1  釜山は活気あふれる大都会

ガラン・ガラン・・・・しばらく錨を降ろす音が続いたあと、エンジンが止まった。午前2時30分。辺りが急に静かになった。先程まで騒いでいた学生の団体も眠ったようだ。 あっちこっちでいびきが更に大きさを増す。
ここは大部屋102号室。十数個分の寝具が備わっている。個々に自分で選んだブロックにマットを敷いてシーツをかけ毛布2枚を使って寝るのだ。

 
私にとって今回は初めてのフェリーの旅だった。釜山から北へ向ってソウルまで行き、それから南下するコースを予定している。運賃は安いし期間が自由に選べる、これも魅力だった。ただこのフェリー、閑散期はいいが、乗客が多いと寝返りうつのもままならないようだ。

午前5時30分
再びエンジンが始動した。8時入港だから未だ動いているようではない。釜山の沖合に停泊しているのだろう。起き上がって外を眺める元気もなく、まどろみながら過ごした。

辺りが急に騒がしくなった。韓国語で船内アナウンスが入る。流暢な韓国語だ。日本語はたどたどしい。洗面を終えて案内所横の甲板に出てみる。寒い。未だ船は動いてはいなかった。
すぐ近くにきれいな岩礁が見える。
入れ替わり立ち替わり写真を撮りに人がやってくる。皆あの島影をバックに記念写真を撮っているようだ。

船内では学生達が騒いでいる。レストランで団体客の朝食が始まったのか。私は昨夜、夕食にかつ丼セットを食べた。韓国食でもよかったが何故かかつ丼に惹かれた。
朝は釜山で韓国料理を食べようと思っている。だから空腹に耐えて到着を待つつもりだ。

ゆっくりと船が動きだした。影島の高層アパート群が見えてきた。山の中腹までぎっしり建ち並んでいる。見渡す限りビルだらけ、と言った感じである。随分大きな街のようだ。
102号室に戻ると、向い側の部屋で、アジュマが給湯器からお湯を持って来てカップラーメンを作っているのが見えた。まあ、急がなくても大丈夫と言う事だろう。

支度をして案内所前に行くと、エレベータで降りてくる人もいる。ルームチャージを払っているリッチな人達だ。
釜山港に入港した。船の方はすでに下船準備もできているが、税関の都合なのであろう、しばらく待たされた。入国手続きは簡単だった。空港と同じで特別な検査とかも無かった。

待合所の隅にある案内所へ行って、観光案内書と釜山・慶州の地図を貰った。入国していつも最初にやる事だ。ただこの地図、観光スポットは載っているが、途中が切れていて歩くのが目的の私にはちょっと不便だ。

国際ターミナルビルを出てリュックを曳きながら中央洞の方向に歩く。
お腹が空いてきた。早く朝食を済ませて宿探しをしなくては。大きな荷物を持っていては身動きが取れないのだ。広いい通りに出た。未だ時間が早いせいなのか、人影もまばらで店も殆ど開いていない。山側に向かって歩いて行くと40階段の所に出た。石畳できれいに整備され記念公園になっている。朝鮮戦争の当時は北軍が釜山近くまで進行して来た為に各地から避難民がここに集まり住んでいた場所だ。

裸の子供・母、疲れてぐったりしている男達、ポン菓子を作ってる人、そんな数々の銅像がある。みんな疲れきっている表情だ。
正面に見える階段の中ほどにアコーディオンを弾く男の像が見える。近づいてみると急に演奏が始まった。懐かしいようなメロディが流れてきた。この辺りに多くの避難民が住んでいて、この先どうなるか分からないまま、毎日この石段を上り下りしていたのだろう。そう考えるとこのメロディが物悲しく聞こえる。当時この辺りには路面電車が走っており、それに因んで信号も取り付けられている。

この広場の横に何軒かの食堂があった。どうやら開いている店もあるようだ。ガラス窓にいろんなメニューが書かれている。
入ってみるとお客は誰もいないがすぐ注文を取りにきてくれた。テンジャンチゲを注文した。いろんなパンチャン(おかず)とチゲ。キムチは店によってかなり味が違う。この店のは口に合わなかった。キムチはキンパッ天国のが一番いい。単純に辛く特に癖もない、そんな味だと感じている。
このチゲにはコチュジャンは入っていなかった。テンジャンの味。韓国の味噌は豆味噌だから鍋の底に大豆粒が溜まっている。小さい蟹も入っていていい出汁がでている、美味しい。特に刺激のない食事だった。

40階段を登りその上の道を右手に歩いて行く。商店も少なく人通りも少ない。時折車がやってきて砂埃が舞う。そんな道をしばらく歩いているとちょっと下り坂になった所に宿が見えた。入ってみると部屋はあると言う。PC付きの部屋が25000Wだ。かなり古そうだが何とか過ごせそうなのでここに決める事にした。早速ケーブルにマイPCを繋いでみた。OKだ。

荷物を置いて宿を出る。坂を下りると、大通りの向こう側にコリアンエアのビルが見える。少し南へ歩き中央洞駅にやってきた。ここでハナロカードを買って2万Wチャージした。でもこの駅から地下鉄には乗らず南浦洞の方へ歩いてみる事にした。

中央路ををずっと南へ歩くと大きく右にカーブし、左側にチャガルチ市場が見えてきた。アーチをくぐり市場に入ってみると凄い賑わいだ。
市場の大きな建物には入らず場外の通りを歩いてみた。左右に露天商の海産物が所狭しと並んでいる。その雑踏の中に焼き魚の店が並んでいる一角があった。
日本語のメニューも張り出されている。声がかかる。美味しいから食べていけと言っているようだ。サバ・イシモチ・太刀魚・金目鯛・さんま、とかいろいろある。
店頭には焼いたものが積み上げられているのに、まだまだいっぱい焼いている。入口でコドゥンオと言って中に入った。
先にパンチャンが並べられた後、しばらくして焼きサバがきた。あの山盛の中から一匹取ってくればいいと思うのに、焼きたてと思わせるこだわりなのか。
思ったより大きいサバだ。横に太刀魚の小さいのが添えられている。脂がのって美味しい。海の近く、魚いっぱいの市場の中で食べると格別だ。
6000W払って出た。入口のアジュマが美味しかったでしょう、と言っている。
凄い人の流れに乗って歩き、フェンスの切れ間から一般道に出た。松島方面と地下鉄に沿った方面との大きな交差点だ。
実は今回、釜山の『タルトンネ』、に行きたかったのだ。天まで届きそうな急坂に密集した家並みの中を歩きたかった。

ここから地下鉄・土城洞の方へ坂を登って行き、途中から左手の住宅地へ入って行った。どんどん登って行くと混み合った住宅が山の中腹まで延々と続いている。タルトンネは月の街と言うがほんとに月も星も近くに感じられそうだ。
昔の落語で、兄と妹が屋根の上に登って物干し竿で空をつっ突いて星を取っている、と言う話があったが、ここだと星でも取りたくなりそうだと思った。
釜山港の方がよく見える、高台だから景色はいい。カラフルな建物もきれいだ。ただこの急勾配の坂にある住宅、大通りから中に入ると徒歩しかない。厳しい生活環境だろう。ドラマでは情緒があるが生活は大変だ。
坂を登りきった所にはバス回転場があり、数人の客がベンチに座って待っている。私も疲れたのでバスで下る事にした。このバスもハナロカードが使えるから便利だ。

バスはチャガルチで降り、ロッテリアの横から映画館が並ぶPIFF広場の方へ入って行った。ホットッの美味しそうな良い香りがする。釜山にはいろんなホットッがあると釜山ナビで読んだ。パラソルにビニールシートをかけただけの店に行った。







ハナジュセヨと注文すると、そこの缶に500W硬貨と100W硬貨を分けて入れるように言われた。
そしてその横の紙カップをつぶして前に出せと言う。言われた通りすると、ホットッをカップに入れ上部にヘラで切り目をつけた。そしてそこの砂糖をスプーンでその中に入れるようにと。なあんだ、半分セルフか。久しぶりのホットッは、もちもちしていてシナモンの香りが何とも言えない、美味しい。

ここから西にポジャンマチャ(テント張り屋台)が数メートル間隔でずっと立ち並んでいる。ソルラル(旧正月)の前とは言え、平日のこの時間帯には人通りも少ない。それに不景気だ。どこも客がいないようだ。
国際市場も歩いてみた。衣料品やアクセサリーの店が多く、私はちょっと興味がない。

光復洞に出て宿の方へ歩いて行くと、釜山タワーへのエスカレーターがあった。これは便利。ちょっと上ろう。
何回も乗り継いでタワー真下の公園までやってきた。さすがに眺めがいい。忠武公の大きな銅像が建っている。観光バスも何台か入って来た。
一周して景色を楽しんだ後、東側の階段を歩いて下りる事にした。宿がそちらの方角だからだ。宿までは程良い徒歩の距離だった。
部屋に入ってPCで情報を集めた後、ベッドで少し横になっていると、山歩きの疲れもあってか寝入ってしまった。

午後7時頃目が覚めたので、夕食に出かける事にした。釜山駅の方へ歩いて行くと、上海街の近くにキンパッ天国があった。キンパッも久しぶりに食べたい。

私の好きなソコギキンパッにトッラミョンも注文した。
間もなくキンパッと漬物が出てきた。食べながら厨房の方を見ると、辛ラーメンの箱が土間に置いてあって、調理台の上には袋入りラーメンがいっぱい並べられているではないか。
この種の店のラミョンとか鍋用とかは、全部インスタント麺だと知ってはいるが、こうあからさまだと。でもこれが大変美味しいのだ。
トッラミョンは少し遅れて出てきた。餅のスライスがたくさん入っている。この餅はうるち米で作るから、温めても溶け出す事はない。食感もいい。
麺はすぐに食べると少し固いが、ゆっくり食べていると丁度よい具合になってくる。インスタント麺を知り尽くしているようだ。本当によく考えて調理していると感心する。

食後は夜の釜山駅へ行ってみる事にした。
2階に上がると、夜も遅いせいか待合所に人は少ない。帰りを待っている人だけが大勢到着口に集まっている。KTXが着く度に出口へ駆け寄って行く。そんな光景をしばらくぼんやり見ていた。

そうだ、時刻表を買おうと思っていたのだ。2階の新聞等を扱っている売店で尋ねてみたが、日本のキオスクとは違ってここには売っていないようだ。それは下の本屋さんだと言われる。
一冊5000W、これ一種類しかない。まあ選ぶ程でもないが自分の感覚とは違っていた。韓国の時刻表はひと月遅れが普通だ。今買ったのも12月号。でもこれがすぐれ物で、列車から船舶、航空機、高速バスに市外バスなど全ての交通機関を網羅しているのだ。
KTXとセマウル・ムグンファの走っている鉄道駅は駅名に漢字が入っている。今はトンイルとか鈍行のピドゥルギとかは走っていないから、通過駅が多いみたいだ。それに本数も多くないからこの程度のページ数で大丈夫なのだろう。
市外バスは便数も多く便利なのだが、多過ぎるから記載されているのは始発と最終便、それに運転間隔だ。普通に旅をしていて、市外バスターミナルからの時刻を事前に知らなくても全く問題はない。そんな事情もあってか、ここでは時刻表を買う人は交通機関のマニア位なのかも知れない。

駅を出て歩いて宿まで帰る。寒いがここからもそんなに遠い距離ではない。
宿に着いて部屋に入っても大して暖かくはなかった。ただベッドだけはヒーターが効いてて温かい、オンドルのようだ。ちょっとシャワーを浴びてベッドに横になっていると、すぐ眠ってしまった。
フェリーの中ではよく眠れなかったし、今日は随分歩いた。夜中ベッドが熱くて何度も目を覚まし温度調節したり、何度も寝返りうったりしながら、うつらうつら眠った。


2  1DAYPASSで地下鉄駅を駆け巡る

8時に起きた。朝は体が温まっているいるせいか寒くは感じない。この宿、部屋のオンドルは切ってあって、ベッドのヒーターだけで暖めているみたいだ。立っていると床が冷たい。

宿を出て釜山駅へ向かった。途中、駅近くに中華街がある。ここでは上海街と呼んでる。ちょっと中を散策してみる事にした。
上海門をくぐるとずらっと赤い感じの建物が続いている。中華レストランや雑貨店が軒を連ねているようだ。
北は仁川、南はここなのか。外国にいるのに何か変にエキゾチックさを感じてしまう。中華街はどこへ行っても何故か惹かれるものがある。
アーチの辺りから反対側はロシア街になっている。ロシア語の看板が見える。


釜山駅前まで歩きダンキンドーナツ(던킨도너츠)に入った。店は開いていたが未だ準備の真っ最中だ。さすがファストフード店、接客はきっちりしている。食堂のおかみとはだいぶ違う。マニュアル通りの応対に満足する。ベーグルとカフェラテを注文した。
ここでしばらく歩き方と地図を見ながら今日の行動計画を練る。朝のコーヒーは格別だ。食べている傍では先ほどの従業員が辺りを片づけたり掃除をしたり、ちょっと落ち着かない。やはり未だ開店前だったのか。

地下鉄1号線、釜山駅で1daypassを買う。いろんな駅で降り、辺りを散策したいと思っている。このチケットが安くてとっても便利なのである。改札はスムーズだし何度乗り降りしても3500Wだ。
電車に乗る。平日のこの時間帯だから客は少ない。座ると布張りなのに何故か固いがヒーターは入っている。釜山の地下鉄、主な駅は4ヶ国語で車内アナウンスがされる。韓国語、英語の次が日本語、中国語と続く。

随分前にソウルからちょっと郊外へ出てみようと、セマウル号で天安まで行った事がある。何も考えずにただチョナンと言う響きがいいだけで決めたのだが、何番目の駅で降りればいいのか気にもしてなかった。どこを走っているのか凄く不安に思ってた時”次はチョナン、チョナンでございます”と車内放送が日本語で流れたのだ。
あの時はすごく感激したし有難かった。その当時、韓国語はチンプンカンプンだった。


釜田(プジョン)駅で降りる。国鉄釜田駅と釜田市場を見ようと思っている。地下鉄駅を降り、前の方に進んで行くとデパートの中に入ってしまった。店を横切りフードコートの前を通って、やっと地上へ上がる事ができた。

国鉄駅に続く大通りの向い側には、露天商がたくさんいる大きな市場が広がっていた。歩道いっぱいに果物・穀類・海産物が並べられている。みんな元気だ、活気がある。
道路に面して市場への入り口が何ヶ所かある。中はやはり迷路だ。ソルラルの前でもあり、りんご、梨、みかん、干し柿とかが多い。進物用の箱売りも山積みされている。市場の中を通り抜けて国鉄駅へ向かった。

国鉄は京釜線(ソウル~釜山)以外は全てここからの発着となる。どんな凄い駅なのか見たかったのだ。通りに面したエスカレータを上ると、線路を跨ぐ長い通路になっていてその中間に駅待合室と出札所がある。
路線は多いが運行本数がそんなに多くないので、混み合ってはいなかった。学生らしきグループがいた。中央通路にはハラボジ(お爺さん)が座ってタバコを吸っていた。私は自販機で紙カップのコーヒーを出して飲んだ。
のんびりしている。市場の喧噪が嘘みたいだ。なかなか列車が来ないので、何枚か線路の方の写真を撮って駅を後にした。

次は1号線北端駅の老圃洞(ノポドン)へ向かう。高速ターミナルと東市外ターミナルが合体した総合バスターミナルがある。明日はここから出発するのでちょっと見ておきたかったのだ。

地下鉄を降りて前に進みエスカレータで上がると広い待合所と出札所がある。さすがに全国に出かけられるターミナルだ。風格がある。
高速が手前で市外が向こう側の配置になっている。高速の時刻案内と料金の電光掲示板がきれいだ。上が優等(ウードゥン)下が一般(イルバン)で表示されている。
慶州へは市外の方へと張り紙が出ている。利用者が多いのだろう。市外側に行ってみると、こちらにも貼り紙があって慶州4000Wと書いてある。

バス乗り場はこの下のようなので降りてみる。凄く長いプラットフォーム。こんなバスターミナルは初めてだ。
一列で整然とバスが並ぶ。ソウルの高速ターミナルもこんなに広くは感じなかった。バス乗り場に沿って室内側には食堂や土産物店、コンビニ等が並んでいる。これで明日は迷う事なくバスに乗れそうだ。とても満足してターミナルを後にする。

次は釜山大学駅で降りた。
駅から真直ぐ大学の方に向って歩いてみた。携帯電話の店がやたらと多く、すぐ声をかけてくる。洋服の店も多いようだ。さすがに学生風の若い男女がたくさん行きかっている。
正門辺りまで来ると大学の新築があるみたいで、工事中になっており雑然としている。左側は何やら、屋台の店が集まる一角になっているみたいだ。
一つ南の通りを駅の方へ引き返す事にした。狭い通りに洋服やアクセサリーの店がひしめいている。ファッションを競うように、店頭に洋服を掛けたハンガーが並ぶ。安いみたいなのだが私は全く興味がない。食べ物の店も多い。こじんまりした学生の街だ。

駅まで戻ると、大学生らしき女性に声をかけられた。児童何とかの寄付を集めるボランティアだ。私が日本人と分かると日本語に変わった。その方は日本人だと言う。実は昨年、全州のバスターミナルで同じような人に説明を受け、その時は寄付をしハンカチを貰ったのだった。
その旨の事を話すとすぐ分かったみたいで、バスターミナルですか・・と言ってハンカチも見せてくれた。
それで、今回は辞退させていただくよう言って、そそくさと駅へ入って行ったのだった。

1駅乗って東莱の温泉場駅で降りる。お腹が空いてきたので駅構内のプンシクで食べる事にした。ラポッギを注文。ラミョン+トッポギで焼きそば風の食べ物だ。
甘辛い。野菜にウインナー、餅、うずらの玉子が入っている。麺はやはりインスタント系だが、少し硬いめで美味しい。

駅と連結した大きなビルを通って温泉場の繁華街の方へ向う。想像していた日本の温泉町のような雰囲気ではない。多くのビルに温泉の看板が出ていて、スパと書かれている。ホテルも多いのだろう。
足湯場を探したが見つけられない。近くに市場があって露天の店がたくさん出ている。野菜や果物が多く、もう見慣れた街の風景だ。
車にみかんとか梨の箱を積んで売っている行商もいた。スピーカーの大きな音で集客している。道も狭くごみごみしている。どこへ行けばいいのかよく分らなかった。
この辺り、ずっと地下鉄(地上部分)の高架下が、ソウルの清渓川のようにきれいに整備されていた。ジョギングしたり歩道としても使われているようだ。
韓国は河川がよく整備されていて、他の都市でもこのような風景を何度も見かけた。

次は西面(ソミョン)で降りる。釜山の代表的な繁華街だ。西面ロータリー下から中央路を南へ、また西と北東へと地下街が伸びている。小さい店が延々と続いていてかなり賑わっている。寒い時期はこんな地下の商店街がありがたいのだろう。
今度は地上に出て、西面市場辺りから屋台街を歩いてみた。屋台と食堂が並んでいる。この辺りには、テジクッパの店が多いうまいもの横丁がある。もう一度来るつもりだ。薄暗くなって少し寒くなった。

その後、凡一洞駅、新平駅で降り駅前を散策した後、南浦洞まで戻って来た。
光復路へ出てルミナリエの道を歩く。クリスマスは終わったが、ソルラルの前だからか華やかな光のアーチが延々と続いていてきれいだ。
やはり釜山はこの辺りがおしゃれな店も多く、国際市場などもあって観光客が最も多いようだ。歩いていても楽しい。ミシャに入ってみた。韓国コスメは安いし品質も良さそうなイメージがある。コスメの店は多い、よく目についた。他には、ザ・フェイスショップ、スキンフード、イニスフリーなどだ。

チャガルチのゲートを入り、夜の場外市場を歩いてみる。客はかなり少なくなっていた。明かりに照らされ、最後の呼び込みをしている。テントの店ではすこしづつ片づけ始めているところもある。だいぶ歩いて疲れた。お腹も空いてきた。

ゲート近くの食堂に入った。新聞を読みながら食事をしている人の横のテーブルに座る。サラリーマン風だ。韓国では食器を持ち上げて食べるのは良くないとされている筈だがこの人、クッパッの器を持ち上げそのままジュルジュルと汁をすすっている。不思議な光景を見てしまった。こんな人もいるんだ。

少し待ったが注文を取りに来てくれない。大きな声で、テジクッパッって叫ぶと、無愛想に、水の入ったポットとコップを持ってきた。

アミの塩辛とコチュジャンなどで味を調えて食べた。トレーに乗っているハサミは何に使うのだろうか。まさか豚肉を切って食べるとでも言うのか。あっさりしたスープにご飯と蒸し豚が山盛り入っていてとても美味しい。だがちょっと量が多い。

釜山ではテジクッパッの店はたくさん有るようだ。やさしい味なので辛い料理に飽きた時に食べるとホッとする味かも知れない。それに庶民の食べ物なのか、安い。
お腹もいっぱいになり、地下鉄で釜山駅まで行って、歩いて宿へ帰った。今日もかなりの距離を歩いた。





まだ少し薄暗い中、関釜フェリーまもなく釜山港へ入港。













40階段前の記念公園(中央洞)。朝鮮戦争当時、難民が溢れていたのだろう。この時代を生きた韓国の人々にとって思い出深い場所に違いない。












ソルラル前、買い物客で賑わうチャガルチ市場、後方には薄っすらタルトンネが見える




土城洞から登ったタルトンネ。昔ながらの建物も多く、家の間には隙間がない。
タルトンネは高台にある低所得者の住む古い住宅地。もともと屋根が破れて中から月が見えると言う意味らしい。でも私の見た限り、ここは貧しい雰囲気などなかった。むしろ景色がいいのでおしゃれな建物も増えてるみたいだ。タルは月の意味。




釜山の繁華街の真ん中、PIFF広場付近。たくさんの屋台が並ぶ。







キンパッ天国のメニュー。キンパッ以外にもラミョンからマックッス、チゲまで何でもある。ソコギキンパッ(牛そぼろ入り)がお気に入り。




釜山駅の2階の案内と切符の処理をするカウンター。













外国人街の入り口に建つ上海門。この中には、中華街とロシア街がある。




釜田市場の雑穀を売る店。この市場は大きな建物の中以外にも、このように道路脇一帯にも店がある。






国鉄釜田駅から蔚山側を見る。京釜線以外は全てこの駅から出発する。






釜山大学駅前。この前の通りを真っ直ぐ行くと大学だ。ずっと商店街が続いている。



南浦洞、九徳路から見た釜山タワー。ライトアップされてきれいだ。


光復路。南浦洞PIFF広場近く、光のアーチが続いている。


夜のチャガルチ市場。買い物客も一段落でひっそりとしている。魚を照らす電球が眩しい。


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