タ イ 北 部 と ベ ト ナ ム を 巡 る  35
バンメトート (Buôn Ma Thuột ) の街歩き
ベトナム  5   4月11日(月)
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1.朝はゆっくり、そして『Cơm tấm 』の店へ

フロントで明日のダラット行きのバスを聞いてみた。ピックアップをここからだと、ターミナルへはタクシーになるらしい。バンメトートのバスターミナルはだいぶ遠いと言う事なのでお願いした。
9時45分にピックアップ、料金はドライバーに直接払う事。そして10時30分バスターミナルを出発。ダラットまでは140,000₫と言う事だった。このホテルでの発券は何もなかった。
その後、部屋に戻りホテル予約サイトでダラットのホテルを検索した。ダラットはベトナムでの避暑地で新婚旅行のメッカだと言う位の知識しかない。高原なので涼しいようだ。
『ラドファーホテル』ここが市街地では安いようだった。地図で見ると、ダラットの市場から歩いてすぐの場所になっている。キングサイズのツインルームとか、一体何なのだろう。取りあえず予約を確定した。

遠くへは出られないので、少数民族の博物館へ行って、後は市場でも見ようかと思った。ぶらぶらと街歩きをするようだ。
ホテルを出たのが11時過ぎだった。博物館は、多分お昼は休んでいるだろうから、食事をしてから行く事にした。


Hùng Vương 通りにあるいつもの『Cơm tấm』の店だ。
この店はかなり繁盛している。バイクで来て、お弁当を買ってる人も多いようだ。店内で食べる人のようにおかずを選んで詰めてもらうのだろうか。それとも日本のお弁当と同じだろうか。

もうこの店のおばさんは、すっかり私を覚えてくれたみたいだ。おかずたっぷり山盛りにしてくれるようになった。
実は、初めてこの店に来た時に「ごちそうさま!」と合掌してお金を払った。すると店の人も慌てて合掌したのだ。それ以来、私も店の人も手を合わせて「ごちそうさま」と「ありがとう」になった。そんな事で印象的だったのかも知れない。顔を合わせると、馴染みの客のような表情をしてくれるようになっていた。
今日はお任せメニューのようになった。何もかもがいっぱい入ってチャンプルー状態だ。それでも美味しさは変わらない。


食事をしていると11時30分にサイレンが鳴った。この時間からお昼休みなのだろうか。ベトナムでは1日の流れが日本とはチョッと違っている。銀行などでもお昼は何時間かしっかり休んでいるのだ。その時間帯にこのような店は客が増えるみたいだ。


2.人の気配がしない少数民族博物館

戦車を置いた記念塔から、AH17Le Duan通りを少し南に歩くと公園のように緑が多くなる。辺りは深い森になっている。その中に民族博物館があった。近郊の村で暮らす少数民族の道具や楽器、民族衣装などを展示してあるらしいのだ。
建物に近づいて行くと、人の気配がなくひっそりしていた。時間はもう昼休みを終えた頃だった。建物も昨日まで使っていたような雰囲気が全くしないのだ。若しかして休館しているのだろうか。訪れて来る人もいない。数人がこの森の中を散歩しているのを見かけたくらいだ。

ぐるり回ってみたが、長い期間放置してあるようにしか見えない。
隣の施設に学生らしき人が数人入って行ったので、事情を聴いてみようと急いで近づくと、野犬のようにガラの悪そうな犬が吠え立ててきた。私は野犬は嫌いだ。こんな敬虔な仏教徒の国で、石を持って追っかける訳にはいかない。
私はもう博物館どころじゃなくなった。そんなのどうでも良い。あわててその場を退散した。



3.辺り一面に広がる混沌とした路上の市場

記念塔まで戻り、今度はNơ Trang Long 通りを西へ、市場の方へと歩く。すぐ通りを跨ぐ大きな2棟の市場(Chợ Buôn Ma Thuột )が見えてきた。左右にA棟、B棟になっているようだ。中央にDAK LAKと書いてある。この町ではかなり存在感がある大きな建物だ。ネットの記事でこの市場の事を読んでいたのだが、忘れていて中には入らなかった。2階には食堂や、みやげ物になるような商品があったようだ。市場の1階部分には専門店がずらり並んでいる。ノンラー(Nón lá 円錐形の藁帽子)を売っている店もあった

ここを通り過ぎると路上市場があるのだが、この時間パラソルの屋台は少ない。商品はと言うと、果物と花が殆どだった。あちこちで市場らしくゴミが散乱し、きれいな通りではない。バイクの客が少しいる程度で、活気のない昼下がりの光景だ。ノンラーを被ったおばさんに、マスクですっぽり顔を覆ったバイクの女性。おばさんとてバイクが近づいたくらいでは立ち上がらない。

この後、エデ族のロングハウスの要素も取り入れられていると書いてあった『カイドアン寺』へ行ってみた。広い境内には渡り廊下のような通路があって建物がいっぱい連なっている。黄金に輝く大きな仏像があり、鐘楼にはりっぱな鐘が吊り下げられている。鼓楼もあったようだ。こんな昼間なので参拝者は誰もいなく、ひっそりしている。この規模からすれば地域で一番の仏教寺なのだろう。
よくできた盆栽が何点か置かれているが、木の枝に金網に入れた石を置いてあるのが珍しい。こんな技法もあるのだ。
坂になった通路に仏具の店があった。私が入ろうとしたら僧侶が2人出てきた。中には仏像から線香まであらゆる仏具が揃っていた。そしてここには客いたのだ。



4.先進的なショッピングセンターがある地区

お寺の通りPhan Bội Châu を記念塔方へ戻ろうと歩いていると、チョッとおしゃれな一角にショッピングセンターがあった。

『VINCOM PLAZA』だ。ホーチミンにはLe Thanh Ton通りにでっかい『VINCOM CENTER』があるが、その同系列の運営なのだろう。ホーチミンにあるセンターは特別な所得層の人たちや旅行者が利用するような場所だった。飲食店に並んでいるのは全て海外ブランドの店だったように思う。私はベトナムまでやって来てあんな店で過ごす気にはなれなかった。ただ駐在員たちの溜り場のようになっているのかも知れない。

このような店には警備員がたくさんいてしっかり見張っている。先ず入り口でチェックし、誰でも入れないようにしているようだ。こんな雰囲気に慣れていない私はどうも落ち着かない。ベトナムの人たちはどうなのだろうか。居心地は悪いと思うけど。若しかして犯罪の常習者でもいるのだろうか。ベトナムではスーパーマーケットでも中に見張りがいっぱいいて、レジを済ませると、警備員が近づいてきてレシートをチェックする。何とも考えられないシステムだ。

大通りを下りホーチミン像がある公園に行ってみた。3人の子供を抱きかかえるようにした黄金の像があった。ベトナム建国の父は誰からも尊敬されているようだ。


5.通りの一角、子供たちは塾で熱心に勉強していた

ホテルの方へ向かってHùng Vương 通りを歩いて、『Pho Nguyen』と言う店に入った。ベトナムではフォーは朝ごはんとして食べると聞くが、こんな時間に食べても良いのだろうか。
適当に注文したら、このような緑の野菜がいっぱい入ったのが出てきた。更にテーブルのカゴには香草が山のように盛り上げてある。客は私だけなので静かに麺をすすった。


Bà Triệu通りからNguyen Cong Tru通りを歩いてホテルへ帰る。暗い通りに店の明かりがぽつぽつ点いている。道端の店はまだ所々で開いているようだ。それでも全体的に暗く、明るい街灯がどこまでも続いている通りではない。
その中で、明々と電灯が点い建物があった。玄関が開いていたのでチョッと覗いてみると、塾らしき場所で、子供がいっぱい熱心に講義を聞いていた。ベトナム人は熱心でよく働くと日本では言われているが、勉強もよくやっているようだ。
ベトナムの平均年齢は30才程と大変若い。これらの子供たちが、将来のベトナムを大きく発展させる推進力になるのだろう。


私の泊まっている『Eden Hotel』まで戻って来ると、緑色のネオンできれいに飾られていた。
バンメトートは印象の深い町だった。公安では大変お世話になった。明日はダラットへ向けて出発だ。






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『Eden Hotel』前のNguyễn Công Trứ は比較的静かな通りで、夜は街灯も少なく暗くなる。



この両側の建物が市場になる。この向こう側の通りは路上市場になっている。



この辺りはテントやパラソルの露天が並ぶ路上市場が広がっている。



大きな太鼓が置かれた鼓楼がある。時刻を知らせるように打たれたのだろうか。



カイドアン寺はいくつもの建物が廊下で結ばれている、地域で屈指の寺院だ。



大通りに面した公園に置かれたホーチミン像。3人の子供を抱きかかえるようにしている。



Nguyễn Tất Thành通りにあるバス停をチェックしてみた。このバス停から各方面へバスの便があった。




ホテルのあるNguyen Cong Tru通り。薄暗いが所々で店が開いていて歩いている人もいる。