タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る  37
ダラットの街歩き
ベトナム  7   4月13日(水)
前へ< 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 >次へ

1.ダラット市場には寒さ対策の防寒着があった

ベトナムの朝は早い。バンコクよりはかなり東に位置しているのに標準時が同じなのだ。当然夜が明けるのは早い。だから活動するのが私の持つ常識的な時間より早い。朝涼しい時間帯に仕事を始めるのもいいとは思うが。

このホテルは東側に大きな窓があり、遮光カーテンでないその窓から夜が明けてくる。日の出と共に私も目が覚めるのだ。6時頃には前の建物に太陽があたってくる。その頃になるとバイクの音がするようになる。でも私はこんな時間に起きても何もする事がない。その内メイドも7時頃からゴソゴソ仕事を始める。
ベトナムでは朝が早いので、当然一日の流れが早くなる。昼休みも、夜の営業時間も。就寝もやはり早いかも知れない。

ここダラットでは、気候は日本だと春先の感じだ。湿気も多くないようで喉があまり渇かず水も欲しくない、そんな感じだ。エアコンを使わないので、この町の生活条件が体験できる。

この町で一番興味があるのは市場だ。ダラットは野菜や果物が豊富なようなので、どんな果物に出あえるか楽しみにしている。それに高地の特性を生かした高原野菜の栽培も盛んなようで、日本人がやっている農園もあるようだ。


ダラット市場は、市街地の劇場側から見ると窪地のように下に見える。ここは高原だから平らな場所と言えばスアンフーン湖の辺りだけではないだろうか。坂や谷間で構成されている町になっている。
ここからだと階段で下りるようだが、私は屋内市場のすぐ上にあるエスカレーターの方から入った。ここは衣類の売り場になっていて、ベトナム南部ではあまり見かけない厚手のジャンパーやダウンコートまであった。


青果の市場でよく目に付くのがダラット名産のイチゴだ。大きなざるの上に上手に積み上げられたイチゴは買っている人も多い。アボカドも圧巻だ。大きな果実が円錐状に積み上げられている。でもこの形状はちょっと珍しく日本では見かけない。ナスを大きくしたような、ヘチマのような。味が良ければ最高だが、アボカドには食べ頃がある。
他に、私はあまり見かけた事のないアーティチョークもかなり多い。スープにして食べるそうなのだが、こんなにも売れるものなのだろうか。ただバナナは少ないようだった。
屋内市場では、1階で生鮮食品を売っている。販売台が規格化されて整然と並んでいるし、清潔そうな感じだ。ぐるっと回っただけで詳しくは見なかった。
再びこの上に上がって、市場のフードコートへ行ってみた。数軒の店があるが客は少ない。それでもフーティウの店があったので私はここで食べる事にした。『Hủ Tiếu Nam Vang khô 』を注文した。具だくさんの美味しいフーティウだった。

ここはドライフルーツも特産のようでかなりの品種が売られている。中国の西安でたくさん買った事があるが、ダラットは南国独特の果実が殆どだ。それにみやげ用としてコーヒーが化粧箱に入って売られていた。
ダラットの銘菓で、イチゴ味のキャンディのようなお菓子は見つける事ができなかった。


2.高原リゾートのシンボル、スアンフーン湖

市場からスアンフーン湖の方へ歩いて行くと、高原リゾートのシンボルのような大きい湖に出た。周囲を遊歩道や道路で囲まれているようで、一周するにはチョッと時間がかかりそうだった。湖の近くにバイクタクシーが数人いて声をかけてきが、どこへ行く当てもないので乗るわけにもいかない。
ネットのブログにスアンフーン湖を一周してきたと書いていた人がいたので、明日はそんな事をしてみようとは思っていた。暑くないので、天気さえ良ければ歩くのは快適だ。

湖畔を堪能した後は、坂道を上がってバスターミナルの方へ歩いた。ファンランとかムイネー行きのバスがあれば調べておきたかった。それにこの高原都市は高台に向かって歩くのも楽しい。
この道路はQL21で、昨日も通った空港方面への道だ。幹線道路と思うのだが車はそう多くない。すぐ下にBigCの店舗が見えている。市内バスのバス停があって路線が書かれていた。Đà Lạt~Đức Trọng、 Bảo Lộc、Đơn Dương、などの6路線の通過地名を書いてあるが、詳しくは分からない。料金は1~5km5,000 5~10km10,00010~20km14,000 20~35km15,000になっていた。
かなり見晴らしの良い場所まで上がってきた。辺りは起伏した山間になっていて、あちこちにきれいな住宅が建っている。
バスも時々走っているのは見かけるが、チョッと乗ってみようといった気にはならない。どこへ行ってしまうか未だ分からない。大通りの右側の奥にバスターミナルが見えてきた。大型バスは入って行ったが、市内バスは通過して行くようだ。

Bến xe liên tỉnh Đà Lạt 、昨日のバスターミナルだ。チケットカウンターの上に掲示されているバスの便を見ると、ニャチャン行きが一番多く17便もある。バンメトートは9便だ。他に行き先はいっぱいあるが便数は少なく1日に1~2便の所が多い。ファンランはと見れば10時30分と13時になっていた。ファンティエットはこのターミナルからだと1便しかない。
殆どが『FUTA BUS LINE』のようで窓口はここしか並んでいない。

外のプラットホームに出ると、オレンジ色のバスが何台も停まっている。どうもこのバスターミナルはFUTA BUSに占拠されているようだ。サイゴン行きが乗車中だが、ミエンタイになっているのが不思議だ。ふつう北線はミエンドンに着く筈なのだが。FUTA BUSだからメコン川の都市への乗り継ぎのためなのだろうか。
係員のおじさんにファンラン行きを尋ねてみたが、その人は事務所の方へ連れて行って電話番号を指さすのだ。ベトナム語が話せるのであれば、こんな所で聞いたりしない。



3.最も美しいと言われるダラットの鉄道駅舎へ

バスターミナルを出て坂道を下って行くと、辺りは別荘地のようで木々の間にぽつぽつとおしゃれ家が建っていた。リゾート地だがここまで来ると全く山の中の雰囲気だ。大通りからは急斜面の道が下っている。

湖畔まで戻り、次はベトナムで一番美しい駅と言われている『Ga Đà Lạt』ダラット駅まで行く事にした。坂道ではないしここからは近い。

駅前は広い芝生になっていて、タクシーが数台停まっているだけだ。この駅からは『ダラット高原鉄道』と言う観光列車が一駅区間しか走っていない。駅舎は確かに大きくて歴史を感じるような美しい建物だ。リゾート地を意識して建てられた、そんな奇抜なデザインの美しい駅だ。
ひっそりとして人影はなかったが、プラットホームに出ると大勢いるではないか。SLが展示されていて鉄道マニアが集まって来ているようだ。それに、華やかな衣装を着た撮影の一行もいたのだ。
かつてタップチャムまでレールが敷設されていたそうなのだが、今は隣町のチャイマット村までしか運行されていない。それでもこの駅にいると今にも列車が走り出しそうな雰囲気はあるようだ。
私も興味はあるが、1駅だけの往復なら遊園地の汽車に乗っているようだ。しかも人数が揃わないと運休するそうだ。
駅前広場にはタクシーが何台か停まっていたから、この駅を訪れる人はそれなりにいるようだ。



4.豆乳が美味しいと評判の店(Quán Hoa Sữa)へ

湖畔のTrần Quốc Toản通りから市場前のロータリーまで戻って、今度は川沿いの道をホテルの方へ歩いてみる。地図ではホテルの坂の手前にTrạm xe Buýt 市内バスのターミナルがあるようになっているのだ。
小さな公園の横を通て市街地に入ると、チョッと奥まった場所にそれらしき広場があった。ただバスがここにいる気配はなかった。こんな狭い所に入って来るような意味がない。
私は市内バスのルートでMai Anh Đào 通りの方、刺繍センターの近くを通るバスがあればと思っていたのだが、結局よく分からなかった。ベトナムの刺繍は、繊細な絵画から布製品のアクセントまでよく目にするが、若し行けるようだと見たいと思っていた。蘇州に刺繍村(繍品街)と言う1kmも続く通りがあるが、そこでは店先で女性が刺繍をしているのを見た。
その後、一旦ホテルへ帰った。

ホテルで、次の目的地をどこにしようか迷っていた。ファンランかムイネーだが、ファンランは良いと思っていたホテルが満室になっていた。ホテルは交通の便が良い場所でないといけないのだが、ファンランにはチャンパ遺跡群があるし、織物の村もある。Tháp Chàmでチャム族の方に会い織物をしているのが見たかった。しばらく検索していたが、今回は諦めた。ムイネーにしようと決める。ミエンドンから簡単に行けるから次回行く事にした。
ムイネーのホテルは『ベトホテル』にし、予約を確定した。


夕方になり、近くで食堂を探す事にし出かけた。間口の狭い店。店頭にはガラスケースの中にトレーに入ったおかずがいっぱい並んでいた。まだ時間が早いせいか客はいなかった。この店のメニューは、ブン、フォー、フーティウ、ミー、コム、等だ。Cơm は調理のメニューが6種類あるのだが、3つ位しか分からない。結局はトレーのおかずを選んだ。美味しいが、やっぱいご飯はバンメトートに限るようだ。

食事をした後は、歩き方の本に豆乳が美味しいと書いてあった店(Sữa Đậu Nành Quán Hoa Sữa)に行く。坂道を上がって劇場の近くを曲がるとすぐ分かった。真っ赤なテーブルが道路上に出してある。パンの店なのか販売台にパンがごっそり盛られている。おばさんに豆乳を注文すると、ガラスコップに入った熱い豆乳が出てきた。砂糖を加えていないようでほんのり甘い豆乳だった。

帰りは未だ歩いていない、店がいっぱい並んだ坂道を下りてみた。



                        Top    前へ   次へ



ダラット中心部の地図 (Google map)  



いちごが特産品のようで、このように盛って売られている。



いちごと並んでよく目に付くのがアボカド。ダラット産のは甘いらしい。



ダラット市場の入り口にある大きなロータリー。




ダラットの市街地。ここは山間の町なので立体的になっている。



高原の別荘地のような風景だ。ホテルやリゾート施設が点在している。



ダラット駅は最も美しい駅だと言われている。ただ現在は本線と繋がる定期便はない。



ダラットの市街地には車やバイクが走って活気があり、リゾート地を感じさせない。



美味しい豆乳を飲んだ後は、こちらの道から帰る。坂道から左へ入るとホテルへの道と合流する。