釜山

 再び釜山で予定外の街歩き                                6/30(水)

ゆっくり起きた。今日は一日、特に予定はない。
荷物の用意をして1階へ下りた。窓口へキーを置き声をかけてみたが、部屋の中は布団があるだけで誰もいなかった。
すると、左側の部屋からアジョッシが出て来た。続いてアジュモニも愛想よくにこにこしながら顔を出した。
挨拶をして宿を出た。

釜山駅まで行って、電話機を探した。100wと500w硬貨を確かめた後、門司港のグランドフェリーに電話した。女性がすぐ担当者に代わります、と言ったところで電話が切れた。
さすがに国際電話はこの程度の硬貨では難しい。韓国のテレカも持ってはいるが、あまり度数が残っていない。硬貨だとかなりの枚数が必要だ。

2階へ上がると、PCコーナーの横に1000wを500w硬貨に換える両替機があった。そこで何千ウォンかを交換した。これで大丈夫と思ったが、実はこの電話機、500w硬貨は使えなかった。
すぐ前の案内所で500w硬貨の使える電話機を尋ねてみたが、どうも無いらしい。それでも親切に、たくさんの500w硬貨を100w硬貨に換えてくれた。でもこの程度じゃ無理っぽい。
どうしたものかと考えていたところへKORAILの女性が通りかかり、案内所の人が慌てて女性を呼び止めた。

その方は日本語が上手で、行きましょうと電話機へ案内してくれた。再び門司港へ電話をすると、先ほどの女性が出て担当の男性に代わった。そして、切符はもう使えないと言われた。
その会話中、硬貨がポトポト落ちていったものだから、KORAILの女性は慌てて近くの売店へ走り、何度も往復しながら補充してくれた。
後でその方にお礼を言った。女優さんみたいにスタイルも良くきれいな人で、ほんとうに親切にしていただいた。
ここまで努力したからすっかり諦めたけれど、どうもすっきりしない。
今日はグランドフェリーに乗るのをやめた。関釜フェリーにしよう。

私が乗船時間までに乗らなかったものだから、ソウルの宿に電話があったようだ。
往復チケットだったので乗船名簿を見たのだろう。釜山のフェリー側にも心配をかけたようだ。
とぼとぼと中央洞のフェリーターミナルまで歩いた。

関釜フェリーは大幅な値上げをしていた。昨年は確か70,000w位だったのに95,000wになっていた。為替の調整をやったみたいだ。日本側と韓国側の金額の差が大きくなっていたから。でもそうすると、日本人はいいが韓国の人は負担が大きくなる。どちらのフェリーもぱっとしない。

2階へ上がり高速船の方へ行ってみたが誰もいない。朝10時の後が夕方の便までないのだ。季節によって運行便数がかなり変動している。金額は120,000wなのでそう大差ないのだけど、夜に博多に着くのは良くない。
結局、関釜フェリーに決めてここを出た。

もう何をしようという予定もない。とりあえず西面へ行ってテジクッパッを食べ、釜田市場でも散策するか、と考えた。
中央洞駅まで歩いた。地下鉄でハナロカードを使おうとしたら、何故かエラーが出てバーが動かない。何てついてないんだろう、と思いながら駅の事務所に行った。駅員がカードをチェックした後、入り口でバーを回してくれた。

西面駅で降り、地下街を通り抜けてテジクッパッ通りへ出た。豊田テジクッパッに入る。
13時半だけど、客は数組しかいない。左端の中程に座った。すぐ前に扇風機があって首を振っている。とてもいい風が吹いてくる。
クッパッの中に置かれたスッカラの上には赤い調味料(タテギ)が。それを混ぜアミの塩辛(セウジョッ)を入れて食べた。塩味とコクのあるスープに仕上がってうまい。塩の入った壷もあるがセウジョッだけで十分だ。唐辛子の付いた韓国ニラも少し入れて食べた。
それにしても、こんなにいっぱい豚肉が入っているのだろう。いつも感激してしまう。温かいのを休まず一気に食べてた。

店を出て大通りの向かい側に渡ろうとするが、横断歩道がどこにもない。韓国はどうも車が優先されている。仕方なく地下通路を横切った。
中央路の東側は若者中心の街になっている。カフェ、レストラン、ファストフード店、ブティックなどが並ぶ。今は道路工事中なのでおしゃれな通りには見えない。それでも若者で賑わっていた。
街を散策しながらミリオレの方へ歩いた。夜にはイベントがあったり、ネオンが明るく輝いているが、昼間のこの一帯は何の変哲もない普通の街だ。

ミリオレから北へ向かって歩き、釜田市場の方へ行こうとするが、また横断歩道がない。仕方なく地下道へ下りた。
デパートの横から地上に出ると、野菜と果物のテントが並んでいる所だった。
黄色に白い線の入った小ぶりなマクワウリが山盛りで売られていた。ちょうどこのマクワウリが旬の果物のようだ。スイカも出ていた。
アジュマが暑い中頑張っている。自慢のカムジャは大粒でりっぱだ、一盛3,000w。買ってあげたくなる。その横には手作りの蒸しカステラも並べている。こちらは1個1,000wだ。

駅前の通りを横切って市場へ向かう。こちら側には野菜や雑穀が多い。建物の中に入るとすぐ魚市場になった。

斑点のある30cm程の魚、どじょうにすっぽん等が水槽にいっぱい入っていた。韓国の市場ではよくどじょうを見かける。養殖も多いのだろうが中国からの輸入だと聞いた。体に良いとの考えと、昔からの食習慣なのだろう。
通路は混みあっているし、どこも水浸しで足元が気になる。
パン屋もあった。韓国のパン屋は、ビニール袋に入れていたりする店も多いが、この店は焼きたてで美味しそうだった。
魚の向こう側は衣料品の店が延々と続いていた。何だか西面ロータリーの辺りまで行ってしまいそうな規模だ。
途中で左へ曲がり大通りへ出て、地下鉄の釜田洞駅へ向かった。
もう釜山の街歩きもこれ位にしよう、暑くて疲れてきた。

地下鉄は中央洞駅で降り、そこから国際フェリーターミナルまでゆっくり歩いた。
途中にあるGS25でキムパッとパンとお茶を買っておいた。
まだ午後3時頃だ。ちょっと時間を持て余しそうだった。それでも今は涼しい場所が良い。

下関までの乗船切符を買い、95,000wに燃油チャージと施設利用料を払った。配船表には再び”はまゆう”となっている。どうもこの船以外に乗っていないようだ。

誰もいなかった待合所にも、4時頃から急に人が増えてきた。何なんだろう、こんな平日にやたらと団体客が多いのは。水色の制服は女子高生の団体みたいだ。とにかくフェリーは学生の団体が多い。
気がつくと待合所はいっぱいで溢れんばかりだ。
この時間は、高速船やらフェリーも博多、下関、門司便とあるので当然なのだろうれど。

私は釜山銀行が正面に見えるシートにずっと座ったままだ。待合所の監視員のようだ。それにしてもピョニジョムはとっても繁盛している。みんな水を持って出て来る。
そんな慌しい様子を見ながらも、おもむろにカバンからキムパッを取り出し食べた。
6時30分から50分が乗船時刻になっていたので、6時に2階へ上がった。すると、売店の方まで続く大行列になっていた。全部下関行きの人なんですか?と聞いてみると、そうだと言われた。仕方なく後ろへ並んだ。

乗船して110号室へ入る。
中にはすでに5人いた。一つ飛ばしでマットを敷くとちょうど良い人数になっている。隣のアジョッシは韓国の方だ。しばらく話した。旅行先を聞かれたので「江陵のタノジェに」と言うと、その方は江陵の生まれだと強調した。
「江陵も束草もいい所ですね」と話すと「ちょっと遠い」と言った。確かにそうかも知れないが、私にはとても素晴らしい所に思えたけど。
烏竹軒へ行ったと言うと、申師任堂の話になり、突然財布から5万ウォン札を取り出して見せてくれた。まだ発行されて間もないので、使った形跡がない新札だ。日本へはビジネスのようで、何度も携帯が鳴っていた。
その方が部屋を出て行ってから、窓側にいる日本人のおじさんと話をする。下関の方だそうで、しばらく世間話を楽しんだ。

風呂が隣だから行ってみたらと勧められた。まだこのフェリーでは行った事がなかった。風呂場には10時少し前なのに誰もいない。大きな浴槽が2つあり、洗い場にはシャワーが7つ付いていた。
お湯は透明でとてもきれいだ。ゆっくりと旅の疲れを癒す。
部屋に戻ると消灯時間なのか、電灯が半分消えていて静かになっていた。






















釜山中央路の風景。交通量はとても多い。










釜山駅前の広場。この向こう側に外国人街がある。元は華僑の人が住んでいた地域で、どう繋がりがあるのか分からないが、ロシア人町もある。




















露店が集まっている地域。現地では、釜山だけ景気が悪いと聞いたが、そんな感じはなかった。





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