メ コ ン の 流 れ と と も に     29
空港近くのホテルへ移動する
ベトナム 14   2月13日 (月)
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1.NhuLanで生春巻きとアボカドのシントー

チェックアウトでフロントに行くと、男の子が「タクシーは?」と聞いてくれた。私の行動に興味があるみたいで、しばらく旅の話などをした。
かなり部屋数は有りそうな宿だが、初日に白人を一度見かけただけで、他の客とすれ違った事がない。

安宿だが、それなりに快適に過ごす事ができた。私は街歩きが一つの目的でもあるので、繁華街からこの程度離れているのは何の不都合もなかった。
今日はこの宿を出て、タンソンニャット空港近くのホテルへ移動する。明日のシンガポール便が、朝8時55分なので、空港近くに泊まるように日本で予約していた。何故シンガポールかと言えば、マラッカへ行くつもりもあったのだが、エアアジアのKUL行きより、ジェットスターのシンガポール行きが安かった(3,384円)からだ。


リュックを引いてカンホイ橋を渡り、ハムギー通りのニューランへ向かった。
あまり混んではいなかった。生春巻き(GoiCuon)とアボカドのシントー(SinhToBo)を注文した。
生春巻きの中身はどこもよく似ているようで、エビと青シソの葉に春雨が入っている。一緒に出てきたタレに浸けて食べた。びっくりする程美味しいとは思わないが、ベトナムの味として記憶に残すには良い食べ物だ。
アボカドのシントーはハマってしまう味だ。どろっとしていてこの店のは特にうまい。これで20,000ドン(80円)だ。日本でこの値段だと、何かに何かを加え、着色料と香料を入れて作るだろう。
NHU LANの店頭には相変わらず、燻製された豚肉やハムが吊り下げられている。ガラスケースには生春巻きがいっぱい盛り上げてある。その横で何本か買っている客がいた。こんなものは家で作るより買った方が安いのかも知れない。
パンや惣菜や菓子など、店頭ではどんどん売れているようだが、店内はステンレスの安っぽいテーブルに、赤いプラスチックのイスが並んだ、如何にも庶民派の食堂だ。だけどこの店は何とも魅力的だ。それなりに清潔だし、ベトナムを十分に感じながら食事ができる。
それにあのバイン・ミー・ティットのBBQも絶品だ。



2.152番バスでタンソンニャット空港へ、そして宿さがし

ハムギー通りを1ブロック行くとTonThatDam通りがあり、右側に露店や道端の店がずっと続いている。この通りは旧市場があった所で、今も人気があるようだ。ノンラーを被ったおばさん達が生き生きと商売をしている。
真っ直ぐ歩いてベンタイン・バスセンターへ向かった。タンソンニャット空港へは152番のバスだった。
このバスもちょっと苦労して乗った。国際空港行きのバスとは思えないほどのボロバスだ。普通は見栄を張って、こんな路線には飛びきり良さそうなバスを投入する筈なのだが。
しかもワンマンバスだ。1番なんかと同じで運転手の横にある料金箱にお金を入れるのだが、切符は機械から出るのではなく、運転手の手渡しだ。
道路は混んでいた。ターミナルを出るとリートゥチョン通りのロータリーを曲がるのだが、この辺りからバイクがいっぱいだった。

初めてのタンソンニャット空港、そう混んではいなかった。到着口に人集りができているくらいだ。広場に飲み物やパンなどを売るスタンドがあったが、値段はすでに倍以上になっていた。到着案内のボードの上には、『サロンパス』の大きな広告がやけに目立っている。

ホテルを探すのだが、日本で予約していたので、地図やバウチャーはコピーしていた。空港からそのコピーをを頼りに路地を歩いたが、曲がりくねって分かり難い。何度も道をたずねながら探して歩いた。それにリュックもあるし、こんな空港に近い場所でゴミゴミしているとは思っていなかった。
2時間くらいかかってやっと見つける事ができた。間口は狭いが、こじんまりとしていて、きれいなホテルだ。バウチャーも必要ないみたいで、パスポートをチェックしただけですぐキーを渡してくれた。
部屋も広くベッドも、バス・トイレもきれいだった。ただ、ゴキブリが2匹住みついているようなのだ。これは気になったが、荷物を置くとすぐ出かけた。

明日のためにチョッと空港内をチェックしてみる。エスカレーターで3階へ上がりチェックインカウンターなどを見ておいた。そんなに大きな空港でないから大丈夫だ。1階に下りて国内線のターミナルへ歩いて行ってみた。屋根のある歩道で結ばれているが、あまり行き来はされていないようだった。大きなフードコートがあり、こちらの乗客は多そうだ。国内線側は平屋なので搭乗橋はないみたいだ。

一番外側のレーンの外れに停車中の152番バスに乗る。しばらく運転手も乗ってこなかった。動き出したバスは、すぐ国内線のターミナルへ向かい客を乗せた。やはりこれも古いバスだった。


3.コムヘンの店、『クアン・ナムヤオ』へ

バスを降りて、この厄介な横断歩道を渡り、ベンタイン市場に入った。ぶらぶらとあちこち見て回ったが、気に入っていた人形はやっぱり壊れそうなので買わなかった。他にもベトナムっぽい民芸品などで良い物はたくさんあった。中でも、ノンラーを被ってアオザイを着た女性の絵画が情感があってとても良い。
今日はコムヘン(しじみご飯)を食べようと思っていた。
この市場の裏側へ出て、右側へ少し歩くとサングラスとか売っている店が角にあり、そこの路地を入ると両側に女性がいっぱい座って、足の爪のケアをやってもらっている。その突き当りが『クアン・ナムヤオ(QuanNamGiao)』だ。どこか変なヘム(小径)にでも迷い込んだような気がする。随分と奥まった場所にある。この店はガイドブックでも見ていないと絶対に分からない。

メニューはフエ料理だが、ここでの名物はコムヘン(ComHen)だ。
店内はチョッと暗くてカフェのような雰囲気がする。テーブルも庶民派食堂のようではない。
注文した後、少し間があってから出てきた。しじみ、ピーナツ、ごま、豚皮の油揚げにタレがかかっている何色かのどんぶりのようだった。
そして食感がとてもいいのだ。噛みしめるとしじみの味がじゅわっと出てくる。ピーナツも香ばしいし、堪らない味だ。
これはうまい。フエでは路上でも売られているようだが、ここのは絶品だ。



4.次は、『CHE MY 2』へ

次に向かったのは、チェーの店、『CheMy2』。チャンフンダオ通りを歩いて行くと、ブイビエン通りに入る少し手前に、グエンタイホック通りとの交差点がある。角には赤いロッテリアの看板が見える。そのすぐ近くの緑色をした店がそうだ。ロッテリアに負けないくらい高い位置にCheMy2と書かれた看板が出ている。
この店も、店内が緑色で制服が黄色だ。チェーの店としての何かルールでもあるのだろうか。入り口にはガラスのボールに入った具材がたくさん並んでいる。豆類・芋類にカラフルな寒天だ。私はBanhFlan(プリン)GoiCuon(生春巻き)、SenThach(ハスの実のチェー)を注文したが、ハスの実のチェーは売り切れだった。それで、CheThapCam(ミックスチェー)にした。

メチャクチャうまいバインフラン(プリン)。どっぷり氷と黒いシロップに浸かっているプリンは、ねっとりとした濃厚な味だ。ほろ苦いシロップとの相性も抜群で、味を引き立てている。
浜井幸子さんの本には「タイビン市場のお姉さんのプリン」、’ス’がいっぱい入っているが、凄く美味しい、と書かれていた。
日本じゃちょっと食べられないこの味。こんな庶民の店で最高の味がいただけるのだ。
生春巻きは、どの店もほぼ同じような味で、唐辛子の入ったピリ辛のタレが付いてくる。ここではファストフード感覚の食べ物だ。

生春巻きは、何も言わなくても2本だけ皿に入って出てくるが、お金を払う時には何本だったか聞かれる。他の店でもそうだったから、1本づつの値段になっているのだろう。BanhFlan7,000、GoiCuon(7,000×2)、CheThapCam13,000、だった。全部で約136円だ。


5.ホテル暮らしのゴキブリ

ベトナムの味を堪能してホテルへ戻る事にし、ベンタイン・バスセンターから152番バスに乗った。
空港からは、国内線ターミナルと反対の道を歩いて行く。その奥にバスやタクシーの駐車場があり、その先に検問所のようなボックスがある。そこを出て、曲がりくねった道路を歩いて行くのだ。
早朝の出発便には、なるべく空港に近い場所、歩いて行けるホテルと思って探した結果、このホテルになった。徒歩で約20分の距離だ。
部屋に戻ると、早速ゴキブリが出迎えてくれた。私はゴキブリを嫌っているが、彼らはこの部屋の住人だ。
それでも、あの頭の長いひげがどうも嫌だ。部屋は広くゆったりしているし、ロッカーと椅子とベッド位しか置いていない。だから、彼らもそんなに走り回らないし、隠れる場所もないのだ。
私は心を鬼にして、やっつける事にした。タイで買った虫除けのスプレーを思いついた。慌てて取り出しニ匹目がけて噴射した。手応えがありチョッとふらついた。それでも分かれて逃走するではないか。バスルームへ逃げ込んだ一匹を追っかけて再度噴射した。
ついにそいつはうずくまって、どうやら観念したようだ。もう一匹の方はロッカーの下に隠れたようだ。
取りあえず落ち着きを取り戻し、シャワーを浴び、簡単に洗濯をした。

少しでも早く寝ようとベッドに入ったが、隣の部屋がやたら騒がしい。何か賭け事でもする場所のようで、大勢で騒いでいる。
そしてそれが深夜、いや朝までも続いたのだ。




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ホテルを出て、ハムギー通りを歩く。この先にニューランがある。

ニューランの店頭では、大量のパンと惣菜が売られている。

タンソンニャット空港の近くBachDang通りにある『ホアンキムロングホテル』


タンソンニャット空港1階の到着口。大きなサロンパスの広告の下に到着便の案内ボードがある。

タンソンニャット空港1階。右側がターミナルビル、左側の奥にベンタイン市場方面の152番バスが常時停まっている。

『CheMy2』は、このNguyenThaiHoc通りとTranHungDao通りの交差点にあるロッテリアのすぐ近くだ。

『CHEMY2』の店。店内は清潔で、制服を着た店員の接客も良い。
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