タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る 39 |
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1.早朝のシンツーリストには ベランダに出てみると深い霧が立ち込めていた。今朝は特別で6時頃に起きた。かばんに荷物を詰めて準備をする。こんなに早くに出発するのは珍しい事だ。目覚ましが3個は要る。昨夜は使えそうな時計は全てセットしておいた。 チェックアウトして街に出ると、辺りは未だ朝靄に包まれていた。ノンラーを被った女性たちが通り過ぎて行った。シンカフェまでは15分もあれば行けるので、7時に着けるようにホテルを出た。ゴロゴロ音を立てながらかばんを引いて行く。 ![]() ![]() 小さな小屋にはBOOKING OFFICEと書いてある。カウンターでチェックインを済ませた。多くの客はニャチャン行きのようだ。出発までは暇だが、かと言って近くに飲食店はないようだ。私はBigCで買ったもので朝食は済ませていた。 大型バスが出発して行き、中型のムイネー行きが横付けされた。トランク室に荷物を入れて乗り込んだ。乗客は少いようだ。 バスは少し遅れて出発した。 ムイネーまでの道のり、ダラットはあんなにも高地だったのに、山間に入ると更に峠道を上って行く。辺りはすっかり山の中、集落は消えジャングルになった。 2.休憩所でバスを降りると今までの熱帯気候になっていた バナナや雑木林に囲まれた小さな湖の畔でバスが停まった。そこには素朴な造りの休憩所があった。乗客は降りてすぐトイレへ向かう。暑い、もう辺りはすっかり熱帯気候に戻っていた。何もしないのにじっとり汗がにじんできた。 ![]() ![]() トイレの方に行ってみると、湖の際にチョットだけ囲ったトイレがあった。よくできている、これじゃ掃除が簡単だ。それに自然浄化される。辺りには豚と鶏が放し飼いにされていた。バスは増えて4台にもなっていた。 バスが出発して山間を進む。そして再び坂道を上って行くようになった。いったいどこまで上り坂が続くのだろうか。心配しながら乗っている。 3.山を下って行くバスは、まるでエアポケットの中 峠を越え、やっと下り坂になった。バスは一気にスピードをあげる。ところがこの道路の起伏は相当なもので、そこにスピードが加わるものだから、車内は飛行機のエアポケット状態になる。ドシッと落ちた場所は大地だから、ずしっと腰骨にひびく。 しばらく走ると乾燥して土埃が舞っているような町に出た。 この山間の町には少し貧しい雰囲気が漂っていた。降水量が少なく作物が限られてしまうのかも知れない。荒れ地が多くいつも ![]() ![]() ただここに滞在するなら生活にはかなり覚悟が要りそうだ。商店や食堂も少ないだろうから。それでも私には何か惹かれるものがある。 赤茶け荒涼とした大地をひたすら走っていたバスは、徐々に海の方へ近づいて行く。そして鉄道のレールを跨いだ。 突然、バスが大きな川を渡った。さすがに周囲は濃い緑に覆われている。この川の水を使った灌漑施設が成されているのだろうか、所々にサボテン畑(ドラゴンフルーツ)が出現する。 乾燥した枯草の荒れ地にも家畜の放牧が見えた。 4.シンカフェ営業所からムイネーの海岸通りをひたすら歩く シンツーリストのバスはムイネーの海岸通りにある営業所で降ろされる。旅行者はここから目的地まで、タクシーとかバイクで移動するようだ。高級リゾートホテルなら送迎バスで運んでくれるのかも知れない。 前回はホテルがファンティエットだったので、ここからは市内バスに乗った。今もあの赤い派手なバスが運行しているようだ。バス停には『Tiến Lợi-Mui Ne-Hòn Rơm』と表示されている。 ![]() ![]() この通りの海側にはリゾート地らしいホテルが建っていて、内陸側は赤土の砂漠がすぐそこまで迫っている。ゲストハウスとか安いホテルは砂漠の方に多いようだ。そこにはヌックマムの醸造甕が置かれている場所もある。 そのリゾートと名付けられているホテルは3階以上の建物はあまり見かけない。椰子林に隠れて見えない位ひっそりとした佇まいになっている。この点がニャチャンのリゾートホテルとは全く違っている。そこがムイネーの魅力なのだ。 ![]() ![]() 大通りから、このヘム(hẻm 路地)をどんどん上がって行くと、ついに砂山に出てしまった。これより先には砂漠が広がっているだけだ。チョッと引き返して尋ねてみた。すると、すぐ前の建物がそうだと教えてくれた。 1階にはバイクが並んでいるだけで左側に階段がある。受付は2階のようなので上がってみると、窓が開けっぱなしになっていて人影がなく、呼んでも返事がない。もう一度下に降りて近所の人に聞いてみると、「居る筈だけど」と電話をしてくれた。こんな所で足止めされたら大変だ。 しばらくして、おじさんが出てきた。昼寝でもしていたのだろう。「agodaの予約」と言ったら3階の部屋に案内してくれた。部 ![]() ![]() 海側の窓を開けると涼しい風が通り抜けていく。人の良さそうなおじさんはエアコンのスイッチを入れた。そして商売が始まる。先ずレンタルバイクは要らないか聞いた。「免許を持っていないから」と言ったら、必要ないと言う。それでも「交通事故に遭ったら困るから」と言えば、それ以上は勧めない。 それからは周辺観光地のツアーだ。赤い砂漠に白い砂漠。この辺りは観光地に事欠かない。ただ私には全く無用のものだった。おじさんはパスポートを持って降りて行った。 それにしても、普段は信用できないagodaの地図だが、今回は珍しくそこそこ合っていた。このViet Hotelは高台にあり、ベランダからは海岸通りの椰子林がきれいに見える。エアコンは止めておいた。 荷物を片付けると、チョッと出かけてみる事にした。ここから海岸通りへ出るヘム(細い路地)にはゲストハウスや食堂が何軒もあり、果物を売っている店もあった。当然ながら、欧米系の人たちがやたと目に付いた。 Topへ 前へ ◀ ▶ 次へ |
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