メ コ ン の 流 れ と と も に     35
ラワンを散策、KLより帰国
マレーシア Ⅱ 5   2月19日 (日)
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1.KLセントラルで荷物を預けラワンへ

帰国は明日8時20分の便だが、早朝ここからKLセントラルまで行ってバスに乗ろうとすれば、4時には出ないといけない。3時に起きるとしても、寝過ごしたりすると大変だ。それに多分眠れないと思うので、深夜にLCCTへ行って待つ事にした。LCCTとKLセントラル間のバスは24時間ほぼ切れ目なく動いているし、空港で夜更かしするのは何の抵抗もない。

昔先輩から、旅先で駅のプラットホームで寝た、とか武勇伝を聞かされた。私もやってやろうと思い、わざわざ熱海駅まで行き、プラットホームのベンチに新聞紙を敷いて寝た。深夜になると貨物列車がひっきりなしに警笛を鳴らしながら通過して行く。カシャカシャ、トットット・・と鳴る車輪の音と、ピーと鳴らす音とで眠れなかった記憶がある。

9時30分にチェックアウトした。外は曇っていて、時折雨粒が落ちてくるあいにくの天候だ。
今日は長ズボンにしていた。空港でも飛行機の中でも、エアコンがよく効いているだろうし、関空に着けば真冬の寒さだ。
私はこの旅の間は短パンで過ごしたが、何故かこちらの人が短パンをはいているのはあまり見かけない。

インビ駅からモノレールでKLセントラルへ向かう。モノレールのKLS駅から横断歩道を渡り、工事で埃いっぱいの地下を通らなければならない。

KLセントラルの荷物預かり所にはコインロッカーもある。ただサイズが小さくて、荷物を入れてみたらダメだった。窓口へ預ける事にしたのだが、ここは営業時間が22時30分までだ。その時刻に間に合わなかったら、明日の飛行機には乗れないって事になる。小RM3,大RM5で、私のリュックは5リンギットだった。

今日は久しぶりにラワンへ行こうと思っている。昨日は海へ行ったから、今度は山の方にある町だ。
プラットホームの3-4へ下りると、辺りは薄暗い。階段の場所だけが上から差し込む光でチョッと明るい。それにしてもホームには何もない。売店とまでもいかなくても、飲料の自販機くらいは置けばいいのにと思う。
KLセントラルのKTM駅には2路線が乗り入れている。運転本数は多くないので、みんなのんびり話しながら待っている。1-2番線はKTM長距離用のホーム。3番線がBatuCaves、4番線がRawang,5番線がSeremban,6番線がP.Klangになっている。KTMの駅ではプラットホームに駅名を大きく表示しているが、次の駅の名前は表示されていない。
女性専用車にしてもそうだが、多民族国家は何かと難しい点も多い。先ずは宗教だ。牛と豚、これを軽く考えると大変な事になる。かつて味の素がその被害を被った。街にはコーラン(?)が大音響で鳴り響く。私はこれに気付くまでは、おじさんが竹竿でも売り歩いているのかと思っていた。


2.インドの甘そうなお菓子を食べてみた

ラワン駅に着いて、坂道を少し登ると広い通りに出た。夏に来た時は、道端で荷車にドリアンを山積みにして売っていた。右側の道を進むと商店街になっている。
お腹が空いていたので、インド人の食堂に入った。『RestoranRawangSpiceHouse』、Indian/PunjabiFood&Sweets、と書かれた店。入り口にはガラスケースに甘そうなお菓子が並べてあり、その先にはおかずがバットに入って何種類も並んでいる。こちらはかなり辛そうな色をしている。
入り口付近にはレジがあり、店主らしき人が座っていた。おかずを選んでいると、浅黒い女性がやって来て注文を聞いてくれた。
先ずご飯とナン、唐揚げ、野菜を入れて、その上にあまりスパイシーでないルウをかけてもらうよう言った。先に入ったおじさんの真似をしてみたのだ。飲み物は豆乳と言うと、グラスに氷を入れて持ってきた。
ンド人客が次々にやって来る。そして手洗い場に行ってきれいに洗っている。私もすぐ手を洗いに行った。フォークとスプーンを出してくれたが、右手で掴んで食べる。私は慣れない手つきでゆっくりと食べているのだが、近くのインド人を見ると何とも早技だ。ご飯を手で掴むと凄く速いスピードで丸めて口へ運ぶ。
苦労しながらも全て平らげた。手はべとべとになってしまっている。
その後で、あの甘そうなお菓子の所へ行って店員のおばさんを呼んだ。そして上の段のお菓子を3種類だけ指さした。
バトゥ・ケイブで美味しそうに見えたこのお菓子がとても気になっていた。その場ですぐ皿に入れてくれた。
どれも甘い、油っぽい。でもそれなりに美味しい。あの露店に並んでいたのもこの味だったのだ。何となくインドを感じる、独特の味だ。
他の人も買っていたから、よく食べられる伝統のお菓子なのだろう。

ラワンの商店街を歩いてみる。宗教の用品を売る店が多い。イスラム教とヒンドゥ教、別々になっているようだ。毎日何度もお祈りするのだから当然なのだろう。駅にもPrayRoom(お祈りの部屋)があった位だから。通りによっては数店に1店がこんな店だったりする。陳列されている商品は殆ど同じだ。私が見ても個々の品がどう使われるかは分からない。


大きな建物のスーパーマーケットにも入ってみた。入り口でカバンを預けるようになっている。半地下と中二階のような構造になっているこの店は、一度入った事があったが今日はつまらなかった。買いたい物が何も無かったのだ。
道路の両側に新しいビルを建てて、再開発した通りもあったが、未だ殆ど入居が決まっていないようだ。経済発展が著しいこの国でも取り残されている感じがする。それでも、若しこのような古い街並みが消えてしまったら、多分私は来なくなるだろう。

ぐるり回って、坂道まで戻り駅へ向かった。駅の待合所でしばらく休む。プラットホームには6両編成の電車が入線していた。行き先が『イポー』、になっている。外観は3輌の電車と変わらないが、座席が対面ではなく一方方向に向いている。
と言う事は、複線電化を進めている、ラワンより北側が完成したのだろうか。



3.チャイナタウンとパサール・スニを散策

この後の行き先を考えていた。もう遠くへは行かず、チャイナタウンでもぶらぶら歩き、セントラル・マーケットへ行って何か探してみようかと思った。それにアネックスのフードコートで休めばいい、と考えた。

クアラルンプール駅で降りた。やはりパサール・スニ方面への歩道橋は閉鎖されていた。また広い道路を横切って、バス停のある場所に出た。
LRT駅の前を通り、左回りでJl.Sultanをぐるっと歩いた。日曜日なのに特に人出は多くはない。ただ、ペタリン通りだけはいっぱいだ。
入り口に亀ゼリーの恭和堂がある。途中のオーシャン・スーパーマーケットに行けば肉骨茶のスープがあるように思ったのだが、店は閉まっていて、金網で囲ってある。やっているような雰囲気ではなかった。
チョッとだけと思いペタリン通りに入ってみたが、これは失敗だ。いつも通りの混みようで自由には歩けない。それに途中から外に抜け出す事もできない。流れのままついて行くだけだった。
マラッカで食べられなかった『海南鶏飯』、の店を探していたが見つけられなかった。
チェン・ロック通りへ出て、コタ・ラヤに入ってみた。店内には小さな店がいっぱい並んでいるが、上の階に行くに従って閑散とし、最上階はゲーム機が並ぶ若者たちの溜まり場、タバコの煙が充満し、荒れ放題になっていた。


再びチェン・ロック通りから、セントラル・マーケット(PasarSeni)に入った。空調が良く効いて涼しい。床もピカピカでゴミなど全くない。美術品や工芸品の店が多く、おみやげ物の店が殆どだ。2階にはバティックなど布地や衣類の店が多く、フードコートもある。
私はバティックの布地を買いたくてあちこち見て回ったが、自分の用途が曖昧で買えなかった。生地にも寄るのだろうが、このような観光客相手の店でもかなり安く売っている物もあった。

隣のアネックス側へ移動し、フードコートに入った。入り口の上に『RESTORAN ANNEXE NASI KANDAR』、と表示されている。

テーブルとイスがいっぱい置かれているが客は外側に集まっている。私は奥の方へ入って行ってメニューボードを見た。分類されていて分かり易い。≪ROTI/PRATA、NAAN、THOSAI、SOUP、SET MEAL、YELLOW/INSTANT AND VERMICELLI NOODLES、FRIED RICE、HOT&COLD BEVERAGES、JUICE≫、この分類の中に各メニューがある。ただ、ポピュラーなメニューであるナシゴレンがフライドライスに、ミーゴレンがフライドヌードル、となっているのだ。如何にも観光客しか来ない場所のようである。
『TehTarik』、を注文した。よく旅番組で見かける、高い位置から別のカップに移しながら混ぜる、あれだ。こんな店でそうするかは疑問だが。出てきた温かいこの飲み物は、単に甘いミルクティーだ。
しばらく座っているので、次にライチのジュースを注文した。インド人のおじさんを呼んで注文したのに、無視されたのかなかなか出てこない。おじさんに再度言ったら、しぶしぶ持ってきた。
店内はオープンになっているからエアコンも効かず、おじさんもかったるいのだろうか。

ここでずっと居る訳にもいかないので、再び中華街の方へ向かって歩く。そして寺院のあるJl.TunH.S.Leeに入った。中国寺院の『関帝廟』は、赤い建物の屋根に龍が向かい合っている。柱にも金色の龍が巻きついていたりする。門番の二人、日本だと仁王さん、あまり恐そうな顔をしていない。
すぐ向こうにはヒンドゥーの『スリ・マハ・マリアマン寺院』、がある。中に入ると靴を脱がないといけないので、外から眺めた。マレーシアでは最大のヒンドゥー教の寺院だとか。屋根の部分には細かな神の像がいっぱい貼りつけられている。一体何人の方がいらっしゃるのだろう。
しばらく、ぶらぶらしたのだが、肉骨茶のスープも見つからないので、次はメガモールへ行く事にした。


4.メガモールで買い物をしLCCTへ向かう

クアラルンプール駅まで歩いた。KTMコミューターに乗ったのだが、行き先を見るのを忘れてしまった。近くの人に確認すると、クラン行きだと言う。次のKLセントラルで降りてスレンバン行きを待つ事にした。通勤時間帯なのかプラットホームには人が多い。
やって来た電車はすでにいっぱいだ。日本のラッシュアワーと同じ状態になっている。それでも無理やり何とか乗り込んだ。しばらくこんな電車には乗った事が無い。この電車も1輛は女性専用車になっているのだろうか。3輌連結しかないのにこんな時間帯は無理だ。
私は次のミッド・ヴァレーまでだから少しの我慢で済むのだが。


ミッドバレー・メガモールに入り、カルフール、ジャスコ、専門店などをぐるぐる歩いて回った。買い物は、キャメロン・ハイランドの紅茶。マレーシア王室御用達とも言われる『BOH』ブランド。それに辛そうな調味料とかも買った。ただどの店にも肉骨茶は無いのだ。
今夜はLCCTなので、お菓子やパンや飲み物も買っておいた。
私は海外でも殆ど買い物はしない。勿論おみやげなどもそうなのだが、オクラホマ空港で買った『インディアンの天気予報』、だけは笑ってしまった。あんなのは面白い。
荷物の事が気になり、少し早いがKLセントラルへ戻る事にした。

荷物預かり所へ行ってリュックをもらった。時間に余裕を持たせて行動しているから、暇を持て余してしまう。この荷物預かりの場所は空調がよく効いてとても涼しい。すぐ前にはKTMの長距離列車用チケットカウンターがある。そしてここにはイスがたくさん並んでいる。
このイスにしばらく座っていた。切符を買う人のように見えたかも知れない。その後、同じ階にあるKTMの待合所に行ってみると、夜行列車に乗る人が大勢い待っていた。


1階に下りて奥の方にあるレストランで食事をした。如何にも東南アジアらしいご飯だ。それでもぶっかけタイプはとても食べ易い。激辛のメニューだけ注意すれば殆どがうまい。


5.深夜の空港ではスタバの床にも転がって寝ている人が

空港のLCCTまではAirAsiaのバスに乗るようになっている。チケットを予約した時にバスも含めてしまっていたのだ。この赤バスは、KLセントラルからLCCTへは、22時発→23時15分着、次の、3時発、3時30分発、その後はほぼ30分間隔になっている。そしてLCCT発は深夜もほぼ30分毎に出ている。
私は22時発に乗るようにした。この場所で3時まではいられない。
また予約票のコピーを見せて乗り込む。こんな薄暗い所で数字なんか見えない筈だし、運転手も見ようともしない。

深夜の空港は時間を全く感じさせない。タクシーやバス、車も多い。乗客の方も昼間と変わらない位の賑わいだ。レストランからファストフード、カフェやアイスクリームのスタンドまで、全て営業している。
ぐるっと歩いてみて、落ち着いて座れるベンチを探した。エアコンが効いている場所だと、チケットカウンターの近くか、店が並んでいる辺りになる。その中で、国際線の到着口の近くを選んだ。


2時頃に到着便は一旦区切りが付くようで、前を通って行く人が少なくなり、再び4時頃から多くなる。早朝の便が、5時頃より次々と出発するようになるので、チェックイン客が4時頃から増えてくる。
深夜から早朝に着いた人の中には、すぐ帰らず明るくなるまで待合所で眠っている人も多いようだった。
結局24時間、ずっと人は動いている。レストランやファストフード店も殆どの店が24時間営業だ。その店の中では多くの人が眠っていて、スタバでは床に転がって寝てる人もいた。

明かるくなり、ファストフード店で食事をした。コーヒーを飲んでやっと出発の気合が入った。荷物をバゲッジドロップ・カウンターに入れて待合室に向かう。
待合室の席はほぼいっぱいになっていた。売店でサンドイッチとジュースを買っておいた。免税店も覗いてみたが、酒類とチョコレートばかりだ。それも思いっきり高い。チョッと買うような物は見当たらない。しかも観光客独特のセット売りが多い。

関空行きはガラスの仕切りで囲われた待合室になっていた。一旦その中に入ると再び入るのにチェックがある。1部屋に2便づつになっているようだ。搭乗開始の案内があって、出口へ向かう。みんなでぞろぞろ歩いて行くのだが、関空行きはどの飛行機か。
バンコクへの便に乗った時は囲いのある通路を通ったから、番号や矢印がよく見えたのだが、今度は地面に書かれたものを見るしかない。2機並んでいるどちらの方なのだろう。
乗客の顔ぶれを眺めてみたら、どうも国際的過ぎた。トゥドゥンの女性もいるし、白人も多い。同じ出発口から出た香港行きの人達のように見えた。手前の飛行機まで行ってスタッフに「関空行きは?」、と聞くと、何とあのいろんな人種のグループの方だった。
それにしても、このような出発ゲートは分かり難い。タラップで搭乗券を確認するから間違う事はないのだろうけど。関西行きは東京と違ってかなり独特の雰囲気があるのだが、いつの間にこんなにも国際的になったのだろう。
機内ではまた、あのマレー食を食べた。ベンチで夜を過ごしたので、狭いと言われるLCCの座席が快適に感じられた。
そして到着した関西空港は、震えるほどの『真冬』、だった。




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ひっそりとしたラワンの市街地。ここでもTOTOには大勢の人がいた。

宗教に関する用品を売る店がやたらと多い。用途は全く分からない。

新しい商店街も空き家が多く入居募集中の看板が出ている。

ラワンからKTMクアラルンプール駅まで戻ってきた。この右側の階段を上れば、チャイナタウン方面への歩道橋と繋がっている。

賑やかなペタリン通りの東隣にある通り。ここなら自由に歩ける。

コタ・ラヤの1、2階は賑わっているが最上階は荒れ放題になっている。

Jl.SultanとJl.HangJebatの交差点。近くに鶏料理の名店がある筈なのだが。

チャイナタウンのこの古い建物群が印象的だ。カオサンロードやデタム通りのようにバックパッカーも多い。

一日中賑わっているペタリン通り。露店の間に入ると身動きがとれなくなる。

深夜のLCCT。ほんの少しの時間だけ動きが止まる。

ターミナル内の店舗は殆どが24時間営業だ。

早朝の出発案内板にはアジアの各都市へ向かう便が続いている。

出発ゲートを出ると、地面に書かれた番号や矢印を見ながら搭乗機まで歩く。