タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る 36 |
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1.タクシーで向かった先はバスターミナルではなかった 窓から見る雑木林は朝陽を浴びて鮮やかに広がっていた。チョッとしたジャングルになっている。棕櫚や竹にバナナ、それにゴムの木のような樹木まで生えている。落葉樹は乾季には葉を落としそうなものだがみんな頑張っている。 ![]() ![]() ピックアップのタクシーは9時45分ちょうどに来てくれた。ただ、このタクシーが向かった先は大きなバスターミナルではなく、ワゴン車を建物の中にまで入れてある、営業所のような場所だった。 奥の方に机があり、そこでおじさんからダラット行きのチケットを買った。ホテルで聞いていた通りの140,000ドンだ。このワゴン車がダラットまで5時間もかけて走って行くのだろうか。乗客の荷物はワゴン車の後ろ側にまとめて置いてあった。私もその横に置いた。出発は10時30分と聞いていたので、まだしばらく時間がある。外にはパラソルが2つ立っていて赤や青のプラスチックのイスが置かれている。客はと言えば、みんなそこに座って退屈そうに道路の方を見ている。 2.ここはバス会社の営業所なのか、しばらく待たされる すぐ隣は飲食店だった。歩道から少し下がっている土間にテーブルがある。何かを食べようと入ったが、朝だから当然フォーになる。おじさんが歩道に置いた調理場で麺を温めスープを注ぐ。 ![]() ![]() 私のテーブルの前に、ペットボトルを持ったおじいさんが立った。何とその人は、お茶の入ったポットから自分の容器に移し始めたのだ。何とも珍しい事をする人に驚いた。店主の父親なのかとも思ったが、特に気にしている様子もないところを見ると、常連さんなのかも知れない。 待合所まで戻ると、置いておいた荷物は全部ワゴン車に積まれていた。気になったので覗いてみると私のもあった。10時40分になってワゴン車は出発した。木が植えてある鉢まで通路に置いてある。乗客は多いが満席ではなかった。 ![]() ![]() あんな中継所までなら、ピックアップじゃなく自分でタクシーに乗れば良かった。それに大通りまで行けばターミナル経由の路線バスだってある。歩いたって大した距離ではないのだ。時間的にもかなりのロスになった。中継所近くに住んでいる人が便利なくらいだろう。それでも多くの客があんな場所に集まって来るのは何故なのだろう。 バッグを預けると積み上げた荷物の横に置いてくれた。しかし、後から来たお兄さんのバッグをその上に置かれたのだ。私のバッグは乾季の泥まみれになり一瞬にして色が変わってしまった。 3.ダラットに向かって深い山の中を進む 大型バスはこのワゴン車を待っていたかのように、乗客が乗り終えるとすぐ出発した。これもまたスリーピングバスで、指定席じゃないから適当に座れと言われた。私は最前列の真ん中、2階に行った。昼間のスリーピングバスは、横になるのは楽だが靴を ![]() ![]() バスは軽快に走り、市街地を抜けると山間の大地に出た。緑の畑に小さな池。のどかな田園風景がしばらく続いた。タイの大平原のような風景ではなく、近くには絶えず山がある。収穫を終えた黄土色の畑と鮮やかな緑の田圃がある。民家も所々に建っていて、その中には伝統的な高床式のものも見られた。 刈り取られた後の田圃には水牛が何十頭か放たれ、集って稲株を食んでいた。 12時過ぎになって、バスが山の中のドライブインに入った。正面に停めてあったピックアップトラックをどけさせ、堂々と正面駐車場を占拠した。大勢の客を乗せているから運転手はしたい放題だ。そう思ったのだが、それが意味ある行為だと気が付いた。 玄関にはベニヤ板が敷かれていて、そこには竹かごに入った無数のサンダルがあったのだ。乗客は自分の靴を履かなくても、そのまま降りてサンダルで店に入れるのだった。 ![]() ![]() 私は食べ物は要らないのでトイレにだけ行った。ハンカチを持っているような人はいなく手を振りながら出てくる。このトイレは無料だった。 店内には民族衣装と多くの民芸品が売られていた。木彫りの置き物やきれいな模様の竹かご、水牛の角など、近くに住んでいる少数民族(エデ族)の方たちが作った物のようだ。 私はレモンが入ったあの甘い緑茶のボトルを買った。店には『Cơm -Phở Quỳnh Hương』の看板がかかっていた。(後で地図を見ると私が行きたかったBuôn Junの近くだった) 4.休憩所を過ぎるとスリランカの茶畑みたいな地形が続く 30分の休憩を終えて、バスはクネクネとつづら折れの坂道を上って行く。荒れ地と雑草の道をどんどん進んで行くと、両側が崖になっていて、遠くにはたくさんの湖が見えてきた。 ![]() ![]() そんな景色を堪能していると、急に雨が降ってきた。熱帯地方の雨だからもの凄い土砂降りになる。このコンパクトカメラでは風景が写らず窓の水滴ばかりの写真になってしまう。 それでもこの雨はコーヒー農園にも茶畑にも良い。このような標高の高い地形は、朝夕に霧が発生するし、寒暖差が大きいので品質の良いコーヒー豆が収穫できる筈だ。 ![]() ![]() しばらく走りバスがダラットの大きなターミナルに着いた。でもそこは市街地からかなり離れた場所のようだった。近くの人にダラット市場へ行きたいと言ったら、小さなバスが市街地を巡回してくれると言う。料金は要らないらしいのだ。 そしてバスを降り荷物を出すと、こっち、と呼んでくれた。 ワゴン車は走り出し坂を下って行く。市街地を少し行った場所で「市場に着いたから降りるよう」乗務員が言った。隣の人もここだと合図してくれた。 5.ダラットのホテルはキングサイズのベッドが2台 ホテルの場所は予約サイトの地図では、ダラット市場の近くで、通りの角を曲がったすぐの所になっていた。緑の看板がよく目立つようだった。案の定すぐ見つかったのだが、フロントではここじゃないと言うのだ。予約サイトの地図を見せたら、もう一 ![]() ![]() このホテルは、何とも無意味なキングサイズのダブルベッドが2台もある部屋だ。ハネムーンでも1台は邪魔になるだろう。あまり広くはないがベランダも付いていた。外に出て本でも読んでいれば良いようなものだが、スリランカのバドゥッラのホテルでは、ベランダで腰かけていたらいたら蟻がいっぱい集まってきたので、安心はできない。 ![]() ![]() しばらく部屋にいて、暗くなってから食事に出かけた。リゾート地は高級なレストランばかりが並んでいると思っていたが、市街地はふつうの田舎町だ。ホテルのある坂道にはレストランなど見当たらないのだ。どこにでもあるような食堂やカフェしかない。私はそれで十分なのだが、美味しそうな店がない。 ロータリーのところまで下りて、市場の方への坂を上がらず下の通りを歩いて行くと、鶏肉の店があった。何を食べれば良いのか分からないので、蒸し鶏のライス、タイで言えばカオマンガイ、こんなものを注文した。 ダラットの夜は観光客がぶらぶら歩いているから、それなりに賑やかさがあって、ネオンも明るく見えた。 Topへ 前へ ◀ ▶ 次へ |
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