タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る  28
ヤワラートにあるフカヒレの店ヘンディー
タイ  26   4月4日(月)
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1.BTS駅下にあるクイティアオ・ルアの店

今日は渡し船には乗らず、キングタクシン橋を歩いて渡る事にした。この橋は観光客が写真を撮りに来る程度で、地元の人は殆どBTSやバス、それに渡し船に乗るようだ。それでもチャオプラヤー川の眺めは良いし、船が行き交うのを見ていてても楽しく、高い階段を登った意味はある。橋の中央にはBTSの線路が敷かれた鉄道併用橋になっている。橋を渡って階段を降りると、チャオプラヤー・エクスプレス・ボートの乗り場があり、BTSのサパーンタクシン駅にも繋がっている。

チャオプラヤー川の水の色はメコン川とは違っているように思う。その日の光線にも寄るだろうが、茶色に緑を混ぜたように見えるのだ。水草がいっぱい流れる泥水だが、それなりに自然浄化はされているようで汚さは感じない。
この時間エクスプレスボートは青旗が続いてやって来ている。値段の違いもあるがオレンジ旗よりチョットだけ青旗がきれいに見える。私は定額料金のオレンジ旗にしか乗らない。


BTSサパーンタクシン駅の真下に、客の多い食堂がある。ステンレスのテーブル、赤や青の派手なプラスチックのイスが置かれた、ほぼ路上の店だが、少しだけ囲われている空間が店内だ。頭上にはBTSへの階段がある。ここはとにかくよく通る道だが、いつも客がたくさんいて繁盛している印象がある。チョッと入ってみた。皆が食べているのはクイティアオだ。メニューもこれだけのように思う。何たって厨房には大きな鍋と少しの器具しか置かれていないから。こんな店では迷わず、1つと言えばいい。
『クイティアオ・ルア・ムー』と言う店らしい。舟(ルア)そば独特の、スープが濃い色をしている。具材は豚肉にすり身団子と何かのかけらが入っていた。スープには細かく浮いているものがある。ひょっとしてこれが生血なのだろうか。モヤシとハーブの葉っぱをちぎって入れた。 調味料を加えなくてもこのスープは味が濃く美味しい。それでもビクトリーモニュメント近くにある舟そば街、あのわんこそば程は濃くなかった。42B.だった。



2.15番バスを乗り違えて、エーシアティークの方へ行ってしまった

さて美味しく食べた後は、ワールドプラザの方へ向かう予定で、そのバスは15番だ。ロビンソンの辺りから乗ったのだが、私はこのバスがサートーン通りを走るものと勘違いしていた。何とバスは大通りへ入らず真っすぐ進んで行くではないか。一瞬焦ったが、もう仕方がない。アジアティークまで乗ってやろうと覚悟を決めた。あの広い駐車場が見つからないまま、途中で適当に降りてしまった。反対に向いて走ったのだから、ここらで15番に乗れば良い筈だ。今乗っていたのは無料バスだった。

再び向きが反対の赤バス15番に乗った。さすがにこれは6.5B払った。ところがこのバスのルートとしては、ラーチャダムリ通りのイセタン前は通らずサヤームの方へ行ってしまうのだ。私は『ZEN』のすぐ横の殺風景な場所で降りた。この辺りはBTSの高架下に歩道がよく整備されている。地上より高い位置なので車を気にせず自由に歩けるのだが、この降ろされた場所ではその恩恵も無く、向かい側へ渡るのが難しかった。



3.ワールドプラザ前のテント商店街

イセタン前の広場には大きなドームのテントが設置されていて、その中はぎっしり店が集った商店街になっていた。この場所は常設になっているのか前にもあったような気がする。
場所柄、屋台風だがきれいに展開しているし、売っているものもお洒落に見える。何たって清潔さがある。私はココナッツの店で、ココナッツジュースに中のゼリー質の果肉が入った飲み物を買った。暑いのもあるし、この店は客が多くよく売れていたのだ。店員のお兄さんは輪切りにしたココナッツの中を器具で削り取っている。ジュースの中にそれを浮かべれば出来上がりだ。透明のカップにドーム型の蓋をしてストローを刺してくれた。

ドリアンもあるしイカの加工品もたくさん並んでいる。カウンターのようなテーブルの前にイスを置いたイートイン・コーナーもある。みんな清潔だが辺りにはいろんな香りが混ざって漂っている。食事のコーナーはやはり麺とソムタムが人気のようだ。以前、イセタンからプラトゥーナーム寄りの場所にはイサーン料理の屋台街があった。独特の辛い料理とソムタムだ。
ガイヤーンはポピュラーな食べ物だ。ここでは鶏が身ぐるみ剥がされてローストされ、両足を上にあげて恥ずかしい姿で置かれている。ラオスも同じように串刺しのガイヤーンをよく見かけたが、食べ物ではタイと共通する部分が多いようだ。私もあの串1本買ってみたいと思ったが、丸1羽を焼いてあるので食べきる自信が無い。

トリムルティとガネーシャの祠がある方へ行って日陰をさがし、ゆっくりココナッツ飲料を味わった。薄味でほんのり甘い。白い欠片をストローで集めて食べた。
トリムルティの祠はかなり人気が高い。恋愛成就の神様とかで木曜日の夜は特に賑わうが、昼間でも花と線香を祀る人が絶えない。しかも誰もが真剣そのもので祈っているのだ。



4.ピンクのラーン・ガイトーンはお昼休みに入っていた

バンコクシティインの方へ行ってみようと歩道橋の階段を上がると、プラトゥーナームの方へ向かって新たに歩道を造っていた。道路より高いこの歩道は移動するのがとても便利。景観的にはチョッと良くない面もあるが、一気に歩いて行けるから暑い街中では快適だ。これがK.L.だとトンネルのように囲われていて空調されているから更に快適になっている。
道路を横断する歩道橋はそれなりに完備されているが、8車線もあるこの広い道路を歩いて横断している人もよく見かける。
BigC のすぐ隣は掘り起こされて更地になっていた。以前からこの辺りの再開発は進んでいるが、銀座の一等地のようなこの場所ではどんどん開発が進んでいきそうだ。

シティインの路地へ入る角のレストランは健在だが、チョッとだけ雰囲気が変わって店名も変わったかも知れない。この奥を歩くととても懐かしい。あちこちにマッサージの女性が座っていて、洗濯されたバスタオルがいっぱい干してあったのを思い出す。少し艶めかしい雰囲気がする路地になっていた。そんなシティインは初めてのバンコクでのホテルだった。とにかく便利な場所にあるし料金もそう高くない。朝食付きだから、狭いレストランにいっぱいの客が入り朝の混雑は凄かった。


センセーブ運河の近くにマニアックなクイティアオ・ルアの店があるらしいのだが、何度さがしても見つけられない。裏通りの更に裏なので難しいが、そんな事をしていると日本のラーメン屋があった。『麵屋一』MANYA ICHI の看板がかかっている。なぜかMANYAだ。
この辺りには有名なカーオ・マン・ガイの店『ラーン・ガイトーン・プラトゥーナム』がある。従業員がピンクの制服を着ているのもあり印象的な店だ。超繁盛店でいつも客がいっぱいなのだが、うどん屋と一緒で回転が速く、待っていればすぐ席が空いてくる。とにかく安くてうまい。


運河の橋の上からは出入りするボートがよく見える。このプラトゥーナームのピアが東西路線の起点になっていて、遠くまで乗ろうと思っても一旦ここで降ろされる。昨年、ここで爆発する事故があったようだ。
ペッブリー通り(Phetchaburi Rd)に出てピンクの店に行ってみると、何とお昼休みだ。店は開け放たれていて従業員が座ってお喋りしているのが見えるが、入り口に17時からと書かれている。午前の営業は14時30分までらしい。マイペンライ、何ともタイらしい風景だ。


5.『アジアぷらぷら』興利(ヘンディー)のスープの味は

せっかくのカーオ・マン・ガイが食べられなかったので、ヤワラートの『興利』へ行ってみる事にした。BigC の前まで戻り、このバス停からヤワラート方面行きのオレンジ204番に乗る。オレンジはエアコンバスなので中華街まで13Bだ。

このBigCのフードコートは思い出の場所。私が初めてタイに来た時、ここで3万円位入れておいた財布を盗まれた。何万円もするブランドの財布だった。それ以来、財布は100均の安っぽいものに替えた。ショルダーバッグ等もブランドものは危険だ。スリは何を持っているかを見極めて隙を狙っているのだ。とにかく粗末な格好をするに限る。


中華街が近づくとバスが全く動かなくなった。こんな時間でも渋滞がひどいのがバンコクなのだ。でもエアコン車は涼しくて、「急いで行かなくてもいいよ!」って気分だ。私は車内でうたた寝している。
チャルーンクルン通りとヤワラート通りの間でバスが停まり、運転手と車掌が同時に、「中華街に着いたから降りるよう」言った。

以前、何度この店を探しただろうか。やっと見つけたのが昨年の春節だった。隣の『ヨーフィッシュボール』はすぐ分かったが、『興利』は営業時間が夕方からなので、シャッターが閉まっていると全く分からなくなる。そう、店の看板も無いのだ。隣はちょうどこの頃までの営業のようで、店頭にテーブルを出したりするから、お互いに譲り合っているのかも知れない。

ヘンディーに着いてみると17時からになっていた。店内は灯りが点いていて、シャッター越しに従業員が開店準備をしているのが見える。仕方なく、しばらくヤワラートを散策する事にした。この辺りはフカヒレやツバメの巣のレストランが多く、『魚翅』・『燕窩』の看板がよく目につく。中華料理の食材として売っている店も多いようだ。

高田純次さんの『アジアぷらぷら』で紹介されたこの店は、あれ以来かなり人気になり日本人客が多くなったそうだ。17時を過ぎて店に戻ってくると開店していた。店頭にはガラスケースや3連になったガスコンロ、それに大きな円筒形の鍋が置かれている。まだ客はいないようで、入り口でエプロン姿の男性が辺りを見渡している。オレンジTシャツの女性従業員はと言えば、テーブルの周りに皆で座ってお喋り中、仕事モードにはなっていない。私が入って行くと1人だけ立ち上がって、先輩方はそのままだ。タイでは客用のイスに従業員が座っているのはごく普通のようだ。

高田純次さんが感激して、「うん~まい!!」と言った『魚鰾』を注文した。魚鰾とは魚の浮きぶくろらしいのだが、油で揚げてある。出された大きな丼のような器は土鍋風で、このままコンロにかけている。テーブルに運ばれてくるとグツグツと未だ煮えたぎっている状態だ。モヤシとパクチーを少し加え、小さな器に取って食べた。中華風のスープだから我々には何の抵抗もなく普通に美味しい。魚鰾は、高田純次さん曰く「油揚げみたいだ」と、そんな感じだ。スープはフカヒレよりこっちの方が断然美味しいと言っていたが、やはりこの店ではフカヒレが良さそうだ。次はフカヒレにしたいと思う。バンコク市民はフカヒレを食べるにはこのチャイナタウンまで出かけて来るそうだが、やはり中心部の高級店と比べれば格段に安いのだろう。
壁にかかったメニュー表には、高田純次さんの似顔絵が描かれたアジアぷらぷらシール』が貼ってあった。


6.食品市場通りには中華料理の食材がいっぱい並んでいる

ヤワラートからチャルーンクルン通りにあるワット・マンコン(龍蓮寺)へ通じる路地に中華料理の食材を扱う店が並んでいる。京都の錦小路のような通りなのだが、売っているのは殆どが素材だ。その中でも魚鰾はかなり多くの店が扱っている。何かの代用で使われるようなのだが、これが案外高いのだ。それでもこれだけ需要があるのだか、気が付かないで食べているのかも知れない。これらは業務用と思われる大袋に入っていて、一般家庭では使われていないみたいだ。
なま物は少なく、殆どが干物で魚介類や椎茸、雑穀類、お茶、それに漬物などだ。美味しそうな中華菓子を売っている店もある。調味料類も中華料理独特のものは全て揃っているようだ。

このイサラーヌパープ通りからチャルーンクルン通りへ抜けると、あちこちで地下鉄工事が行われている。現在のバンコクは交通インフラに対する投資が積極的に行われているのだ。これだけの大都市に鉄道が少ない事で、道路の渋滞はひどく、ジャカルタ程ではないにしろ、東南アジアでも最悪に近い状態だ。当然空気は汚れていて、私の主たる乗り物、赤バス、青バスなどに乗っていると、信号停止や渋滞時にはひどい事になる。それにバンコクの信号はやたら長いのだ。日本もアメリカと比べるとかなり長いが、タイはそんなものじゃない。2分とかそれ以上もある。バスの運転手は赤信号に変わると、サイドブレーキを引いてジャーの水を飲み始める。



7.チャルーンクルン通りのバス停へ向かう

ぶらぶらした後はトンブリーに帰るのだが、3番バスに乗ってホテル前まで直行しようと思った。トンブリーからの3番バスはチャオプラヤー川を渡った後、パーク・クローン市場にある花市場を通り抜けて王宮の近くへと走って行く。
そんなルートなので、チャオプラヤー川の橋の近くまで行けば乗れそうに思った。ラーチャウォン通りからバス停を探しながらラーチャウォン・ピアの方へ歩いたが、全然見つからないし3番バスも見かけない。
バンコクの市内バスは行きと帰りのルートが違っているのも多い。3番バスもどこを走るか素人にはよく分からないのだ。そんな時は知っているバスに乗るしかない。
私は迷わずチャルーンクルン通りへ引き返す事にした。ここには1番の赤バスが走っている。また渡し船に乗る事になってしまうが仕方がない。
ヤワラートの外れでは長屋風の古い建物が壊されかけていた。再開発で歴史的な景観はどんどん少なくなってしまうようだ。ヤワラート通りは西への一方通行でチャルーンクルン通りが駅の方への一方通行になっている。サートーンへはチャルーンクルン通りでバスを待つ事になる。
サパーンタクシン・ピアに戻った頃にはすっかり日暮れてしまっていた。7-Eleven で買い物をした後渡し船に乗った。チャオプラヤー川の暗闇に川辺のホテルやジャンクの灯りが浮かび上がって、とてもバンコクらしい夜になっていた。




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このホテルの西側には趣のある建物が並んでいる。ここにはバンコクの騒がしさはない。



サートーンとトンブリーを結んでいる、便利な渡し船。片道3バーツ、トンブリー側の出口で払う。



キングタクシン橋の上からの眺め。チャオプラヤー川が遠くの方まで見渡せる撮影スポットだ。



サートーンのピア。乗船場にやって来るボートの種類の旗が立っている。オレンジ旗は定額なので乗りやすい。



バスは反対方向へ走り出した。途中で降りて再び15番バスを待つ。



セントラルワールド前の広場では大きなテントの屋台街ができている。



テントの中にはこのような簡単に食べられる店もある。この店はクイティアオとソムタムのようだ。




ヤワラートの路地には屋台がぎっしり出ている通りがありかなりの賑わいだ。




魚翅や燕窩の看板をあちこちで見かける。中華街特有の景観だ。



『興利』のメニュー表には、高田純次のアジアプラプラのシールが貼られている。



『興利(ヘンディー)』は夕方5時から開店する。反対に隣のヨーフィシュボールは5時に閉店する。



興利(ヘンディー)の魚鰾スープの味は。美味しいが「うん~まい!」と言うほどでもなかった。



チャルーンクルン通りのロビンソン前にはテントの店が並んでいる。