メ コ ン の 流 れ と と も に 21 | |
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1.早朝のニャチャンビーチを歩く 夜が明けたばかりの6時過ぎ、ニャチャンへ着いた。シンカフェの横には広い駐車場があり、バスが2台待機していた。トイレはなく片隅に蛇口が一つだけあった。そこでは着いたばかりの数人が、朝の歯磨きや洗顔をしていた。 ![]() ![]() 私はこのニャチャンの街を歩いてみたいのだが、バスの時間が気になって遠くへは行けない。 海岸に沿った大通りを横切って砂浜に出てみた。さすがにベトナム屈指のリゾート地だ。白い砂浜と椰子の並木がずっと向こうの方まで続いている。そして遊歩道がきれいに整備されている。この時間海に入っている人はい ![]() ワイキキのような派手さは無いにしろ、大通りに沿ってホテルやレス ![]() シンカフェまで戻り、カウンターでチェックインを済ませた。 このオープンツアーバス、切符は全区間買っているが、バスの乗り換えがある度にチェックインをしなくてはいけない。そしてカードを貰う。 ムイネーまではサイゴン行きに乗るよう言われた。駐車場には赤バスと白バスが前に出てきて、荷物の積み込みを始めていた。サイゴン ![]() ![]() 行き先を確かめて荷物を載せてもらった。ホイアンから乗ったバスと同程度だった。 横の席に中国人が乗ってきた。家族連れのようで、辺りの席は一族で埋まった。前や後ろの席の人と大きな声で話し始める。殆どがファイナンスの話。つまり金儲けだ。 それにしても声が大きい。中国語が辺りを飛び交っている。周りの事など全く気にしない、我が家さながらだ。 ちょっとうんざりしながら、それでも気にしないよう、景色を眺めたりガイドブックを読んでいた。 2.ムイネーまでの道には岩山が ニャチャンを出て、しばらく美しい田園風景が続いた。養殖池が見えたり、一面椰子畑だったり、サトウキビ畑が広がっていたり。そんな風景が今度は稲作に変わり、ずっと水田が続くようになった。 ![]() ![]() そして11時50分、バスは休憩所の店に入った。 『COM』と『PHO』、のメニューが貼りつけてあった。よく分からないので、『PHO BUN BO』、を注文した。味はうすく、テーブルには特に調味料もなかったのでそのまま食べた。美味しくなかった。 前の道路へ出てみると、岩山が近くに見え、辺りは石がゴロゴロした荒れ地だった。今まで走ってきた田園風景が一変していた。時折トラックが轟音をあげて通り過ぎて行く。まるで西部劇にでも出てきそうな風景だった。 食事を終えた人達が暇そうにぶらぶら歩いている。 ![]() ![]() ここからの車窓風景は、私がイメージしていたベトナムとは全く違っていた。 木々がまばらになり、大きな岩だけの山。その下にレールが敷設されている。今にも落っこちてきそうな岩があちこちに出ている。 かなり雨の少ない地域に出たみたいだ。 そんな荒々しい大地を走っていると、今度は辺りが赤い土に覆われるようになった。褐色と言うより赤い土だ。そんな風景に変わると、今度はどこまで行っても赤い大地になってしまった。 私はスイティエン(妖精の渓流)に行く予定なので、ムイネーにはこんな赤い砂漠があるのは知っていた。でもまだそんな時間にはなっていない。こんなに手前からすでに赤い砂漠になっているのか。 ![]() この砂地にはサバンナのように背の低い木がパラパラと生えている。そんな中に ![]() どこまで走っても、車窓はすっかり赤い砂漠になってしまった。もう1時間以上にもなる。時々写真を撮るが、赤っぽい丘と砂漠ばかりだ。 そうこうしていると、今度は海岸に出て、椰子の木が見えるようになってきた。両側をぎっしり椰子の木に埋め尽くされ、真ん中に道路が真っ直ぐに延びている。その中をバスはスピードを落とし、ゆっくりと進んで行く。 そんな景色の中をしばらく走り、シンカフェのムイネー営業所に着いた。 3.タウンバスに乗りファンティエットのホテルへ ムイネーでは半数以上の乗客が降りたようだ。シンカフェのオフィスに留まっている人以外は、それぞれの乗り物で散って行った。 私はバイクタクシーを振り切り、この素朴で良い感じの椰子の通りを歩いてみた。 すると未だいくらも遠ざかっていない場所に小さな橋があり、下には小川が流れていた。これこそがスイティエンの入り口ではないのだろう ![]() そんな収穫を得て再びシンカフェの所まで戻った。タウンバスの停留 ![]() 9番の赤いバスがやってきたので乗った。すぐ車掌が来た。地図を見せてホテルの近くで止めてもらえるよう頼んでおいた。料金10,000ドン払った。 このムイネーの通りをしばらく走ると、海岸から離れ小さな峠を越えた。そして左側には漁船がいっぱい係留されていて、右側に大きなヌックマムの工場が何棟も見えてきた。 私が目印にしていたのは橋だった。ところが何度か橋を通る度に車掌に未だか聞くのだが、まだまだ先だと言う。すっかり市街地に入ってしまったのに、車掌は未だだと言う。この車掌、間違っているな、と思いつつ我慢していると、バスが止まり「ここだ」、と言った。慌てて降りたが、こんな市街地とは思っていなかった。 ![]() ![]() 大通りから少し入った場所にホテルらしき建物が2棟あった。近づくと向こう側が予約しているホテルだった。 道路から直接階段を上った、2階にフロントがあった。そこにいたのは細い体で欧米系の顔、チャキリスのような男性だった。 チェックインはPCを開いてバウチャーを見せたが、プリントした物が要ると言うのだ。何と厄介なホテル。 仕方なく、アドレスを貰いネットに接続し送信した。 このホテルはヨーロッパ式で1階はGから始まる。私の部屋は6階だったので日本だと7階だ。広くてきれいな部屋で、とても眺めが良い。周りの景色が高い位置から見渡せた。 ファンティエットはリゾート地だから、観光客はムイネーに泊まる人が多い。ただ、市街地にいても、南国の風を受けてリゾート気分を感じる事もできる。 4.ファンティエットの市街地を歩いてみた バウチャーが印刷できたと電話で言ってきた。鞄を持ってフロントまで下りると、「食事は何にするのか、スープは?」と聞いてきた。夕食の予約みたいだった。「外の食堂で食べるから要らない」、と言う。 ![]() ![]() しばらく歩くとCOOPのビルが見えてきた。その前の公園には勝利の像があった。もう辺りが薄暗くなってきた。更にその先へ行くと、チャンフンダオ橋があり、川沿いに遊園地がある。派手なイルミネーションが輝いていた。明るく光って見えるのはウォータータワーのようだ。 向こう側の橋の近くにはレストランがある、とガイドブックに載っていた。まだ18時30分頃なのに、旧市街のこの辺りは人通りが殆どない。レストランもひっそりしていて客がいるように見えなかった。欄干が緑色のライトで輝いている橋を渡ると、公安のすぐ横に食堂があった。道路際におかずが並んだケースがあり、すぐ横で魚や肉を焼いていた。客が何人か傍で焼けるのを待っている。その様子を見ていると、入るよう勧められた。何段か上って少し高くなったフロアにはたくさんテーブルが並んでいた。入り口のおかずを指さし、ご飯も注文しテーブルにつく。 ![]() ![]() 宿へ帰る途中、チェーの店を見つけた。歩道のすぐ横にガラスケースを出し、中には多くの具材がポットに入って並んでいた。地元の人があれこれ言って買っている。そんな注文の仕方はできないから、適当に、と言って低いイスに座った。おばさんが一人で切り盛りしている。 ジョッキに入って出てきたチェーは、豆類や芋類が入ったものにココナッツミルクがかかっていた。上には氷もたっぷり載っているから冷たくて美味しい。 すぐ前の通りは暗くなって、通行人も殆どいなくなった。 ホテルに帰りるとフロントにはチャキリスから女性に代わっていた。宿泊客も少なそうだった。 Topへ 前へ ◀ ▶ 次へ |
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