蘇州・無錫・紹興・上海を巡る旅  
小籠包発祥の地、南翔鎮へ
第7日目  7月27日

1. 豫園へ、そして南翔饅頭店へ

朝になり、9時頃目が覚めた。「こんな所で眠れないかも」、と言っていた娘は、孫娘と一緒に爆睡中だ。TVはついたままになっていた。
ゆっくりもできず、洗面を済ませて招待所を出た。上海駅の方へ歩いて行くとマクドナルドがあった。久しぶりの朝マックしよう。
席につくとやっと自分たちの世界に戻った気がした。マフィンを食べながら、しばらく動きたくない状態だ。

上海駅からは、地下鉄4号線で海倫路駅まで行って、10号線に乗り換え豫園(Yuyuan)駅へ向かう。
この一角は、租界時代、中国の中の中華街と言われるような歴史を経てきた。道教の廟もあり、市民の信仰の中心でもあったが、今や、上海でも一番の観光地になったようだ。
豫園商城の賑やかな路地を歩き、写真を撮りながら曲がりくねった九曲橋を渡る。


橋を渡り広場へ出ると、外国人だらけだった。勿論、私たちも外国人だが、欧米系の人たちが目立っていた。この後はと言えば、やっぱり気になる南翔饅頭店だ。
ここのテイクアウトは時間でメニューが変わる。開店の10時から11時までが豚肉入りの小籠包、それ以降は蟹粉入りになる。16個で20元。
開店してすぐは蟹粉の用意ができないのだろう。蟹の作業風景は映像で見た。看板商品みたいに紹介していた。それと、ここの小籠包は皮が薄くて美味しいとかも聞いた。
窓口へ並んだが、そんなに待たされる事はなかった。ただ、蒸しあがったセイロが終わると、次のセイロまで少し間がある。
先ずはレジで支払いすると小さな紙切れをくれ、それを持って待つのだ。受け取り窓口では左手にセイロを持ち、右手にスチロールの容器を持って、器用に移し替えているのが見える。
黒酢のたれをかけて箸を貰う。すぐ前にちょっと座れる場所があった。
思っていたより皮が厚い。端っこを少し噛んで中の肉汁を吸う。そしてがぶっと一口で食べた。
寒い時期だと美味しいのだろうけど、ちょっと感激が少ない。それに鼎泰豊のと比べると皮が厚いのだ。水餃子の感じがした。先ほどの、朝マックから時間も経っていない。ただ、この辺りの雰囲気は最高にいい。本場、上海で人混みの中を並んで、有名店の小籠包を食べているのだから。3.人で一皿だが、ちょうど良かったようだ。
ただこの後、小籠包発祥の地、南翔鎮へ行く予定がある。そして、何軒かをはしごしようとしているのだ。

食べ終えて豫園商城の中を散策した。中国独特の物から観光地に多いような物まで、人の数も多いし店も多い。
氷のデザートが目についた。喉も乾いている、冷たい物が美味しそうだ。すぐ前に行って注文したら、チケットを買うよう言われた。タイでよく食べたルアムミットやベトナムのチェーの類だ。氷の中にフルーツや穀類が入るが、それは選べるようになっている。私はこの種の物は、鼻でさがし当ててしまうほど好きだ。日陰をさがして食べた。体の中から涼しくなっていくようだ。
しばらく休んだ後、再び商城の中を散策した。冷気が流れ出してくる店の方を選んで歩き、ヒスイの店やお菓子の店の前で足を止める。
そうこうしながら歩いていると、上海老街の通りに出た。
上海老街にはみやげ物の店が多い。「あなたの名前書きます」の花文字や、金山の農民画、墨絵、それに仏具、など美術工芸品や骨董の店も多い。この通りは両側に2階建ての同じような建物が並んでいて、歴史を感じさせる趣がある、大きな門まで800mの通りだ。ただ、商城の中みたいに人の数は多くない。


2. 小籠包発祥の地、南翔鎮へ

豫園の南翔饅頭店で有名な小籠包を味わった後、今度はルーツをたどって、小籠包発祥の地と言われる南翔(Nanxiang)へ向かう。
地下鉄豫園駅まで戻り、再び10号線で南京東路駅まで行って、2号線に乗り換え江蘇路駅へ。そこから更に、今度は11号線で嘉定区の南翔駅へと向かう。
地下鉄が地上を走るようになって、ずっと外の景色を眺めながら思い出していた。メモを忘れてきたので記憶をたどっている。確か、駅から真っ直ぐ古猗園の方へ歩くような説明だった。そうすると南翔鎮に小籠包の店がいっぱいあると言う事だった。
プラットホームから眺めると、庭園の緑が見えた。そしてあの方向と目安をつけておいた。
地下鉄駅のエスカレーターで地上に下りると、端の方に数台分のバスターミナルがあった。どうも南翔1路のバスが古猗園の方向らしい。
バスの中では娘が周りの人たちに場所を聞いている。そして、たった2つ目の『古猗園』で降りた。聞く必要もなく、辺りには赤い看板の小籠包の店がずらりと並んでいる。古猗園はと言えば、交差点の角を曲がった所に入り口がある。そして、そのすぐ横が小籠包の店になっていた。
詳しく知らない私は、一旦、小籠包の店がたくさん並んでいる方へ戻る。厨房の方は窓が開け放たれていて、中の様子がよく見える。その中の一軒に入った。メニューは小籠包2種類とスープ類等、南翔小籠20個25元、蟹粉小籠10個20元だ。
豫園で蟹粉小籠を食べたばかりなので、ここでは南翔小籠の方を注文した。どこで食べても、蒸し上がるまでにはしばらく時間がかかる。
セイロに入った小籠包が運ばれてきた。黒酢のタレを付けて食べた。超本場で食べていると思うだけで、とても美味しく感じる。
ただ、美味しいのだが、何軒もはしごする程お腹が空いていない。発祥の地で食べた、と言う事で満足したとしよう。この店のすぐ横に楕円形の門があり、横に、『明代園林古猗園・南翔小籠発源地・創始1871年』と書かれていた。やはり、先ほどの古猗園の入り口の店が発祥店のようだ。
南翔鎮のこの通りには、個性豊かな小籠包の店がたくさん並んでいる。その厨房には蒸し器が置かれ、セイロが互い違いにして高く積まれている。
小籠包を食べた店で、娘が老街の場所を聞いてくれていた。小籠包の店が途切れた所から、次は南翔古鎮(NanxiangGuzhen)へ向かう事にした。



3. 南翔古鎮へ

南翔の商店街(民主街)を駅と反対方向へ歩く。橋まで行って曲がり、水路の横を少し歩くと大きな橋(太平橋)が見えてきた。それにしても
暑い、かなり歩いたようだ。
やっと太平橋と言う弧を描く大きな橋に出た。この先の路は老街の雰囲気だ。赤い提灯と、黄色の縁取りのある赤い旗がいっぱい出ている。この太平橋の下には案内板があり、日本語でも書かれていた。この橋を向こう側へ渡ると、右側(共和街)と、真っ直ぐ伸びる路(人民街)に別れている。どちらも老街の雰囲気だ。

人民街の店を見ながら歩いて行くと、広場に小ぶりな塔があった。その向こうは大きなお寺になっている。ここで引き返して中程まで来ると、娘が、「折角だからこの小籠包の店にも入ってみよう」、と言う。確かにここも南翔、古鎮の通りにも小籠包の店が何軒もある。少し趣のある”長興楼”と言う店に入った。テーブルで座っていたのは店の人のようだ。注文をすると一人が厨房へ消えた。

スーパーのチルド食品売り場で売っている、餃子とか焼売のように半調理済みかと思ったら、どうもそうではないみたいだ。セイロを持って出てくるまでしばらく時間がかかった。さあ食べようと思ったら、何とそれを持って店の外へ出て行ってしまった。蒸し器がそこに設置されていたのだ。出石の皿そば程はかからないものの、たった一セイロにかなり手間がかかっているようだ。
老街の店はどこも古風な感じに再現しているので、とても雰囲気が良い。それに、この人民街MOUSE に沿って水路があって、いい景観も楽しめる。バス通りの民主街も平行に走っているから便利だ。
そして、ゆっくり散策した後バスで南翔駅まで戻った。



4. 上海の淮海中路まで戻り蛋撻の店へ

曹楊路駅と虹橋路駅で乗り換えた後、地下鉄10号線の陜西南路で降りた。街路樹がうっそうと茂る大都会の真ん中とは思えないような通りを歩いた。淮海中路にある人気の蛋撻の店『莉蓮蛋撻餅屋』へやってきた。この店は市内にいくらでもあるから、別にここでなくてもよかったのだが。数人が買い物中だった。もう店の外まで甘い香りが漂っている。エッグタルトとチーズタルト両方買った。蛋撻3.8元、芝士蛋撻3.8元。全部で12個買った。
焼きたてをすぐ食べるのが美味しいらしいのだが、この通りの雰囲気ではない。帰って皆で食べよう。客足が途絶える様子も無い人気の店では、どんどん焼き上がって出てくる。
淮海中路を歩いて行くと、吉野家があった。『台式肉燥飯+草本涼茶、現价16元、原价24元、省8元』、と出ていた。娘はブティックに興味があるらしく入って行った。
陜西南路駅から、何度か乗り換えて虹橋駅まで帰ってきた。切符を買った後、すぐ食事をするMOUSE 事にした。すでに今日も20時30分になっていた。




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さすがにこの店の前は混んでいる。行列で並び、レジで支払いを済ませ小さな紙切れを貰って、蒸しあがるのを待つ。


冷たいデザートや色んな串に刺した肉類等を売る店。先に、中央の售票処でチケットを買うよう言われた。















小籠包発祥の地と言われる南翔鎮には、多くの小籠包の店が軒を並べている。

















南翔古鎮の通り。平日のこの時間帯は人影はまばらだ。趣のある老街だが店数はそう多くない。

南翔古鎮の小籠包の店”長興楼”。店内の厨房で作り店先の蒸し器で蒸しあげる。


上海虹橋駅で、小吃から今度はご飯を食べる。