タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る  13
路線バスに乗って象の保護センターへ
タイ  11   3月20日(日)
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1.バスターミナルでローカル路線バスに乗る

7:50ホテルを出てバスターミナルへ向かった。ローカルバスに乗って象の水浴びを見に行くのだ。
国道1号線(ここではパホンヨーティン通り)を横切るには、バスターミナル近くにある数少ない陸橋を渡るのだが、ガソリンスタンドの前に消えかかった横断歩道を見つけていた。これは合法とは言えこの国では自己責任の世界だ。それでもこの暑さでは陸橋はなるべく渡りたくない。周囲をキョロキョロ車を確かめながら、何とか渡る事ができた。チョッと得をした気分だ。
B.T.に着いて、すぐ前にあるコンビニで食べ物と飲み物を何本か買った。

プラットホームで象の保護センター行きを尋ねると、路線バスのチェンマイ行きに乗ればいいと教えてくれる。ここからチェンマイまでだとかなりの距離があるが、古い小さめのバスだ。途中で下車しないのであれば長距離のきれいなバスがあるのだろうが。客もローカルな雰囲気で、荷物をいっぱい持っているような人が多い。

バスのフロントに表示されているチェンマイを確認して乗った。さてどこで降りたらいいのだろう。プラットホームでは場所を聞くのに「エレファント・・・」と騒いでいたので、周囲の人たちは私がどこへ行きたいのか分かってくれている。
こんなローカル・バスはプラットホームにも切符を売る人がいる。窓の外からお姉さんが30Bと言ってきたので、その人から切符を買った。エレファントでもニュアンスで伝わったようなのだが、タイ語では何と言うのだろう。
車掌にグーグルの地図で象の保護センターを指さしてみたが、どうも老眼のようでしっかり見えないみたいだ。そんな事でエレファントをキーワードにした。まあ、適当に降ろしてくれるだろう。


2.ランパーン象の保護センターは幹線道路沿いにあった

バスは11号チェンマイ線の広い国道を走る。ボロバスだが、それなりにスピードを出している。山道に入ると、道路脇にいっぱい車が停まっている場所があった。市場か公園か、パーキングか。
そこから少し走ると、保護センターが近づいたようで、車掌がもうすぐだと教えてくれる。
バスが停まり、それらしき場所で降ろしてくれた。これは素人にも分かり易い。国道沿いには塀の前に花壇があり、その中に実物大ほどの象の像が何頭か置かれているのだ。

入り口が2か所ある。どちらから入れば良いのだろうか、両方を行き来しているとスプリンクラーの放水が遠くまで飛んできて濡らされた。
右側を入ると案内板に何か書かれているようだったが、森林の中の道を適当に歩いて行くと案内所とチケットブースがあった。近くには水色の可愛いトラムが何台か置かれている。
水浴びが9:45、ショーが10:00からになっていた。入園料は200B、シャトルバスが25B、チケットを買った。ローカルバスでやって来たのは私だけだった。チケットブースの近くに大きな駐車場があるみたいで、そちらからぞろぞろ客がやって来る。
シャトルバスの方から呼ばれた。まるで遊園地の乗り物だ。しきりに係員がカメラのシャッターを押している。帰りに写真を販売するのだろう。私は幼稚園児になった気分で乗っている。楽しい遠足のような雰囲気だがお弁当を持っていない。

あちこちカーブを曲がりながら象の村へ入って行く。そしてレストランの前で降ろされた。地元の人たちについて観客席のある小屋に入る。すると時間になったのか、象使いが乗った巨大な象が次々とやって来た。
水浴びの前に、象たちが観客の前に並んで挨拶と言ったところか。観客は代わる代わる前に出て行って象の鼻を撫でたり一緒に写真を撮っている。それが済むと象たちは一斉に池に向かって移動して行った。

象たちは日課だから要領を心得ている。象使いが洗いやすい位置まで体を沈めるのだ。ブラシでしっかり洗ってもらっている。そしてそれがほぼ終わりそうになると、鼻から水を高く噴き上げるのだ。何とも客の喜ぶパフォーマンスも心得ている。象たちは至福の時間を過ごした後は、1頭づつ次の会場へ歩いて行く。観客が移動を始めたので私も象の通りに出た。さすがに近くで見るとでっかい。踏み潰されそうで後ずさりした。今度は象の後をついて行く。道路端には大きなバナナの房やサトウキビが置いてある。

ゲートを入ると、チョッとした広場に観覧席が並んでいる場所に出た。象の餌を売る売店もある。象たちはここでのショーに出る役者組と園内をぐるり客を乗せて巡る労働組とに別れたみたいだ。


3.水浴びからアトラクションもあるセンター

ショーが始まり、先ず役者たちは材木にロープをかけて引き始めた。これ位、象の力じゃ難なくこなせる。次は鼻で材木を押しながら移動させる。そんな荷役作業を披露した後は、チョッとしたタレントの象が3頭、キャンバスに向かって絵筆で絵描きを始めた。絵筆を持ち替えるのは象使いが適時やってくれてはいるが、それにしてもそれなりに絵になっているのが不思議だ。この絵は販売すると言っていた。他に象の糞から紙を漉く事もやっていて経費の足しにしているそうだ。

象が一斉に観客の前に横並びになった。客はバナナやサトウキビを売店で買って与えている。現金を渡す客もたくさんいるのだが、象は要領が分かっていて、お金は鼻で受け取り背中の象使いに渡している。食べ物はその場で食べる。ただバナナの大きな房などであっても一口にも満たないのだ。サトウキビはバリバリ食べるのだがあんなの消化するのか心配だった。

ショーが終わり観客は園内に散って行った。ショー会場の奥には林があり象たちは餌をもらって食べていた。あまり近づくと怖いので遠くからしばらく眺めていた。池の周りは次々と客を乗せた象が帰って来る。しばらくあちこち散策した後は、象の病院に行ってみる事にした。
病院のエリアでも中に入るわけではなく繋がれている象たちを見るだけだ。小屋の中には2頭が餌を食べていた。病気だと横になって寝ていると思ったがそんなに病人(象)ではなさそうだ。
タイ人たちにとって象との付き合いは長い。かつて共に暮らしてきた歴史がある。




4.いつ来るか分からないバスを待ち続ける

もうすっかりこの象保護センターを堪能した私は、今度は自分の心配をしないといけない。バスの便については全く知らないのだ。歩いて国道側の門を出る。幹線道路の交通量はかなり多い。しばらく待ってみたが路線バスの気配は全くない。小さな管理小屋におじさんがいたので聞いてみると、バスはこの前を通るとだけ言った。時刻表など勿論無くチェンマイからの路線バスが何時にやって来るかは見当もつかない。おじさんは、時間は分からないのでそこで待てと言うのだ。
日陰を探してはいるものの、どこに居ても暑いのだ。観光バスや大型バスにトラック、乗用車が次々と通り過ぎて行く。バスの形をしているのが来ると急いで道路際に行くのだが路線バスではなく長距離バスか観光バスのようで全く見向きもしてくれない。それにこの場所はかなりきつい坂になっていて、ランパーン方面へは思いっきり下り坂、猛スピードで走り去って行くのだ。

1時間以上待ってやっとあの窓を開けっ広げた古いバスがやって来た。通過されたら大変、慌てて手を挙げるとバスが停まった。乗ろうとしたら1人乗客が降りてきた。

幹線国道はこの山の中腹からずっと下って行く。やって来た車掌に30B払った。しばらく走ると道端に露天街のような店、パラソルがいっぱい並んでいて、車で溢れている場所があった。道の駅のように駐車場がある。こんなに賑わっているのは、何かお目当てがある場所なのだろうか。調べてみるとここは『Kad Tung Kwian Market』(トゥンキュン市場)のようだ。奥の方に大きな市場がある。こんな山間にとも思うが、それでもランパーン市街地からは30分程だから、スーパーマーケットより市場好きの客がやって来るのだろう。

象の保護センターから50分も走り、バスはランパーンのバスターミナルに着いた。



5.ビッグCのフードコートで食事、そして果物をたっぷり買った

バス待ちと暑さですっかり疲れていた。バスターミナルからすぐ近くのビッグCへ歩いた。フードコートで豚肉が載ったご飯を食べる。飲み物も買ってしばらくゆっくりしたが、まだ午後3時頃なので一旦ホテルへ帰る事にした。
あの陸橋を渡れるような気力は無くなっていた。国道へ出て車が停まるのを待った。
ホテルではタブレットでYou Tube の音楽を聴きながら、涼しい風に当たり休憩した。

次の行き先も考えないといけないから、私としてはそんなにも頭まで休ませている訳にもいかないのだ。
メーソートには行ってみたいと思っているのだが、バスの便やホテルの事など調べる事が多い。ネットの記事を読んで参考にもしないといけない。
あれこれ検索してみた。

夜になり再びビッグCまで買い物に行った。夕方のスーパーマーケットはやはり客がいっぱいだ。
そこで買った物は、ポークソーセージのピザ、スイカ、メロン、ブルベリーのヨーグルトドリンク、それにポケットティッシュの大判タイプだった。

こんなにも暑いランパーンでも、夜になると湿度が低いからそれなりに涼しくなる。国道に沿って夜道を歩いて帰った。





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国道側の入り口には、こんな大きな象のオブジェが置いてある。



水浴びが始まる前の象たちは日常の作業に追われている。

このセンターでのスケジュール

 Elephant Bathing
  9:45、13:15
 Elephant Shows
  10:00、11:00、13:30
 Elephant Rides
  
8:30~15:30




役者の象たちは観客の前に立ち挨拶をする。一緒に写真を撮ったり餌を貰ったりしていた。



象たちの水浴びが始まった。象使いが洗いやすいような位置で止まるようだ。



水浴びを終えた象たちは役者組と労働組に分かれて仕事をするようになる。



観客席の並ぶステージへと移動して行く。




象の描いた3枚の絵はそれなりに雰囲気が出ているのが不思議だ。



しっかり働いた後は森に繋がれ思い思いに草を食べている。



ショーの広場からは少し離れた場所にある象の病院。ひっそりとしている。