メ コ ン の 流 れ と と も に     27
ホーチミンのトンドクタン通りを歩く
ベトナム 12   2月11日 (土)
前へ1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14次へ

1.『Nhu Lan』で朝食を

グエンタッタイン通りのカンホイ橋を渡って、ハムギー通りへ。『NhuLan』、は、この街で一番よく目立つ高層ビル『ビテクスコ・フィナンシャルタワー』のすぐ傍にある。道幅の広いハムギー通りでも見つけ易い店だ。10時40分頃、店に入った。
メニュー表は食事とデザートの2面にたっぷり書かれている。
BunRieuCuaCaTom(エビ・カニや野菜の入ったヌードル)とCamXoaiSinhToChanh(オレンジマンゴーのシントー)を注文した。ヌードルは麺が太く、スープも香辛料が効いていて辛めだ。

店内のテーブルにも客は多いが、商品の種類や数量を見ても店頭売りの方が断然多いようだ。
アメリカで言えば、デリの店だ。パンやそれに挟む惣菜、サンドイッチ、加工肉などを中心に売っている。パンはあちこちに盛り上げられているし、中華風の生菓子やせんべいのような物まで、ラックの上に山積みされている。
よく目立っているのが、小豚の丸焼き、2台のオーブンが5段でぐるぐる回っている。その横にはバインミー・ティットのBBQとGAを調理販売するスタンドがある。このバインミーの前を、買わずに通り過ぎる事はできないだろう。清潔感もあるし、何ともうまそうだ。
一個注文すると、肉を回しながら削り取って野菜も挟んで美味しそうに作ってくれた。

パンの山積みされた前に、緑と白を重ねた餅で作ったような生菓子があった。店の人に名前を聞いてみたが聞き取れなかった。ちょっと美味しそうで三角のを買ってみた。
バインミーティットには不可欠な太いハムもある。BanhMiKhongは一本12,000ドンだ。食パンのスタイルもあるし、それを薄くスライスし袋に詰めたものもある。この店で材料を仕入れて、プラスチックのイスと小さなテーブルがあれば、今からでも道端で商売ができそうだ。
この店では、店頭で買ったパンなどを持ち込み、店内で飲み物や麺類などを注文すれば、すぐその場で食べる事もできる。私はこのような業態の店が好きで、ニューランにはかなり興味を持っていた。
サンドイッチとおやつまでも買ったので出かける事にした。



2.トンドクタン通りからナムキーコイギア通りを歩く

トンドクタン通りへ戻り、サイゴン川に沿って歩くと、半円形のロータリーの真ん中にチャンフンダオ像が立っていた。ベトナムの歴史的英雄で軍事戦略に優れた能力を持っていた、と言った人物だ。鎧を身に付け刀を差し右手を前に出している。
この先のトンドクタン通りは、バイクは多いものの歩く人は殆どいなくなる。
川に沿っていた道路も行き止まって大きく左に曲がるように進む。これから真っ直ぐに高い街路樹の道が続いていた。

日陰で涼しくなった。ずっと歩いて行くと街路樹がなくなり、TV局が見えた。
この先では、『チェー・ナムボ』に行こうと思って探しているのだが、ちょっと見つからない。
そして道端にテーブルを数台出しているシントーの店が見えた。探している店ではなさそうだったが、のども渇き休憩しようとイスに座った。そしてメニューからアボカドのシントーを注文した。ねっとりしていて、甘さもちょうどいい感じだ。果物がたくさん採れる地域では、果物をそのまま使うから果汁たっぷりで、自然の味が楽しめる。しかも道端の店で飲んでもとてもうまいのだ。日本だとこうはいかない。ファストフードの店でシェイクと呼んでいるあれに近い。果肉に練乳を加え氷と共にミキサーにかけたもの。暑い時には冷たくてとっても美味しい。私はこのアボカドのシントーにハマってしまった。

この店を出てチョッと行った所に、お目当てのナムボがあった。大通りに看板が出ているから分かったのだが、店はかなり路地を入った所にある。チェーがいくら好きでも今はもう食べられない。

道を左へ曲がって、どんどん歩くとCOOPの店があった。そこからコイギア通りを統一会堂の方へと向って歩く。辺りは高級住宅地なのか緑も多く建物もきれいで、落ち着いた雰囲気がする、山の手の感じだ。3区から1区へ入る。統一会堂が見え、その前は公園のようで、木々が茂った森になっている。散水機が回り、あちこちに置かれたベンチには休んでいる人も多い。


3.統一会堂を眺めながらバインミー・ティットを食べる

私はずっとニューランで買ったバインミー・ティットを持って歩いている。この公園はちょうど食べるのに良いベンチがあった。散水機の水がかからない場所を選んで座った。作っているのを見ていたから中身は分かっているが、肉もたっぷり入っていて美味しい。

餅のような緑色の生菓子もあっさりとし、ほんのり甘く求肥の食感だ。うまい。
公園の周りはぐるりと道路で囲まれている。そこを音楽を鳴らしながら自転車で飲み物を売っている人がいる。どんな規則があるのか、公園の中には入れないようで、近くまでは来ない。私はちょうど何か飲みたいところなのだが。

すぐ前に見える統一会堂には、観光バスが次々にやって来て見学者を降ろしていく。物々しい警備はないが、南ベトナム政権時代の大統領官邸だった事を考えると、ちょっと近寄り難い重みがある。
この森の中は日差しが木々で遮られているので涼しく、周りの人達もずっと動こうとしない。
それでもこの散水機は移動式で、ある程度の時間が経つと次の場所へ移動させるのだ。これをうまくかわさなければいけない。作業をしている人は、ベンチの人など気にしていない。
公園を取り巻く道路の一角に、凄く繁盛しているカフェがある。ここからも近いのだが、店の前に赤いテントが張られ、大勢の人で混雑しているようだ。この静かな雰囲気の公園には似合わない。
ただ、ホーチミンのこの辺り一帯は、広尾か麻布の雰囲気なのだ。緑が多く、店はその中にひっそりと存在する。下町のチョロン地区とは全く違っている。


ナムキーコイギア通りからベンタイン市場の裏側に出た。こちらには花屋がずらりと並んでいる。日本にも出荷されていると言うベトナムの花は、ダラット辺りで栽培が盛んなようだ。大きなリングやハート型に作ったのもあり、赤や黄色の花が殆どだ。
グエンタイビン通りにあるパン類を売っている店『HIEU BANH NGAN SAI GON』へ入った。この店の看板にはBANH MI GA、SANDWICH KEP THIT 、BANH BAO、 BANH CHUNG、 BANH NGOT、 MUT CAC LOAI、と書かれていてニューランと同じようにサンドイッチ類やベトナムちまき等を売っている。
このパン屋で菓子パン2個を買った。生地がパサパサなのは何故なのだろう。フランスパンはどの店で買っても当り外れはないのだが。

チョッと遠くにあるカルメット橋を渡って4区に入った。道路脇の建物は古いが何となくおしゃれっぽさがある。洗濯物が吊るされていたり、辺りは雑然としているが、窓とベランダのデザインはなかなか良い感じだ。
その先のホアンジウ通りを左へ曲がり、いつもの薬局で水を買って宿へ帰った。




                       Top    前へ   次へ




ニューランの店頭にはパンや惣菜が大量に売られていて、次々と客がやって来る。

BANH MI THIT NUONG BBQ 25,000d、BANH MI GA 25,000d、声をかけると、その場ですぐ作ってくれる。

ホーチミンの街はとても緑が多く、街路樹の巨木が遠くまで続いている。ここはトンドクタン通り。

広い公園から統一会堂を見る。散水機を避けながらバインミーティットを食べた。

ベンタイン・バスターミナル。朝夕は大混雑する。ここからベンタイン市場へ渡るのは一苦労だ。

カルメット橋を渡って4区に入ると、道路脇にはこのような建物が並んでいる。