メ コ ン の 流 れ と と も に 33 | |
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1.タウンバスに乗りマラッカセントラルへ ホテルの部屋からは雲が多そうに見えたが、この時間になると日差しが強くなって、しかも蒸し暑い。Jl.TukangEmasをオランダ広場に向かって歩く。道端のタクシーが乗らないか気にしている、クラクションを鳴らす車もあった。 マラッカ・セントラルからは観光客もタウンバスでオランダ広場までやって来るが、ここからバスターミナルまで乗って行く人は殆どいないようだ。私一人がじっとバスを待っていた。ちょうど少ない時間帯なのかバスは全く来ないし、車の通行も少ない。 近くでトライショーのおじさん方が暇そうにしている。平日では、そうそう客もいないのだろう。 やっと来た17番バスに乗って、マラッカ・セントラルと言った、RM1.5、(向こうからはRM1)だ。小さなワンマンバスなので通路がかなり狭く、リュックがイスにかかって通れない。高く持ち上げて何とか空いている席まで行った。 このバスは循環バスなので一方方向へしか進まない。クルーズ船乗り場から新市街のショッピングセンターの前を通って、東側の住宅地をぐるりと回った。乗客は地元民だけのようだ。観光客が乗らないのも分かるような気がした。でも私はこれで十分だ。急ぎもしないし、こんな場所を走るのは面白い。しかも、あるバス停では時間調整なのか、一旦の区切りなのか、しばらく停車してしまったのだ。 辺りを回ったバスは、オランダ広場の北側にあたるJl.MunshiAbdullahとJl.Kubuとの交差点に出た。昨日歩いた道で、見覚えがあった。ここだと宿から歩けば10分程の場所だ。それを東の方へ走ってわざわざ住宅地を循環してきたのだ。 北へ向かってしばらく走ると、ジャスコの大きなショッピングセンターが見えてきた。テスコよりはるかに大きいようだ。その横を通り過ぎると、まもなくマラッカ・セントラルだ。 近郊バス乗り場から長距離ターミナルへ行った。半円形にカーブし各バス会社のチケット売り場が並んでいる。窓口には時刻表が貼られ、次の出発便の時刻を書いたカードが出ている。クアラルンプールへはバス会社を選ばなければ30分間隔で便がありそうだ。 一応調べて置いて食堂街へ向かった。どの店も辛そうでこってりした料理ばかりに見える。仕方なくインド料理店に入った。ぐるりに貼られたパネルを見渡した。プレートにご飯とおかずが載っている写真のものを注文する。店の男の子は言葉が全く通じないし、言ってる事も分からない。食事が決まれば次は飲み物を聞かれる筈だ。冷蔵ケースの中のレモンの絵の付いた缶を指さした。 料理はすぐに来た。カレーは甘いようでかなりスパイシー、鶏肉は辛くもなくそれなりに美味しいが骨付きで食べ辛い。ピーナツと小魚をを油で揚げたものがカリッとして香ばしく美味しい。ご飯はタイ米の箸にかからない代物だ。このメニュー、どう見ても手で掴んで食べた方が良いような気がする。フォークとスプーンに合っていない。マレー人はカレーをほんの少し付け、ご飯を指で器用に摘んで固めて口へ運ぶ。そんな食べ方を思い出した。 食事を終えてバスターミナルへ戻り、適当なバスをさがした。バス会社によって料金が違うのは、バスの大きさやシートなどの違いだ。 半円形にぐるりと歩いて会社別の出発時刻と値段を調べてみた。RM9からRM12.20まである。私は12時発のRM11を買った。値段がちょうど中間のバスだ。 行き先はいっぱいあるが、下りのシンガポールと、上りのクアラルンプールを中心に運行されているようだ。 30分位時間があった。待合室のイスに座っていると、男の子が話しかけてきたが分かり難い英語だ。 17番プラットホームに赤いバスが着いた。そして、そのすぐ隣に断然違いが分かるデラックスなバスも入って来た。これがRM12.20のバスなのか。そのバスはドアを開けて乗客を乗せ始めたが、私が乗る『DELIMA』の赤バスは、運転手が鍵をかけどこかへ行ってしまった。そして5分前になりやっと乗る事ができた。乗客は10人程度。定刻より5分遅れて発車した。 2.ピカピカのクアラルンプール新TBSバスターミナル 高速道路の周りはずっと、どこまでもパーム椰子のプランテーションが続いている。一瞬、椰子畑が見えなくなると日本の山間部の景色とさほど変わらない。山の中を走るから、殆ど人家を見かけない。所々に日本のSAと同じような施設がある。片側3車線の快適な道路がクアラルンプールまで続いているのだ。 マレーシアの経済政策は巧みだ。工業化も進んでいるし、農業もパーム椰子やゴム、ラワン材などがあり、石油や錫などの地下資源も豊富だ。この国ではあまり貧しさを感じない。家も道路もそれなりにきれいだ。車も多く、バイク中心のベトナムとはかなり違っている。 高速道路からの景観もすこぶる良い。樹木の植え込みもきれいだ。 高速道路を下りて、しばらくするとピカピカのTBSバスターミナルに着いた。 周辺はまだ十分開発されていないようで、建物も少なく空き地が目立つ。各プラットホームから2階へはエスカレーターで上るようになっている。空港のようだと誰かが言うように、広い空間に各社のチケットカウンターが並び、正面には出発案内の大きなパネルが掲げられている。このターミナル内には商業施設も充実していて、ファストフード店やレストラン、それに3階には広いフードコートもある。 何たって新しいからどこもピカピカなのだ。 しかも、ここから市内への乗り継ぎも便利になっている。KLセントラルへはKTMコミューターやKLIAエクスプレスがある。LRTはスリ・ペタリン線が通っているから、HangTuahまで行ってモノレールに乗り換えればブキッビンタンへも行ける。そしてこれらの鉄道駅とは陸橋で結ばれているのだ。この鉄道駅は『BandarTasikSelatan』、だ。 タイもマレーシアも、鉄道駅での乗り換えがとても不便だ。各線が独自の駅を作っているから交差点にも駅が殆ど無いのが現状だ。 ところがこのTBSバスターミナルのように、各線との連絡を考えて作られたターミナルが出現したのだ。 バンコクでも最近は空港特急のマッカサン駅がMRT駅と接続したり、改善されつつあるがまだ一部だ。 ターミナルビルの2階と3階をくまなく見て回った後、陸橋を渡ってKTMコミューターのバンダラ・タシク・スラタン駅へ行った。 私はKTMコミューターが好きで、KL滞在中はよく乗っていた。安いし郊外へ出かけるのにはとても便利なのだ。 自動改札も徐々に進化してきているようだが、KTMのチケット販売機は昔のままだった。その点ラピッドKLの方はかなり改良されている。 3つの路線で殆どの客はKTMへ、一部がLRTへ、KLIA線へは誰も行かなかった。 KLセントラルに着いた。ここで少し両替をした。この両替所はレートがボードに表示されているからよく分かるし、比較もできる。 その後、すぐ1階に下りて、工事中の埃の中を歩きモノレール駅へ向かった。モノレールはインビ駅で降り、チョッとタイムズ・スクエアに入る。少しぶらっと歩いて、マックに入った。絶叫が響き賑やかだ。ジェットコースターが落下するのを見ながらアイスクリームを食べた。しばらく休んで宿へ向かった。 3.『新峰肉骨茶』でバクテーを食べる チェックインをして荷物を置いたらすぐ出かけた。この近くでバクテーを食べようと思っているのだ。 バクテーの店、『新峰肉骨茶』(SunFongBakKutTeh)はインビ通りから少し入ったMedanImbi通りにあり、この近辺には同じような店も並んでいる。隣の店もバクテー、『阿喜肉骨茶』、の店だ。 ちょうどアイドルタイムなのか席は殆ど空いていた。外との仕切りのないオープン席に座ると、メニューは写真付きのを持ってきた。その中からバクテーと、ご飯も注文。大小はあるのだろうが一人なのでと言えば分かったようだ。そして飲み物を聞かれた。 普通はビールとか言うのだろうけど、私は向こうの冷蔵ケースに置いてあるカットフルーツが気になっていた。そこのスイカとパパイアの盛り合わせを貰った。 料理が出てくるまでしばらく時間がかかり、スイカを食べながら待った。土鍋に入ったバクテーを持ってきた店の男性に、食べ方を聞いた。 鍋からお玉でスープと肉(豚肉と内臓)をピンクの椀に取った。小皿には刻んだニンニクと輪切りの唐辛子を入れ、そこに醤油と黒いどろっとしたものを加えタレを作った。そのタレに肉をつけて食べるのだと言う。 ご飯はパサパサ、漢方薬っぽいスープをかけた。体には良さそうな味だ。内臓はコリコリして食感は良いがあまり好きではない。スープをかけたご飯は美味しい。何度もお玉でかけて食べた。 バクテー(小)はRM15.50、ご飯RM1.50、フルーツRM4.50だった。暑い所で熱気と鍋の熱を感じながら食べるのも、意外とうまいのだ。 それに、バクテーはチャイナタウンのものと思っていたが、あちこちに美味しい店はあるようだ。 4.スリアKLCCへ続く便利な歩道橋 Jl.GadingGrenierを通り、スターヒルギャラリーの横からブキッビンタン通りへ出ると、かなり賑わいがあった。その通りの向こうには巨大なショッピングセンターのパビリオンがある。トンネルのような通りに入ると、お洒落な空間が広がっていた。カフェがたくさん並んでいるようだ。かつてのLot10とかブキッ・ビンタン通りや、タイムズ・スクエアの辺りの賑わいが、こちらに移ってきたような雰囲気だ。ここはオフィス街も近くビジネスマンの通行も多い。 ぐるっと回ってみたが、私には特に興味のある店はなかった。 その先には新しく歩道橋ができていた。ここからツインタワーの建っているKLCCまでへは、モノレールに乗ってBukitNanas駅で降りアンパン通りを歩いたり、そのままレールの下を歩いたりしていたが、何とも便利になっている。 エアコン付きの歩道橋は、曲がりくねりながらもKLCC公園の近くまで延びていた。道路のように信号がある訳でもないし、雨の心配もなく、実に快適な道だ。所々に下り口がありエスカレーターが設置されたいる。 私はこの歩道橋を歩くのは初めてだったので、どこに繋がっているのか分からず歩いていた。そしてその終点で地上に下りると、コンベンションセンターの所に出た。すぐ前にKLCC公園とツインタワーが見えた。未だ直結はしていないが将来的には繋がりそうだ。 雨が少し降ってきたので足早に歩いていると、しっかり大粒が降りだしたので、慌ててスリアKLCに走り込んだ。 平日なのにかなり混んでいる。ぐるっと回ってみる。ユニクロに伊勢丹、紀伊国屋と並ぶ。以前、何度か食事をしたフードコートにも行ってみた。4階の奥の方東側にある。席がいっぱいで通路が分からない程だ。 外に出てペトロナス・ツインタワーの前に行った。雨が降っているのに数人が写真を撮っていた。ビルをバックにしたお決まりの写真だ。 夜のこのビルは特にきれいだ。銀色と白色の光に輝いている。自然にカメラを向けてしまう、そんな魅力がある。 アンパン通りを早足で抜けて、BukitNanas駅からモノレールに乗った。ブキッビンタン駅で降り、すぐLot10に入った。お目当ては伊勢丹スーパーの前にあるフードコートだ。 雨で客は少なめのようだが、それでも通路が狭い事もあってそれなりの賑わいがある。しかもここは気取りのない庶民的な雰囲気がいいのだ。伊勢丹のスーパーは広くはないが適当に買い物ができるのもいい。 かき氷の店に行った。吊るした写真入りのメニューには番号が付いているから注文し易い。8番を選んだ。氷の中にフルーツやピーナツ、ゼりーがいっぱい入っていて、カラフルな蜜がかかっている。 そこからブキッビンタン通りを歩き、一つ北側のジャラン・アローの屋台街も覗いてみた。雨が降っているので、店の前に設置されたテントの中で盛り上がっていた。肉を焼く煙が漂ってくる。再び雨脚が強くなってきたので、急いで宿へ帰った。 Topへ 前へ ◀ ▶ 次へ |
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