは『Subang Jaya』までの切符を買った。それにしても暑い、汗が時々目に入りチクチクする。プラットホームの端にあるベンチで掃除のおばさんの仲間が3人で食事をしていた。


4.スバンジャヤ駅で下車してイオンの店へ

Subang Jaya駅は現在、改装工事中で乗り場も不便な状態になっている。プラットホームも1本しか使っていない。降り口はと探せば、降りた場所からは随分離れていている。
なぜSubang Jayaかと言えば、イオンの他にもショッピングセンターがあるようなので行ってみようと思ったからだ。イオンは駅からすぐの場所にある。BIGは業態的にはディスカウントなのだが、この店はどうなのだろう。因みに、私の住んでいる場所にもザ・ビッグがあり、買い物はその店でしている。

見慣れたロゴにオレンジ色の入り口。このビッグは、駅側の入り口は大通り側の入り口から見れば地階になっていて、食品と日用品のフロアだ。1F.は直営のガーデン用品、DIYの他、専門店街になっている。2F.より上には行かなかったが、多分ファッション系だろう。1F.の入り口付近のベンチで、下の売り場で買ったヨーグルトドリンクやライチのドリンクを飲みながらしばらく客層を観察してみた。この辺りはシャーアラムも近いしチョッとした住宅地なのかも知れない。大通りに面しはおしゃれな店が多そうだ。すぐ隣にも大きなショッピングセンターがある。それでもイオンは敢えてBIGにしているのはどうなのだろう。

『Subang Parade Shopping Centre』に行ってみた。核店舗らしきものが見当たらない。小さな店舗が多く中央の空間をブリッジで繋ぐ複雑なレイアウトになっている。ここでの無料Wi-Fiスポットでは接続できなかった。ぐるっと歩いてすぐ出た。このS.C.より線路側に更にもう1か所『Empire Shopping Gallery』のS.C.がある。


5.KLIA2のベンチで夜更かし


スバンジャヤから18時53分KLセントラル駅へ向かう。この電車は通勤客で混んでいた。

KLセントラルでは下の階へ移動し、小さなボックスのチケットカウンターで20時発のを買った。スカイバスのKLIA2行きはRM11になっている。新ターミナルになってから2社(AEROBUS&SKYBUS)の共同運行になっているから時刻表も同じ。その分、便数も多いが値段は上がった。このバス、定刻を過ぎても動く気配が無い。客がもっと集まるのを待っているのだ。

明日のエアアジア、チェンマイ行きは6時55分だ。チェックインやバゲッジドロップは、国際線では3時間前からなので3時55分になり、1時間前には締め切りとなる。

NZカレーハウスでゆっくり食事をした後は、私のお休み処、KKの店の前にあるベンチへやって来たのだが、今日はやけに人が多いようだ。それも家族連れが多く子供が元気に大声をあげて走り回るのだ。もう疲れる頃かと思っても一向に収まらない。結局3時頃まで続いた。私もなぜか今日は眠れない。
旧のLCCTは空調とか十分でなかったが、私には居心地が良かった。





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マハラジャレラ駅に通じる陸橋から大通りを眺める。この右側には食堂も点在する。



マハラジャレラ駅からKLセントラルまではモノレールで移動する。



KTMコミューターはPEL.KLANG駅(終点)で下車する。



大きな干潮のようで小船は全て砂の上に打ち上げられてしまっている。



ケタム島までの高速船はスリムで低重心になっている。向こう側の横付けされている船はこの船へ乗客を送ってきたようだ。


島に囲まれたケタム島の水路は波静か。たくさんの船が行き交っている。



大きな引き潮で、この島では高速船までも砂の上に置き去りにされている。



ケタム島内を縦横に高床の道が通っている。車は走らないので道幅は狭い。



KTMの『Pel Klang』駅から 『Subang Jaya』駅までの切符。RM4.30



Subang JayaにあるAEON BIG SUBANGの店。BIGはディスカウント業態だが、ここはS.C.になっている。



エアロバス、スカイバスのKLIA2とKLセントラル間のバスはほぼ24時間動いている。