タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る  40
椰子林のムイネー海岸通りをぶらり
ベトナム  10   4月16日(土)
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1.涼しい風と窓の向こうには椰子林が

朝はエアコンを止めて窓を開け爽やかな風に吹かれます。窓の向こうには椰子林ときれいな海が広がっているのです。ムイネーにいるのだと実感する瞬間だ。
お昼過ぎても未だ部屋にいた。こんな場所ではあくせく動く事はしない。部屋は涼しく気温は上がらないようだ。それに何たって良い風が吹いてくる。カーテンは舞い、窓の外ではためいている。遠く海岸の方には、パラグライダーがムイネーの風をもらって軽やかに飛んでいるのが見える。
この高台にあるホテルはリゾート気分でいっぱいだ。

午後2時になってやっと出かける事にした。なぜこうも違うのだろう。海岸通りに出てみるとかなり暑い。風はなく、太陽がギラギラ照りつけてくるのだ。日陰を探しながらぶらぶら歩く。

バス停の標柱をよく見ると、このバスは5時から21時と書かれていた。やはりベトナムの朝はそんなに早いのだ。
ムイネーはリゾート地だから旅行代理店がひしめき合っている。赤い砂漠に白い砂漠のツアーは定番だ。どこへ行こうが、バスのチケットなんかどこででも手に入る。

ムイネーのリゾートホテルは椰子林の中にひっそりと佇んでいる。同じリゾート地でもニャチャンの方は海岸に大きなホテルのビルが建っている。砂浜の広さや町の大きさなど、ニャチャンに敵いそうもないが、ムイネーはいつまでもこの良い雰囲気のままでいて欲しいものだ。



2.ムイネー海岸通りには Hàm Tiến市場がある

魚介類のレストランが並ぶ通りに『BO KE BON BON』こんな看板をよく見かけるが、私は「坊ちゃんバカ」と訳している。そんな通りは夕方になってくると店の人の気合が入ってくる。どんな車でも手当たり次第に止めにかかるのだ。
チョッと入ってみたい気もするが、一人の客は見た事がないし歓迎されそうもない。それにおじさんの30センチくらい前を歩いていても引き止められないのだ。
インドネシアには『BAKSO』こんな看板があった。私も何度か食べたが、いつも馬の糞と訳しながら食べていた。バクソとかバッソとか言うらしいのだが、茶色い団子のようなものだった。

道ばたの食堂に入った。木のイス木のテーブルが並ぶ奥に方に座ったが、どこも開け放たれているので涼しい。通りの向こうは椰子林になっていて椰子殻がうず高く積まれている。
テーブルには氷の入ったお茶のジャーが置かれている。ベトナムのおもてなしは水ではなくお茶になる。

海岸通りをしばらく歩くと市場がある。Chợ Hàm Tiến』ここはムイネー村の市場と比べればかなり小さいものだが、この地域で暮らしている人たちにはスーパーマーケットのような存在なのだろう。前の広場ではいつも果物と野菜を売っている。果物は台の上だが、野菜は地面に並べてある。果物は観光客が買っているのを見た事があった。

ベトナムやタイなど外食が定着している国では、おばさんが大活躍している。道ばたにテーブルを置き、自分が考案した料理を台の上に並べて売り出せば、バイクが停まり買ってくれる。看板やもっともらしい注釈があれば更に良い。そしてプラスチックの赤いイスでも置いてあれば完璧だ。
逆に日本はそのような文化がないから、道ばたで売れるのはたこ焼き位なものだろう。



3.椰子林の海岸に出てみると

海岸通りから海辺に出る通路は殆どないが、狭い砂の道を見つけた。荒れ地の横は金網で囲われている。
椰子林の中を通り海岸へ出た。この辺りはリゾート地であっても漁民が漁をする場所で、漁具とお椀の舟が置かれている。この舟はいつからプラスチックになってしまったのだろう。竹製はあまり見かけなくなった。竹かごのように編んでいって最後に目詰め用に土と牛糞を塗る。こんな素朴で伝統的な舟は無くなりつつある。

以前この海岸にも白人女性がいたが今ではそんな雰囲気が全くしなくなっている。波打ち際にはゴミがいっぱい漂着してかなり汚れてしまっている。それでもこれだけの椰子林は魅力的で南国気分を味わえる。
ムイネーの砂漠では子供たちがゴミ拾いをしているのをTVで見た事がある。学校での指導があったとは思うが、このような意識付けは大切だ。

海岸をぶらぶら歩いてみた。椰子の葉とビニールシートで囲った小さな日除け小屋があった。前面にかかっているシートは料理のメニュー写真になっている。お椀の舟の横で何か海の家のような事でもやっているのだろうか。
その前の水際では、観光客らしい男女のカップルが海水の浸かっていた。



4.ムイネー海岸の黄昏

海岸通りに出てホテルの方に歩いた。リゾートホテルがまばらなこの辺りでもロシア語の看板をよく見かける。そんな中だが『JAPANESE』の看板もある。そして道端でよく見かけるカフェもある。
ブルーのテーブルに赤いイスの店。砂の上にいくつか並べてある。欧米系の人たちはよくカフェで通行人の方を向いて座っているが、さすがにこんな道端にはいない。
それにベトナムでは普通に使われているが、我々にもなじみのない風呂イスのような低くて小さいものなのだ。その砂の上にブロックを敷いて小さな屋根を取り付けた方に客がいた。イスは両側に置いてあるが、やはり道路の方に向いた席にしか座っていない。

ホテルが近くなると人通りもバイクも多くなった。移動式ポンプを置いた素朴なガソリンスタンドがある。それにしても、どんな道端の店でもそれなりに売れているのに驚く。日本人だって所得はあると思うがあまり買わない。そんな事で、店は減り町は寂れてしまっていく。

夕方6時にもなると辺りが薄暗くなってきた。通りから少し入った海岸に出てみると、黄昏時のムイネー海岸には、椰子林に波の音だけが響いていた。

『U-mart』は9AM-12PMのコンビニ風の店だ。飲み物を買った。レジらしきものは無く販売した商品すべてノートに1品づつ記録していた。これじゃ客が多いと間に合わない。ここでの商品アイテムは少なく、売れているのは飲料だ。
私も飲み物を買ってホテルに帰った。




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部屋から眺めたムイネーの海。海岸に沿ってどこまでも椰子林が続いている。



ムイネーの海岸通り。リゾートホテルはひっそりと椰子林の中に隠れている。



ボンボン ボケって読めませんか。疲れてくるとこんな読み方して笑いながら歩くのです。(坊ちゃんバカって意味です)


海岸通りには『Chợ Hàm Tiến』の市場がある。もう少し大きいのはムイネー村の『Chợ Mũi Né』だ。



のんびりとしたムイネーの海岸通り。バイパスがあるのでここには大型トラックは来ない。




椰子の木が岸辺までせり出している。ここムイネーは”椰子の村”と呼ばれる。