タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る 29 |
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1.川辺のプロムナードをプラ・スメーン砦まで歩く ホテルからチャオプラヤー川の方へ、Charoen Nakhon Rd をtops 側に歩いてバス停を探した。この辺りは庶民的で特別きれいな通りでもないが、川に沿ってペニンシュラ・ホテルやヒルトン・ホテル等があり、専用の渡し船を使わない客用の入り口がある。 ![]() ![]() 大通りを走り、バス停で乗客が乗ってきた後、すぐ車掌が降りて行った。しばらくして戻ってきた車掌が手に持っていたのは、緑色のかき氷のカップだった。食べるのかと思ったら運転手に手渡した。運転手が車掌に何か言っていたのはこの事だったようだ。 バスはチャオプラヤー川の大きな橋を渡りぐるっとロータリを曲がる。やがて狭い通りに入ると辺りは全て花の店、花市場の真ん中を通って行く。パーク・クローン市場は大きい市場で野菜とか果物それに花が殆どだ。辺り一帯には古い市場の建物が並んでいるが、川沿いの一部は最近建て替えられたようだ。 市場通りを出ると王宮の東側を通って再びチャオプラヤー川に接近する。王宮の辺りは高い建物もなくとにかく広い。政府の機関や美術館、歴史的な建造物がたくさん目に付く。この辺りとドゥシットはそんな地区になっている。 ![]() ![]() この橋の袂から川に沿って岸辺のプロムナードが遠くの方まで延びている。狭い通路だがオレンジ色の点字ブロックも敷かれていて、新しくきれいな散歩道になっている。上流の方へ向かって歩いてみた。所々に花が置かれベンチもある何ともおしゃれな通りだ。途中『Riva Surya Bangkok』ホテル専用の桟橋があった。その先にも『N13 Phra Arthit 』のチャオプラヤー・エクスプレス桟橋があり大勢の人がボートを待っていた。先にブルー旗が到着し、続いて河口方面行きのオレンジ旗がやって来た。一斉に乗船が始まったが、そのほぼ全員が白人客だ。近くにはカオサン通りがあり、欧米系のバックパッカーたちの聖地、溜り場なのだ。 2.オレンジ旗でN13プラ・アーティットからN30ノンタブリーまで快走 プラ・スメーン砦近くでプロムナードは終了する。辺りは芝生の公園になっていて、緑色に塗られた金属や木のベンチがたくさん置かれている。日陰で本を読んでいる女性がいた。他にも数人がきっちり日陰で座っている。市民の憩いの場となっているのだろう。ただひっそりしているので夜の治安は良くないかもしれない。 ![]() ![]() ボート乗り場まで戻り、オレンジ旗の一番北の終点まで行ってみる事にした。オレンジ旗の終点はN30ノンタブリーらしいのだが未だ行った事はない。 今日はオレンジ旗とブルー旗とが交互に来るようなのだが、私が乗るのは勿論オレンジ旗だ。急がないし、あのボートで十分。ブルー旗はチョッときれいな気もするが、ツーリスト・ボートなので高いし、このN13 ピアが終点となる。 ![]() ![]() 私は暑さにまいった時や疲れると、こんなボートやエアコンの効いたバスに乗る。ホーチミンではバスが一番だ。カフェで涼むのも良いが、景色が変わって行く乗り物は旅気分でいられるから最高だ。 今日もやはり、ボートに乗ってチャオプラヤー川の涼しい風に吹かれるのが目的だ。 これだけ遠くまでエエクスプレス・ボートに乗ったのは初めてだった。大きな橋を5か所も通過してきた。それでも大都会バンコクはどこまで行っても景観はそう変わらない。両岸には家並が途絶える事もなく所々に大きなビルも建っていた。 3.ノンタブリーの市場を散策 ノンタブリーは終点だけあって大きな町だ。対岸との間を往復する渡し船も引っ切りなしに動いているようだ。ピアに着くと乗客が一斉に下船し始めた。これより北へはみどり旗が朝夕の時間帯だけ運行している。そんな事で波止場には数席のオレンジ旗が停泊していた。 ![]() ![]() ピアの売店ではナマズや鳩の餌を売っていた。慈悲深いタイ市民はそれを買っていっぱい与えているのだ。おかげでナマズも鳩も健康優良児揃いになってしまっている。緑・赤・橙・黄・茶のカラフルなお菓子の入った大きな袋。バケツにぎっしり入った餌。これらが肥満の原因なのだろう。 奈良でシカに煎餅を与えているようなものだが、あれだけ畳の目のようにくっついていると不気味だ。よく肥えた鳩など香港の人が見ればどう思うだろうか。 ![]() ![]() ボート乗り場からまっすぐ道路が延びているがいるが、道の真ん中に高い時計塔がそびえている。近くにノンタブリー市場があったり、バスターミナルでもあるのだろうか、バスがやたらと多く赤バスが次々とやって来る。狭い道路は渋滞していて何とも窮屈そうだ。正面を通る高架道路には国王妃の大きな肖像が掲げられていた。 この市街地の店を見ながら市場へと向かったのだが、客の多い食堂をちゃんと見つけておいた。ノンタブリーの市場は広く生鮮市場は他の市場同様に雑然としていて、土間には水がいっぱいだ。赤貝っぽいのやら、貝類が多いのが目に付いた。いくつもの ![]() ![]() 通りに出ると、バスが列をなして渋滞していた。歩道は狭いのに人は多い。見つけておいた食堂に行ってみた。ステンレスの長いテーブルがあり適当に座れるようになっている。客の多いこの店では、おすすめのメニューを選んだ。センレック・ムーのようでやたらと肉が多いし、レバーやすり身団子に何やらいっぱい入っている。 通りにあるパン屋で、歩道側の平台に食パンを並べて売っている店があったのだが、パンがケースに入った状態のままだ。ケー ![]() ![]() ピアまで戻り、鳩やナマズを見ながらどこへ行こうか考えた。王宮辺りは何度も行っているし、ここから北へのエクスプレスボートは無いし。取り合えずサートーンまで乗って、シーロム通りでも歩こうかと思った。 オレンジ旗はここが始発だから乗って待つ事ができる。そう思って乗り込むと、さすがに日陰の列は満席になっていて、太陽の当たる方は殆ど座っていない。 ノンタブリーを出発したボートはチャオプラヤー川の東側、西側と、ピアを目指してジグザグに進んで行く。空いていたこのボートも『ワンラン』や『ター・チャーン』辺りになるとだいぶ混んできた。ワット・アルンは工事中のようで杭がいっぱい刺さった姿になっていた。 4.シーローム通りをサラデーンの方へ歩く サートーンでボートを降りた後はずっと歩きにしよう。チャルーンクルン通りから、屋上にドームがある『Lebua at State Tower 』の角を曲がってシーロム通りに入る。タイ語で大通りはタノンと言うそうなので、タノン・シーロムになる。よく使う路地はソイ(Soi )、ベトナムだとヘム(Hẻm )だ。 ![]() ![]() 外国人向けと言えば、ラーマ4世通りとスリウォン通りの角にジム・トンプソンの店もあったりするから、ぶらぶらするのにちょうど良い通りなのかも知れない。ただ、このシーロム通りは意外と距離があるのだ。チョッと歩くつもりでいたら、とんでもなく疲れてしまう。 インド寺院があったり、面白い店を見つけたりする事もできる。私はこの不安定なビルがとても気になった。今にも崩れそうな気配がする不気味なビルだ。力学計算はちゃんとできた設計なのだろうが不安定だ。地震の多い国から来た者の感覚だろうが。 5.タニヤ、パッポン通りをぐるりと回る パッポンを通り前からタニヤまでやって来た。この辺りは久しぶりだった。『 Thanon Thaniya』タニヤは日本人の多い通りだ。至る所に日本語が書かれている。店も日本食が多く、雰囲気は少し違うが新宿の歌舞伎町のようでもある。 ![]() ![]() そして、おじさんが女性の写真を綴った小冊子を持って、お兄さんと声をかけてくるのがパッポンの流儀だ。バンコクで駐在生活をしている人たちは、たまにはこんな日本ぽい街に来たいのかも知れない。 ぐるっとタニヤからパッポンの路地を歩いてみた。夜はチョッとムリだが、昼間は何でもなく普通に歩ける。タニヤ・ゲートを潜ると途端に日本語の看板ばかりになる。路上に置かれたプレハブの店『おにぎり亭』、そしてランドマーク的な『タニヤプラ ![]() ![]() パッポンは夜になると有名なナイトマーケットと言われる露店街が出現する。ちょうど通りがかった時は準備中だった。覗いてみると、ナイトマーケットの商品はどこもよく似たものだ。お土産になるようなものもあれば危険なコピー商品もある。そんな具合で並んでいる。 この後、BTSの『サラデーン』駅と陸橋で直結している『シーロム・コンプレックス』に入った。食堂街もあるショッピングセンターだ。混んでる時もあるが、今日は客が少なくひっそりしていた。あちこち歩くのだがエアコンがよく効いていて涼しい。エスカレーターで上の階へ行って文具の店で小さいメモ帳を買った。 私はフードコートを探していたのだが、各階に行ってみても殆どがレストランばかりで見つけられなかった。 ![]() ![]() ここからだと、バスでなくてもBTSに乗れば乗り換えなしでトンブリーまで帰れるのだが、今ではバスに乗り慣れたのでBTSにはあまり乗らなくなった。 IC カードもBTS のは期限切れで、どこか交通局のような所まで行かないと復活させてくれない。MRTは駅の窓口で言ったら使えるようになったのだが。そんな事でBTSは敬遠している。タイもそうだが、東南アジア各国の交通ICカードは使える期間が2年位だったように思う。日本だと最後に使った時から10年間は大丈夫なのに。しかも使った時からではなく発行時からとか書いてあった。 それに切符を買おうとすると硬貨が要るのだ。切符の自販機では紙幣は受け付けない。ではどうするかと言えば、窓口まで行って両替をしてもらう。そんな手間をかけるならいっそう切符を売ればいいと思うのだが、それをしないのがタイだ。 6.チャルンクルン通りの夕暮れ サラデーンの駅前から15番バスに乗り、サートーンで降りた頃には薄暗くなっていた。何か食べようと思ってロビンソンの辺りから少しシーロム側にに歩いてみると、向かい側にお粥の店があった。久しぶりにお粥も美味しそうに見えた。 それが、とんでもなくひどいお粥の店に出くわしたのだ。注文したものが来ない。お金を払った ![]() ![]() 今度は食べ終えて、お金を払ったのだが、お釣りをもらうような金額の紙幣だった。 すると忘れてしまっているかのように、全く気配が無いのだ。後ろに座っていた女性は一部始終を見ていたようで、再び店員を呼んだ。「この人は○バーツ払ったでしょう、お釣りを持ってきなさい」と。 こんな店、こんな店員はどこの国にもいなかった。初めての経験だった。店もそんな適当な経営のようだし、従業員は接客やお金の計算など全くできないのだろう。小学生でもこの程度の事はできると思うのだが。 この辺りで食事するにしても、このお粥の店は絶対に避けた方が無難だ。注意してください。 嫌な思いをさせられたが、あの女性には助けられた。あのままだとタイのイメージが更に悪くなる。昨年のチャトゥチャックのホテルもそんな感じのフロントだった。何度言っても知らんふりで、エアコンのリモコンをくれないのだ。私には、タイはそんな国と言うイメージが付きつつある。 Topへ 前へ ◀ ▶ 次へ |
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