メ コ ン の 流 れ と と も に 8 |
|
|
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1.マハーチャイ行きの列車に乗る 1月23日、今日は旧暦の元旦だ。 ホテルを9時20分頃出発した。道路の中央にBTSの高架橋があるクルン・トンブリー通りを歩く。この通りは道幅が広く、反対側にはチョッと行けない。車は高速道路並みにスピードを上げて走っている。歩道も広くゆったりしていて歩きやすい。商店街のような通りではなく、所々に食堂が ![]() ![]() その駅前と周辺は市場になっているようだ。時刻表は事前に見ておいたが、駅に行ってもう一度確認した。次の列車は10時40分発だ。 まだ10時前だったので、チョッと向こうのロータリーまで行って『タクシン王像』、を見てみよう。タクシン王は馬に跨り刀を振り上げている。18世紀、ビルマ軍に占領されていた、アユッタヤーやバンコクからビルマ軍を追放し、トンブリー王朝を築いた英雄だ。道路を横断する陸橋に上がるとよく見えた。すぐ傍には現在の国王の肖像も立ててある。さすがにタイだ。 駅に戻り切符を買っておく。10バーツだ。プラットホームを端まで歩いてみた。単線のレールの向こう側にはホームと平行に露店が並んで ![]() ![]() 露店を覗きながら、ぐるり回って駅の入り口まで戻った。販売台で搾りたてジュースを売っていた。オレンジ100%と書いてある。チョッと粗野な感じだが、見ているとこれがやたらと売れているのだ。私もつい買ってしまった。確かに、みかんの絞りたて、と言った味だ。 列車が入線して来て、乗客が大勢降りた。辺鄙な路線とばかり思っていたから意外だった。 このディーゼルカーはあまり停車することなく、折り返し便としてすぐ発車した。 私はトンブリー地区は初めてだった。地図で見ると、中心地からかなり外れてているし、ごみごみしていて、チョッと汚い高床式の家がいっ ![]() ![]() しばらく町中を走り、乗客が乗り降りしていたが、徐々に田園地帯へ入って行った。背の高い雑草の中に、椰子の木やバナナがいっぱい生えている。しかも低湿地帯なのかあちこちに水路が通っている。 しばらく走ると、周り一面が養魚場のような水を張った田んぼになった。列車が畦道を走っているような感覚だ。 駅に着いても、辺りに家がたくさんある訳でもなく、乗客の移動が無くなってしまった。 車内に貼られたプレートを見ると『1985年日本車輛』、と書かれていた。タイ国鉄では日本で使われていたこのような車輛をよく見かける。軌間の違いをうまく調整して使っているのだろう。 2.フェリーで対岸の町へ、辺りは魚介類一色だ 少しづつ乗ってくる人が増え、列車は街中へ入って行った。そして11時39分定刻にマハーチャイ駅に到着した。屋根のあるプラットホームの辺りはまるで市場の中だった。プラットホームに沿って衣類の店が並び、線路の端の方には野菜が積み上げられている。 ![]() ![]() ここで食事をしようと思っていたのだが、適当な店が見つからない。 駅前の通りを右へ歩いて行く。 この通りは海産物の店が多い。生魚から魚の干物、魚介類の乾物まで、海の産物ばかりだ。この近くには魚の缶詰工場が多いらしい。日本へ輸出されるツナ缶は、ペット用も含めここで造られているようだ。 生魚がワッパに入って売られていた。これだと見栄えもよく、何段にも積んでおける。客としてもも選び易い。いろいろ工夫されている。 ![]() ![]() ここから見える対岸にフェリーが着くのだから近い。それに運航本数も多いようで、すぐ次のがやって来る。これを確認して川沿いをぶらぶら歩いてみた。 フェリーは半分近くがバイクだ。船の縁が斜めになっているから、水面が上下しても、どこかの部分は高さが合って乗れるようだ。 フェリーは5分程で対岸の町に着いた。私はタイ国鉄の『バーンレーム駅』がどこにあるのかは知らなかった。すぐ見つかると思っていたのだが、通りが複雑だ。何度か通行人に尋ねながら歩いて行った。 このフェリーからだと右側へ進み、商店街の通りをしばらく行くと、急に道が狭くなるが、そのまま更に進むとレールが見えてくる。 ![]() ![]() ここにはフェリーは着けないが、列車の連絡船とかはあるようだ。 バーンレーム駅で食事をしようと思っていたのだが、そんな雰囲気は全くなかった。小さな売店が何軒かあり、頼めば食事も作ってくれそうな店もあるが、チョッとここでは食べたくなかった。もう少し我慢しよう。 メークローン行きは13時30分発。しばらく時間があったので、レールに沿って歩いてみた。食堂があるかも知れないと思った。 レールは待避線以外はずっと単線になっていて、この駅では車輛交換はできないようだ。しばらく行って住宅が建ち並ぶ辺りまで来ると、何と、レールが道路の土に埋まってしまっているのだ。こんな所を本当に列車が走るのだろうか。砂に隠れた線路なんて今まで一度も見た事 ![]() ![]() あちこち歩いてみたが、結局、食堂は無かった。線路沿いの家は入り口も窓も開け放たれていて、室内が丸見えだ。列車は1日に8回しか通らないし、特に気にする事もないのだろう。 日差しは強くてとても暑いのだが、かと言って駅に戻っても何もする事がない.。 駅では、日陰のベンチで何人かが列車を待っていた。そしてあの小さな波止場にも船が着いた。この船はどこから出ているのだろう。列車に接続した連絡船としか思えない。場所から考えて、こちらが正規のルートなのかも知れない。 13時14分に列車が到着した。大勢の乗客が降りてきて、ひたすら前の波止場に向かって歩いて行った。かなり遅れて着いたみたいだが、船は待ってくれているようだ。 3.市場と一体になったメークローン駅 出発する頃になると車内の座席はほぼ埋まった。駅にあったPrice”0”の切符を持っていたが、車掌に切符を見せて10バーツ払った。車掌はしばらくして別の小さな切符を持ってきた。地元の人は皆あの『0バーツ切符』で乗っている。 この路線はディーゼルカーが走っていて、タイ国鉄のクラスは2等車。アユッタヤーまで乗った昔ながらの客車は3等車になっている。 ![]() ![]() 住宅との距離は殆どなく、バナナの葉っぱがピシャピシャと当ってくる。 しばらく走ると家並みが途絶えて田園風景に変わった。雑木林の中に椰子の木やバナナが生えていて、マハーチャイ線とあまり変わらない光景だ。 列車は幾度となく広いため池に囲まれた場所を通る。このメークローン線の沿線には塩造りが盛んな場所があり、それらしき施設が見える。またエビの養殖も盛んなようだ。 列車は次々と停車して行くが、あまり乗り降りがなかった。それでもメークローン駅が近づくにつれ徐々に増えてきたようだ。始発駅からの乗客は殆ど降りていない。どうも鉄道路線の端から端への移動が主なように思う。さっきの連絡船の事を考えるとバンコクへ出かける人も多いのではないだろうか。 ![]() ![]() この市場は ラート・ロムフッブ(傘閉じ市場)と呼ばれていて、列車が通る時だけレールから商品を撤去するのだ。レールすれすれに置かれた商品は、前に付いているスカートの高さをよく計算しているようだし、販売台にはキャスターが付いていて、下に敷かれたレールを移動する。これだと列車が来た時、販売台を外側へ引っぱるだけでよい。何かと工夫されている。 列車が通り過ぎるとすぐ、両側からテントが下りてくる。客は真ん中の通路、つまり線路の間を歩きながら買い物するのだ。 ![]() ![]() 市場の様子を見て回り、駅前の通りへ出た。お正月を祝う赤い提灯が道路を横断して吊り下げられていた。市場の中の賑わいを見た後だけに、街はひっそりと映る。 その中で、美味しそうなケーキを売っている店があった。生地もカラフルだが、その上に描かれた絵がきれいだ。 街歩きはそこそこにして駅へ戻った。バーンレーム行きは15時30分発が最終列車となる。 メークローン駅で、市場に入ってくる列車を撮ろうと思ったら、バンコクをチョッと早く出て、この駅に11時10分着の便に乗るのが良いだろう。私と同じ列車なら、テントを片づける様子は車内からしか見られない。 ![]() ![]() 商店街は夕方の買い物客で賑わっていた。夕陽が真正面から当ってとても眩しい。 ウォンウェン・ヤイ駅に着いた頃にはもう真っ暗になっていた。ホテルまでの道を歩いていると、道端にタクシーが群れて停まっている場所が何カ所かあった。その道端には美味しい食堂があるのだ。 ホテルに帰ってパパイアを食べた。かなり大きかったが、やはり味はパパイア、水分は多いものの特に美味しくない。 Topへ 前へ ◀ ▶ 次へ |
|