タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る  11
チェンラーイからランパーンへ
タイ  9   3月18日(金)
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1.グリーンバスでチェンラーイからランパーンへ

9時15分頃にホテルをチェックアウトし、バスターミナルへ向かった。
9時30分には着いて、グリーンバスの切符売り場で並んで待った。次のランパーン行きは9時50分でそのチケット(137B)が買えた。今日は何とも順調だ。
チケットは簡単に買えたが、狭い構内は雑然としていてどの辺りにバスが来るのかも分からない。仮のターミナルは何かと不便だ。ここからはタイ北部地域をカバーするバス網があり、その起点となっている便利なターミナルなのだが。やはり行き先別のプラットホームが無いと分かり難い。
トイレのピクトグラムには『男衛生間のトイレ』中国語と日本語を兼ねたような表示があった。これだとどちらの人も理解できる表現だ。ただ『の』を除いた方がいいと思う。

9時40分にバスが入ってきた。このバスも始発ではなく『LAMPANGーNGAOーPHAYAOーGOLDEN TRIANGLE』と表示されているのでかなり長距離になっている。
チェンラーイからの国道1号線は深い山もなく快走する。バスは2時間ほど走ってパヤオのバスターミナルに着いた。パヤオはパヤオ湖の畔にある小さな町だが、私はランパーンとの間で泊まってみようかと考えた場所でもある。幹線道路にある中継点なので小さい街にも拘らずバスターミナルは大きく辺りは店に囲まれている。

パヤオからは徐々に深い山道に入って行く。景色も冬枯れになっていて、木々は葉を落とし地面に緑色は少ない。全体的にはベージュっぽく映る。道端で何やら得体のしれないような物を売っている店があった。カーブが続き、傾斜はより大きくなる。このベンツのバスでも楽には走っていないようだ。
山道を抜けると検問所があった。警察官が乗り込んできて身分証をチェックする。私も慌ててパスポートを取り出した。トランクルームを開けて荷物もチェックしていた。峠に入る関所のようだ。


2.ランパーンは交通の要衝だ

ランパーンには14時20分頃に着いた。大きなバスターミナルで待合所のイスもほぼ埋まっている。ここランパーンは国道1号線と11号線が交差する交通の要衝になっていて、首都バンコクと北部地方を結ぶ大動脈が走っている。1号線はチェンラーイ、メーサイへ、11号線はチェンマイ方面へと延びている。鉄道もタイ国鉄の幹線であるチェンマイ方面への北線が走っている。

ランパーンはチェンマイ王朝より古い時代に栄えた古都だ。チーク材の生産地、集散地として発展した町でもある。そんな歴史ある町なのだが、私は列車でチェンマイに行く途中、この駅で買ったソーセージがスパイシーで美味しかった、それ位のイメージしか持っていない。

そんな交通の要衝にあるターミナルなのだが、バス各社の窓口が並んでいるコーナーを覗いてみると、全てがタイ語表記になっていて数字しか読めない。観光地や大きな町にはアルファベットが併記されているが、この町に外国人観光客は少ないのだろうか。それでも壁面に貼られているオレンジ色の大きな時刻表のボードは読めるようになっていた

ターミナルを出るとやたら暑いと思った。北部から南下してくると気温が上がるのは分かるが、それにしても暑さがかなり違うのだ。同じような時期にタイ北部の町・チェンコーンでは夜寒くて震えた事があった。
国道1号線(AH2)のうんざりするような広い道路を渡る前に、先ず食事をする事にした。向かうのはすぐ横にあるBigCのフードコートだ。
注文したものは、野菜たっぷりのクイティアオ。店内は涼しくて、食べた後は動く気にもならない。



3.歩いて国道沿いのホテルへ

本線の他に2車線の側道が付いている国道なんてとても渡れない。バイクを睨みながらすり抜けて行くのとはチョッと違う。それでも、このBigCのすぐ前には陸橋があった。ホテルがあるのは向い側、国道沿いだ。

陸橋から眺めると、BigCの前にはマクロがある。マクロはオランダのホールセール・クラブだ。会員制で、大容量のものや大量、バンドルで買う事により安さを出している店なので、品揃えは多くない。

側道の端を歩いて目的のホテルB2を探す。地図では国道のすぐ傍になっているのだが見つからない。住宅地の方へ入って行くと路地の先にあった。国道側からは入れないようになっていた。
ここは日本のビジネスホテルのようなものだ。新しい建物ではないが、落ち着いた雰囲気のする清潔な部屋だった。Wi-Fiの電波は良好で特に問題はなかった。
ただ、安さで選んでいるからツインルームになっている。8階まであり私は304号室だ。窓からは辺りの住宅しか見えない。
1時間ばかり涼しい風に吹かれて休憩した。


4.旧市街には花馬車が走っている

ホテルを出て、国道に沿って歩いて行くと、テスコ・ロータスがあり、その向い側には大きなセントラル・プラザがあった。こんな狭い地域に4か所ものショッピングセンターがあって大丈夫なのか心配してしまう。
私は旧市街地へ行って、伝統的な家屋の通りを見たいと思っている。チーク材で栄えた頃の木造建築が残っているらしいのだ。
テスコの近くにある陸橋を渡り、旧市街地への通りを探した。
通り名が『THANON TIPAWAN』、国道1号線からこの道に入り旧市街地の中心部を目指して歩く。ワン川が近づいた交差点までやって来るとその家並が見えてきた。
チーク材で栄えたランパーンに残る古風な建物はチーク・ハウスと呼ばれているそうだ。すぐ近くを流れているワン川もチーク材の運搬に使われたのだろう。鉄道もそのために早くから敷設されたそうだ。タイの象たちが活躍していたのも窺い知れる。

さてこの通りを歩いてホテルの方へ戻るのだが、地図を見ながらランドマークの時計塔を目指して歩いて行く事にした。
この町は花馬車で有名らしいのだ。国王がこの地に初めて馬車を持ち込んだ事で、馬車の町として有名になり、今も観光用に花を付けた馬車が走っている。
マラッカのトライショーのように派手にいっぱい飾り付けたものではない。左右の筒に花をさしてある程度だが、これが花馬車と呼ばれているのだ。

こうやって歩いている内にも何台かが通り過ぎて行った。辺りは薄暗くなってきているのに未だ走っているのだ。

時計塔があるロータリーまで来ると、すっかり暗くなった。ライトアップされた時計塔が白く光っていた。






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ランパーン方面行きのグリーンバス。左側は現在建設中の新しいターミナルビル。



ランパーンのかなり大きく賑わっているバスターミナル。



バスのチケット売り場は全てタイ語表記になっていて、地名さえも分からない。



本線の他にグリーベルトの外側に2車線の道路もあり、所々で行き来できるようになっている。



旧市街の中心部にはこんな古風な建物があちこちに残されている。チーク・ハウスと呼ばれるタイの伝統的建築だ。


『Talad Gao』通りを歩いた。落ち着いた雰囲気のする通りで、日本の田舎町のようでもある。



国王が初めてこの町に馬車を持ち込んだ事から、ランパーンでは花馬車が名物となっている。歩いている傍を駆け抜けて行った。